1. トップ
  2. 犬と暮らす
  3. 獣医が教える愛犬のフィラリア対策~感染源、予防薬の種類、予防のポイントは?~

獣医が教える愛犬のフィラリア対策~感染源、予防薬の種類、予防のポイントは?~

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

蚊によって犬から犬へと感染し、発症すると命にかかわる犬フィラリア症。蚊が羽化しはじめる春からが予防の本番です。予防法にはさまざまなタイプがあるので、正しく知って確実に予防しましょう。

犬のフィラリアってそもそも何?

犬フィラリア症(犬糸状虫症)は、フィラリアという寄生虫が犬の心臓や肺動脈に寄生する病気。多数のフィラリアが寄生すると犬の心臓や肺の働きが低下して死に至ります。感染した犬の血中には小さなフィラリア幼虫がいて、蚊に吸血されることで犬から犬へと感染していきます。

“蚊”がフィラリアの感染源

初夏~夏にかけて、犬だけでなく人の皮膚にも管を刺して血を吸い、かゆみや腫れ、痛みを引き起こす害虫として知られる“蚊”。気温が15℃以上になるとほとんどの蚊が血を吸い始め、25℃以上になるとさらに活動が活発になります。デング熱を媒介する蚊はヒトスジシマカ1種類ですが、フィラリアを媒介する蚊は16種類ほどいて、ヒトスジシマカやアカイエカが代表的。ヒトスジシマカは昼間地上約50㎝程度の草むらで待ち伏せ、アカイエカは夜、上昇気流に乗って高く上がるので、マンションなどの上階層でも注意が必要です。

蚊を見つけたらどうすればいい?

愛犬の体に蚊がいても、人がするように体をたたいて駆除するのはNG。犬を驚かせてしまうので、近くで手をたたくのも避けましょう。中毒を起こす可能性があるので殺虫剤は犬の近くで使わないで。刺されても人用のかゆみ止めは刺激が強いので塗らないように。ペット用の室内の虫よけを使うのがおすすめです。虫よけスプレーやプレートなどのム市対策グッズでは、蚊に刺される確率を減らすことはできても、刺されてしまえば予防できません。確実にフィラリアの発症を防ぐためには、フィラリアの幼虫を死滅させる予防薬が必要です。

フィラリアにかかった犬はどうなる?

蚊に刺されて吸血されても、犬は人ほどかゆみを感じないよう。フィラリアの幼虫が体内にいる蚊に吸血されると、犬の体内に幼虫が侵入。感染後約60日前後で未成熟虫になり始め、その後幼虫は血管内に侵入し心臓や肺動脈に到達。心臓の動きが低下する循環障害の原因となり、犬は疲れやすくなり心不全や大動脈症候群という急性症状を起こすことも。血尿や呼吸困難によって倒れ込み、治療が遅れると犬が急死することもあります。

フィラリアの予防法って?

フィラリア予防は、犬の体内に入ってから1カ月以内であれば幼虫のうちに駆除できるので、蚊の発生後1カ月から活動を終えた1か月後までが予防期間の目安。注射や経口薬など予防薬を処方してもらうのが一般的です。予防薬にはさまざまなタイプがあり、注射は年1回、そのほかのタイプは月1回投与するなど、正しく使って確実に予防することが大切です。価格や手軽さのほか、ノミ・マダニ予防との組み合わせも考慮し、主治医とよく相談して選びましょう。

フィラリア予防薬のタイプ

注射

年に1回の接種で効果が持続するので、ほかのタイプと異なり毎月の投与を忘れる心配はありません。ただし、予防できるのはフィラリアのみです。注射が嫌いな犬には接種させるのに苦労することも。

経口薬(錠剤・粉薬)

ほかのタイプ比べて単価が低め。腸内寄生虫を同時に予防できる製品もあります。基本的に、月1回の投与が必要で、慣れるまでは錠剤や粉薬を犬に飲ませるのに苦労することも。

滴下薬

首に滴下するだけなので、手軽で簡単。ノミも同時に予防できる製品が一般的です。基本的に月1回の投与が必要ですが、犬に寄っては首につけられるのを嫌がる場合も。

ジャーキー、チュアブル

犬が喜ぶ味と食感でおやつのように与えられます。同時にノミ・マダ二や腸内寄生虫を予防できるものもあり、単価は高めです。基本的に月1回の投与が必要です。

フィラリア予防のポイント

月に1回投与するタイプのフィラリア予防薬は、基本的に必要な期間(フィラリアに感染するリスクがある期間)だけ使用します。ただし、蚊の成虫を見かける期間と、薬の使用期間は一致しません。フィラリア予防薬はフィラリアの幼虫が犬の体内である程度成長した段階で効果を発揮するため、蚊の成虫を見かけなくなった1カ月後まで続けて使用することが大切。最後の1回を忘れないように気をつけて。毎月同じ日の投薬をうっかり忘れてしまったとしても、効果はちょうど1カ月でなくなるわけではないので、数日~1週間くらいまでなら、気づいた段階で与えればOK。それ以上忘れてしまった場合は、動物病院で相談しましょう。また、フィラリアの予防薬を投与・処方する際には、必ずフィラリア感染の有無を調べる血液検査を行います。動物病院で定期的な健康診断を受ける際、検査項目に血液検査が入っていますが、フィラリアの血液検査と同時に行なうと犬の負担が一度ですみます。かかりつけの動物病院で、健康診断の血液検査とフィラリアの血液検査が同時に受けられるかどうかを確認してみるのもよいでしょう。

フィラリアについてのまとめ

フィラリアは気候によって投薬期間が異なります。お住まいの地域で必要な投薬期間を動物病院で確認しておきましょう。予防方法や投薬の種類についてきちんと説明を受けて、対策を忘れずに、フィラリア症から愛犬を守りましょう!

出典:『いぬのきもち』2016年5月号「初夏のキケンな虫・寄生虫」監修 佐伯英治先生、
『いぬのきもち』2017年3月号「春の予防医学講座 開講します!」監修 鵜飼佳実先生

犬と暮らす

更新

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

新着記事

新着記事をもっと見る