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認知症の予兆かも? 犬の意外な行動変化とは
犬にも認知症があるといわれますが、日常の中でどのような症状がみられると認知症の可能性があるのでしょうか?
「認知症でみられる犬の行動変化」について、いぬのきもち獣医師相談室の岡本りさ先生に聞きました。
犬の認知症とは
犬の認知症は、加齢に伴う脳の萎縮や脳の病気などに伴って認知機能が低下していく状態のことをいいます。
犬が認知症になると、自分のいる場所や周囲との距離感がわかりにくくなったり、他の犬や人への興味、意欲が低下したり、立つ・座る・歩くなど今まで自然にできていた動作がぎこちなくなったり、不安がる様子が増えるなど、さまざまな行動変化がみられるようになります。
認知症の症状である「行動変化」
ではここからは、認知症の症状でみられる「行動変化」の例についてみていきましょう。
①「見当識障害」が起こる
慣れている場所で迷子になる、飼い主さんや知っている人を認識できない、障害物を避けられずにぶつかる、家具などの隙間にはさまっても後退できずに出られなくなる、無目的にウロウロと歩いたりグルグルと同じ方向に回り続ける、ボーッとしているなどの「見当識障害」が起こっている可能性があります。
②人との関係性の変化
人になでられたり遊ぶことに興味がなくなる、指示に従わなくなるなど、飼い主との関係性に変化がみられることがあります。
③睡眠の変化
昼夜逆転が起こったり、長時間起きているかと思えば今度は長時間寝続けるなど、睡眠時間と覚醒時間に変化がみられることがあります。
④排泄の変化
トイレ以外の場所で排泄をしたり失禁をするなど、排泄の失敗や変化がみられることがあります。
⑤夜鳴きをする
不安や体の痛み、要求から単調に鳴き続けることもあれば、無目的に夜鳴きをすることもあります。
⑥食欲の変化
食欲の増加や減退がみられることがあります。
犬の認知症は根本的な治療方法がない
ヒトの認知症と同様に犬の認知症も根本的な治療法はありません。症状は徐々に進行する傾向のある病気です。
認知症の症状は進行すると判断ができますが、初期症状は些細なものでその後は普段通りの様子に戻ることが多く、過去のちょっとした違和感が実は認知症の予兆だったということが多いようです。
単調な生活は犬が認知症になりやすくなるので、
- ときどき散歩コースを変える
- 足ツボを刺激するつもりで砂利道を歩かせる
- 他の犬やヒトと触れ合う
- 日光に当たる
- 飼い主さんとゲームをして遊ぶなど
犬にとって刺激のある生活を取り入れるとよいでしょう。
認知症の症状に早期に気がつくためにも、日頃から愛犬を観察する習慣を身につけたいですね。
(監修:いぬのきもち獣医師相談室獣医師・岡本りさ先生)
取材・文/maki
※写真は「いぬのきもちアプリ」で投稿されたものです
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください
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