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【専門家が解説】人気の柴犬カットも! ポメラニアンの被毛の魅力

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ポメラニアンといえばあの愛くるしいぬいぐるみのような姿が特徴的ですよね。その姿の虜になる方も少なくなく、日本での人気も常にトップクラスです。明るい性格とぬいぐるみのような姿から、マリーアントワネットやモーツアルトが愛したことでも有名です。
今回はその愛くるしい容姿の要である豊富な被毛とそれを生かしたカットスタイル、特に人気の柴犬カットについてお話しようと思います。

1)ポメラニアンの被毛の特徴

そもそも、ポメラニアンの体毛は人間の毛髪のように一種類の毛から成り立っている訳ではなく、ダブルコートと呼ばれる二種類の被毛を持っています。まずはその特徴や管理についてしっかりと理解しておきましょう。

ダブルコートとは、硬くて太いオーバーコート(上毛)と細くて綿毛のようなアンダーコート(下毛)からできています。オーバーコートはその頑丈な毛で皮膚を保護する役割があり、アンダーコートは柔らかく細い毛でダウンジャケットのように保湿や保温の役割を果たしています。

もちろん一年を通してダウンジャケットを着ている訳にもいかないので、アンダーコートは換毛期と呼ばれる夏前と冬前の時期にその量が変化します。実際に抜け落ちるアンダーコートの量は相当なものですし、普段からのお手入れを怠ると大変なことになります。

ブラッシングやカットのポイント

ブラッシング(ダブルコートの手入れ)

ダブルコートに見られるアンダーコートは柔らかく、細いので手入れをしないと絡まって縺れ、毛玉を作ってしまいます。一度毛玉ができてしまうと解くことはとても大変で時間がかかりますし、毛玉を取る際に毛を引っ張られる動物にもストレスがかかります。そうならないようにするには普段からのお手入れ、すなわちブラッシングがとても大切になってきます。

ブラシには色々な種類がありますが、不要なアンダーコートを取り除き毛玉を防止するには、スリッカーと呼ばれるブラシがオススメです。短い時間でも構わないので毎日ブラッシングしてあげてください。ただしスリッカーは先が鋭く、力を入れすぎると皮膚を傷つけてしまう可能性もあるので、あらかじめ自分の手の平に当てて力加減を確認しておきましょう。

ブラッシングをしてあげることで抜け毛が床に落ちる前に回収できるので、日々のお掃除も楽になるかもしれませんね。

柴犬カット

ポメラニアンの被毛は、豊富なアンダーコートのおかげでとても立体的に立ち上がります。この毛質を利用して、今では様々なカットスタイルが編み出され、その子に似合ったスタイルを見つける事も、ポメラニアンを飼育していく上での楽しみの一つになっています。

中でも、一見子犬の柴犬の様に見える「柴犬カット」と呼ばれるスタイルは、その見た目の可愛さからとても人気になっています。柴犬カットは、体の毛を短くカットして夏に向けて通気性をよくする効果もあり、夏に高温多湿となる日本の気候にもマッチした、理にかなったスタイルと言えるかもしれません。

ポメラニアンにはマズル(目から鼻先のまでの部分)が長いきつね顔のタイプと、比較的マズルが短いタヌキ顔の子がいますが、きつね顔の子はより柴犬のような仕上がりになるかもしれません。また、柴犬もポメラニアンと同じくダブルコートを持っているので、質感までそっくり似せる事ができます。
柴犬カットをしたポメラニアンを、シバラニアンやポメ柴と呼ぶ人も出でくるほど広く定着したこのスタイル。次回のトリミングの際にトライしてみてはいかがでしょうか。

その他のカットスタイル

お伝えした通り、ポメラニアンの被毛は豊富でよく立つので、柴犬スタイルの他にも様々なカットスタイルを楽しめます。

中国犬であるチャウチャウのように、顔まわりの毛を丸く長めに残したチャウチャウカット(これはタヌキ顔の子に似合うスタイルかもしれません)や、ライオンの様にたてがみを残し、その他の部分は短くカットするライオンカット。これは尾の先だけ毛が残っており、ライオンをそのまま小さくした様なこのスタイルでとても可愛いです。

逆に頭から首にかけてのくびれをなくす様にカットすることで、タヌキの様なシルエットを作るタヌキカットや、ぬいぐるみの様なテディベアカットなど、アレンジが効く事もポメラニアンを飼う楽しみの一つであると思います。是非皆さんも自分の子にあったスタイルを模索してみてください。

2)そもそも、ポメラニアンにカットは必要か?

