愛犬と日々を過ごしていると、愛らしいしぐさをみせてくれることも多いですよね。今回は犬が見せるしぐさに隠された、飼い主さんへの信頼と犬の生態の深い関係について、哺乳類学者の今泉忠明先生にお話を伺いました。
飼い主さんを見ると思わず顔がほころぶ
犬は群れで生活していた時代、仲間とコミュニケーションをとる必要があったため、表情筋が発達して笑顔も上手になりました。そのため、大好きな飼い主さんを見ると楽しくなってニッコリ笑顔になるのだそうです。
飼い主さんのあとをついていきたくなる
家の中で飼い主さんのあとをついて歩くのは「いっしょにいたい」という気持ちからだと考えられます。
野生時代、群れの仲間と常に行動を共にしていた犬は、一頭になるのが不得意な動物。そのため、ひとりだと寂しいから、飼い主さんのあとをついていきたくなるのです。
留守番中は飼い主さんのニオイがするものに寄り添いたくなる
犬はニオイをかぐことで、記憶を思い起こせるといわれています。
そのため留守番中に、飼い主さんの洋服などに寄り添うのは、そばにいられない間でも飼い主さんを近くに感じたいからだと考えられるでしょう。
1日に何度だって飼い主さんのニオイをかぎたい
犬はいつもと同じかどうかを確認して、安心するのが大好きです。そのため、飼い主さんが少し離れただけでも「異常がないかチェックしなきゃ!」という気持ちが働き、すぐに近寄ってニオイをかぐようです。
飼い主さんに早く会いたいから玄関で待ち伏せする
犬は遠くの足音や車のエンジン音のかすかな違いも聞き分けられるといわれており、人のおよ
そ4倍の聴力をもつといわれています。この発達した聴力で、飼い主さんが帰宅する前に音に気づき、玄関で待ち伏せするのです。
飼い主さんがどこにいても必ず発見できる
先述したように、犬の聴覚は人のおよそ4倍、嗅覚(きゅうかく)は人の 100 万~1億倍、視野は約 250度(人は約200度)と、人よりもすぐれた感覚器官をもっています。それらをフル活用すれば、大好きな飼い主さんがどこにいても簡単に見つけられるのです。
飼い主さんへの信頼や愛情を表現するときに、犬ならではの生態があらわれているのはとても興味深いですね。しぐさの理由や気持ちを知ると、ますます愛犬への愛しさがつのります。これからも、犬たちの愛らしいしぐさから目が離せませんね♡
お話を伺った先生/今泉忠明先生(哺乳類学者 川崎市環境影響評価審議会委員 日本動物科学研究所所長)
参考/「いぬのきもち」2018年12月号『犬がキュートなワケを生態からひも解く! 犬ってこんなにカワイイ生きものなんです♡』
文/田山郁
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。