犬を飼い始めると、どうしても留守番させなければいけないことがあります。愛犬がイタズラやムダ吠えをしないか、不安な飼い主さんも多いでしょう。今回は、飼い主さんも愛犬も安心できる、留守番のためしつけや、快適に過ごせる環境づくりをご紹介します。
【愛犬の留守番】きちんできるようになるためのしつけ方法!
準備段階として、クレート内の生活や、一人遊びに慣れさせましょう。
愛犬の留守番:ステップ①|クレートに慣れさせよう!
1. 愛犬をクレートに入れて、布をかけてあげましょう。そして、飼い主さんの姿が見えないようにフードを与えてください。
2. フードを与えたら、そのままクレートから離れます。はじめは1分ほどの短い時間からスタートして、徐々に離れる時間を延ばしましょう。
3. 愛犬から離れている間は、同室に隠れて愛犬を見守りましょう。このとき、愛犬が落ち着いてリラックスしていたら◎。ソワソワとしだす前に、タイミングを見て戻りましょう。
4. クレートに戻ったら、布をかけたまま、クレートの隙間からフードを与えましょう。このときも愛犬に気付かれないように気を付けてくださいね。1〜4を30分ほど繰り返してください。
愛犬の留守番:ステップ②|愛犬だけの時間に慣れさせよう!
1. 愛犬におもちゃを与え、ひとり遊びをさせましょう。噛んでも壊れにくい、ゴム製のおもちゃがおすすめです。ガムやアキレスなどのおやつでもOK。
2. 愛犬がひとり遊びを始めたら、飼い主さんはその場から静かに離れて、別室に行きましょう。愛犬には30分ほどひとりで過ごしてもらいます。
3. 30分ほど経過したら、愛犬の元に戻りましょう。そして、おもちゃを回収して、フードを与えます。このとき、きちんと褒めてあげてくださいね。
留守番中に愛犬を安心させる環境の作り方とは?
留守番中、愛犬を不安な気持ちにしないためには、事前に環境を整えてあげることが大切です。
留守番前に愛犬にしてあげること
留守番前は、遊びや散歩をしっかりとさせて、愛犬の体力を消費させましょう。その疲れから、留守番中は眠ってしまうので、愛犬は不安な気持ちにならずに留守番ができます。長時間の留守番の場合は、たっぷりと運動をさせてください。天気が悪い日など、散歩が難しいときは、室内でおもちゃを使うなどして一緒に遊んであげるといいですよ。
留守番中の愛犬のためにやること
留守番中に愛犬が過ごすサークルには、ハウス、トイレ、水飲み場など、生活するのに不自由ない環境を用意してあげましょう。ハウスは、愛犬が落ち着いて過ごせる、四方を囲まれたタイプのものがおすすめです。また、数回排出ができるように、トイレはワイドタイプのものだとベターです。部屋の照明は、愛犬が不安にならないようにつけたまま出かけるか、暗くなるころにONになるように、タイマーをかけておきましょう。
留守番後の愛犬にしてあげること
飼い主さんが帰宅すると、再開の嬉しさから興奮状態になる場合があります。この状態で声をかけたり、スキンシップを取ったりするのは控えるようにしましょう。なるべく、愛犬が落ち着いてから声をかけるようにしてください。そのときは、しっかりと愛犬と向き合って、思う存分スキンシップを取ってあげましょう。
愛犬を留守番で不安にさせてしまうパターン
愛犬がかわいそうだからと、外出の直前までスキンシップを取ったり、出かけるときに愛犬に謝りながら部屋を出る行為は、かえって愛犬を不安にさせてしまいます。出かける前は、なるべく愛犬とのスキンシップを控え、謝ったりせずに明るく部屋を出るようにしましょう。また、小さいサークルなどの狭いスペースでの長時間の留守番は、愛犬のストレスの原因になります。留守番中の生活スペースに関しては、愛犬のサイズに合ったサークルなどを用意しましょう。
愛犬の快適・安心な時間別留守番スタイル
少しでも愛犬に安心して過ごしてもらうために、それぞれの外出時間ごとの留守番スタイルをご紹介します。
30分~1時間ほどの留守番の場合
少しの間だから大丈夫だろうと、何も対策をせずに出かけてしまうと、人間用の食べ物を食べられたり、いたずらで物を壊されてしまったりといったトラブルが起きる恐れがあります。たとえ短時間の留守番でも、愛犬が誤飲やいたずらなどをしないよう、クレートに入れてしっかりと対策をしましょう。
また、犬は狭い空間の方が安心できます。クレートに布などをかけてあげることで、より安心して落ち着いて過ごせるでしょう。もしも愛犬がクレートを警戒している場合は、数日〜1種間ほど、クレートの近くでフードを与えて慣らしましょう。
2時間~7時間ほどの留守番の場合
2~7時間の留守番になると、留守番に慣れていない愛犬だと不安を感じてしまい、粗相やイタズラをしてしまうケースがあります。また、広い部屋で自由にさせてしまうと、部屋全体を縄張りだと思って守ろうとするため、吠えたり警戒したりして、ウロウロする場合があります。
愛犬を落ち着かせたいときは、クレートに布などをかけてあげてください。成犬であれば、7時間までは排出しなくても大丈夫ですが、トイレトレーニング中の場合は、トイレシーツを敷いたサークルとクレートをくっつけて、ヒモなどで固定したものを用意し、その中で留守番させてください。 なお、長時間の留守番時は、クレートに給水機をつけておくと良いでしょう。
8時間以上の留守番の場合
長時間の留守番は、愛犬が起きて過ごす時間も長くなります。やや広めのスペースを用意してあげて、イタズラしそうな場所や、危ないものがある場所には、しっかりと柵をして対策しましょう。また、数回の排泄に備えて、トイレは大きめのものを用意しましょう。そのほかにも、給水器はもちろんのこと、安心できる寝床となるクレートや、ゴム製のおもちゃなども置くとなお良しです。
そのほかにも、夏の暑い日には、冷房の電源をONにしたまま出かけたり、直射日光が当たらない日陰にクレートを置くなど、クレートの中が蒸れないようにしてあげましょう。寂しがりやの愛犬には、出かける気配を見せないようにしたり、飼い主さんのニオイがついたタオルをクレートに入れるなどの工夫もしてあげてくださいね。
今回紹介したようなテクニックを用いるのはもちろんですが、愛犬はどうしたら寂しくないかな?と考えてあげることが一番大切ですし、その気持ちもきっと伝わるでしょう。外出中は愛犬に家を守ってもらえるよう、強固な関係が築けるといいですね。
出典/「いぬのきもち」16年12月号『しつけドリル・留守番のさせ方』(監修:犬のしつけ教室GOGLY代表 荒井隆嘉先生)
「いぬのきもち」16年6月号『安心させる・不安にさせる留守番』(監修:ジャパンケネルクラブ、日本警察犬協会および日本動物病院協会認定インストラクター 戸田美由紀先生)
「いぬのきもち」17年5月号『留守番スタイル』(監修:しつけスクールCan!Do!Pet Dog School代表 西川文二先生)
文/maitaro
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。