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犬のヘルニア~種類や症状、治療と予防について~

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人では聞くことも多い“ヘルニア”。じつは犬にもあるんです! ここでは、犬がなりやすいヘルニアについて、症状や発症しやすい犬、治療法、予防法などについてくわしく解説します。

犬のヘルニアってどんな病気?

犬も人と同様、ヘルニアにかかります。たいていの原因は先天的な異常や、交通事故などの衝撃によるもので、脂肪や腸、肝臓などの内臓が本来の位置から飛び出てしまいます。そのような状態のことを“ヘルニア”と呼びます。

犬がなりやすいヘルニアは8つ

犬がなりやすい8つのヘルニアについて、病気の概要、発症しやすい犬、症状について紹介します。なかでも、1.椎間板ヘルニア、2.鼠径ヘルニア、3.臍ヘルニア、4.会陰ヘルニアは、とくに犬がなりやすいヘルニアです。

1.椎間板ヘルニア

一つ一つの背骨の間にある椎間板は、背中を曲げたり、背骨にかかる衝撃をやわらげたりしています。この椎間板が、なんらかの原因で正常な位置から飛び出し、背骨の中を通る脊髄神経を圧迫している状態が椎間板ヘルニアです。また、椎間板ヘルニアが首に起きることもあります(頸部椎間板ヘルニア)。

発症しやすい犬は?
・ミニチュア・ダックスフンドやコーギー、シー・ズー、ビーグル、コッカー・スパニエル、ペギニーズ、フレンチ・ブルドッグなど
・もっともみられるのは5~6才。ですが、2~3才の若い犬でもシニア犬でも発症する可能性があります。

症状は?
・歩き方がおかしい(ふらつく/後ろ足がもつれる/後ろ足同士がクロスするように歩く/腰を振って歩く/後ろ足の爪と地面がすれる音がするなど)
・抱くとキャンと鳴いて痛がる

2.鼠径(そけい)ヘルニア

鼠径部には、血管や精管(精子を尿道まで運ぶ管)が通る穴がありますが、その穴が先天的に大きいために、そこから脂肪や腸、膀胱、妊娠し重くなった子宮などが飛び出てしまう病気です。そのままほうっておくと、最悪の場合、死に至ることもあります。

発症しやすい犬は?
・子犬

症状は?
・後ろ足の付け根、股の部分にぽっこりしたふくらみがある
・立たせた状態で足のつけ根を触ると、ころんとした感触がある
・あおむけになると足のつけ根のふくらみが引っ込む
・ふくらみが赤みや青みを帯びている、触ると叫ぶように痛がる→至急病院へ

3.臍(さい)ヘルニア

生まれつき、へその部分の腹壁(脂肪や筋肉でできた壁)が完全にとじずに穴があいた状態で、そこから腸や脂肪が出ている病気。腸が飛び出た状態でほうっておくと、飛び出た腸が壊死してしまうこともあります。

発症しやすい犬は?
・子犬

症状は?
・おなかにぷくっと盛り上がりがある
・立たせた状態でおなかを触ると、ころんとした感触がある
・おへその部分のふくらみが、あおむけになると引っ込む
・ふくらみが赤みや青みを帯びている、触るととても痛がる→至急病院へ

4.会陰(えいん)ヘルニア

未去勢のオスは、加齢に伴って会陰部の筋肉が薄くなるのですが、その薄くなった筋肉の隙間に膀胱や小腸が入り込んでいる状態が会陰ヘルニアです。

発症しやすい犬は?
・未去勢の7才以上のオス
・ホルモン異常の病気にかかっている7才以上のメス
・若いころからよく吠える、ウンチのときにいきみやすい犬

症状は?
・ウンチに変化がある(1回あたりの量が少ない/頻度が高くなる/軟便や水様便が続く)
・お尻が出っ張ってきたり、左右でお尻の大きさが違う

5.横隔膜ヘルニア

交通事故などで横隔膜が破れ、腸や肝臓がその裂け目から胸腔内に入り、肺を圧迫する病気。まれに先天的に横隔膜ヘルニアの犬もいます。

発症しやすい犬は?
・交通事故などで体に衝撃を受けた犬

症状は?
・呼吸が荒く、苦しそうな様子

6.小脳ヘルニア

首に近い後頭部の頭蓋骨にある穴が先天的に大きく、脳の一部(小脳)が入り込み圧迫される病気です。

発症しやすい犬は?
・キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル、マルチーズなど
・子犬

症状は?
・けいれんや震え、歩き方がおかしいなど

7.食道裂孔ヘルニア

先天的に横隔膜にある食道裂孔という穴が正常より大きいため、胃の一部が胸腔内に飛び出してしまう病気です。

発症しやすい犬は?
・子犬

症状は?
・子犬のころからよく吐く、または吐き気をもよおしやすい

8.腹壁ヘルニア

おなかのまわりの脂肪や筋肉でできた腹壁が裂け、内臓が皮膚の下に飛び出る病気。交通事故などによる衝撃が原因の場合がほとんどです。

発症しやすい犬は?
・交通事故などで体に衝撃を受けた犬

症状は?
・おなかの一部が外側にぼこっと出っ張る

ヘルニアの治療の基本は手術

飛び出している内臓や脂肪などを手術で元の位置に戻し、穴を縫って小さくしたりとじるのが一般的な治療法です。
椎間板ヘルニアでは、MRIやCTの画像も用いて正確に診断したうえで、飛び出した椎間板を取り除く手術が一般的です。ただ、症状が軽い場合などでは炎症を取り除くための注射を打つ、内科治療が行われることも。

予防できるのは椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアの発症のリスクを少しでも抑えるために、背骨に負担をかけない生活を心がけましょう。とくに、愛犬が発症しやすい犬種なら、以下の5つの予防法を参考に、今すぐにできることから始めてみて。

5つの予防法
1.若いころから散歩を充分に行って、背骨まわりの筋肉をたくましくする※
2.フローリングの床にはカーペットなどを敷いて滑りにくくする
3.適正な体重を保って、背骨に負担をかけないようにする
4.落下が原因で椎間板ヘルニアになることも。抱いているときに落とさないように
5.抱くときはお尻も支えて床と平行になるようにし、背骨への負担を軽くする
※肥満ぎみの犬や今まであまり散歩をしていない犬の場合は、体に負担をかけないように散歩時間を少しずつ増やしましょう。

犬のヘルニアは早期発見することが大切です。ヘルニアとはどんな病気なのかを知っておき、愛犬の異変にいち早く気づいてあげたいですね。

出典/「いぬのきもち」2011年10月号『早めに気づきたい犬のヘルニア』(監修ノヤ動物病院・院長 野矢雅彦先生)

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