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獣医が教える!犬フィラリア対策|感染源~予防薬などによる予防方法
犬フィラリア症(犬糸状虫症)とは?

犬フィラリア症(犬糸状虫症)とは?
フィラリアの感染サイクルは以下の通りです。
フィラリアの感染サイクル
② 蚊は自分の体内にミクロフィラリアを宿し、幼虫まで成長させる(約2週間)
③ フィラリアの幼虫が体内にいる蚊がほかの犬を吸血する
④ 吸血された犬の体内にフィラリアの幼虫が入る(感染)
⑤ 感染後約2カ月で幼虫が血管に入る
⑥ 感染後約6カ月で成虫となり、心臓に到達してミクロフィラリアを産む
このように①~⑥を繰り返すことで、蚊は犬から犬へとフィラリアを運び、感染を広げていくのです。死亡することもある病気ではありますが、フィラリアは薬などで予防することができます。
フィラリアの予防法とは?

フィラリアの予防方法
フィラリア予防薬の種類
ほかのタイプに比べて単価が低め。腸内寄生虫を同時に予防できる製品もあります。基本的に、月1回の投与が必要です。
滴下薬
首に滴下するだけなので、手軽で簡単なのが特徴でしょう。ノミやダニも同時に予防できる製品が一般的です。基本的に月1回の投与が必要ですが、犬によっては首につけられるのを嫌がることもあるようです。
ジャーキー・チュアブル
犬が喜ぶ味と食感なので、おやつのように与えられます。同時にノミ・マダニや腸内寄生虫を予防できるものも。こちらも基本的に月1回の投与が必要です。
注射
上記3つのタイプと異なり、年に1回の接種で効果が持続します(半年に1回のタイプもあり)。そのため、毎月の投与を忘れる心配はありませんが、予防できるのはフィラリアのみです。注射が嫌いな犬には接種させるのに苦労することもあります。
フィラリア対策の重要ポイント

フィラリアの予防期間
フィラリア予防薬はフィラリアの幼虫が犬の体内である程度成長した段階で効果を発揮するため、蚊の成虫を見かけなくなった1カ月後まで続けて使用することが大切です。最後の1回を忘れないようにしてください。
フィラリアの予防薬を1週間以上忘れたら獣医師に相談を
予防薬と併用して虫よけスプレーなどを取り入れる方法も
フィラリア感染の血液検査は必ず受ける
もしも愛犬がフィラリアに感染してしまったら?

初期・中期症状
- 慢性的に咳が出る
- 食欲不振/元気消失
- 散歩や運動を嫌がる
- 毛づやが悪くなる
- 腹水がたまる
ただし、初期の段階では症状が出ないことがほとんどで、血液検査などを受けた際に、発覚するケースが多いようです。この場合は、予防薬の長期投与という治療法を行うことがあります。中期になると、ごく一般的な飼い主さんでも異変に気がつくことが多く、治療法は症状や寄生している成虫の数などにより、外科的療法、内科的療法と選択肢が変わります。
駆虫薬の投与を行う場合は、成虫が心臓で死滅して血管につまるなどさまざまなリスクがあるため、これに耐えられると判断された犬だけが治療の対象になります。駆虫薬を使えない場合は、予防薬の長期投与による治療を行うことがありますが、それも危険な場合は「対処療法」を行うことも。この場合、腹水を抜いたり、咳を抑えたりしながら経過観察します。自宅では安静に過ごし、食事管理も徹底します。
末期症状
- 痩せる
- 呼吸が苦しくなる
- 咳をした際に血を吐く/嘔吐する
- 腹水がたまる
- 運動時に失神する
- さまざまな臓器が機能不全になる
- 血尿が出る
- 貧血で歯肉が白くなる
フィラリア症はフィラリアに感染してからの期間、寄生したフィラリアの数などで異なり、寄生数が少ない場合や初期は無症状で気づかないこともありますが、「大静脈症候群」と呼ばれる、急性症状を起こすこともあるので注意してください。
「大静脈症候群」とは?
フィラリアは予防が重要!

「いぬのきもち」2017年3月号『ワクチンの検診について、正しく理解しよう 春の予防医学講座、開講します!』(監修:聖母坂どうぶつ病院獣医師 鵜飼佳実先生)
「いぬのきもち」WEB MAGAZINE『【獣医師が解説】犬のフィラリア症の症状と治療法|ステージ別に解説』(監修:いぬのきもち相談室獣医師)
監修/いぬのきもち相談室獣医師
文/hasebe
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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