結論からお話しすると、必ずしもカットが必要という訳ではありません。ポメラニアンはトイ・プードルやマルチーズなど毛が伸び続ける犬と違って、一定の長さ以上には被毛が伸びません。そのため、日頃のブラッシングを家庭で行うだけでも十分に管理できます。

ただ、体の毛を少し短くカットしてあげるだけでも、夏場を涼しく快適に過ごすことができますし、また、日頃のブラッシングもしやすくなります。
さらに、お尻まわりをカットする事で、排便時にウンチが毛につくことを防げるほか、足回りをカットしてあげる事で、お散歩の際の汚れの付着を少なくできるといった利点もあります。

また、ポメラニアンに限らず肉球の間に生える毛を短く切る事で、滑って怪我をする事を防げます。ポメラニアンは関節の問題もおきやすく、スリップや転倒の際に、関節や靭帯に問題が起きる事も少なくありません。

3)カットする際の注意点

ポメラニアンは様々なカットを楽しめる犬種で、カットによるメリットはこれまでお話しした通りですが、何も気にせず好きな様にカットをすればいいというものではありません。

一番多い問題が、カット後の被毛に変化が見られることがあるということです。具体的にはカットした後被毛が伸びるのにとても時間がかかったり、場合によっては伸びないといった状況が続くことがあります。

また、カット前よりも被毛に艶が無くなったなどという、毛質の変化が見られる事もあります。特に、バリカンを用いて短く刈り込む様な方法でカットすると、取り返しのつかない事になる可能性もあります。というのも、このカット後の被毛の問題に関しては、明確な治療法というものが存在しないからです。
体温を保つためにとても大切な役割を担う被毛ですから、短く刈り込むと冬場に体調を崩す原因になったり、外部からの物理的な刺激に対して皮膚を守る事も出来なくなるので、怪我をしやすくなります。

また、犬の皮膚は人間の皮膚と比べるととても薄く弱いです。直接日光を浴びることが皮膚病の原因になる事もあり、夏場にサマーカットだと言ってバリカンで毛を刈り込む事は控えた方がいいかもしれません。
カット後にこの様な望まない変化を引き起こすかもしれないので、トリマーさんにバリカンを使わないハサミでのカットをお願いしたり、どれくらい短くカットするかなどしっかり相談する様にしましょう。

4)自宅でのカットについて

お話した通り、様々なカットを楽しめるポメラニアン。中には自宅で自分の手でカットをしたいという方もいるかもしれません。トリマーに頼みきれない細かなこだわりがあるから、愛犬にストレスをかけたくないから、お財布に優しいからなど、自宅でカットしたい理由は様々だと思いますが、トライしてみてダメということはありません。手間はかかりますがそのメリットは確かにあると思います。
ただし、バリカンを用いる事は避けたほうがいい事は前述した通りで、どうしてもハサミを用いたカットになります。ハサミを使用する際には犬の体を傷つけない様細心の注意が必要です。犬は予想の出来ない動きをします。急な動きに対応できる様常に注意を払っておいてください。

また、ポメラニアンは活発で我儘な子が多い様に思います。慣れないカットに時間がかかるとどうしても飽きがきてしまい、じっとしてられなくなってしまいます。自信のない方はあれこれ悩むより、信頼できるプロのトリマーさんに全部まとめてお任せする方がいいでしょう。


監修/平野太陽(獣医師・ 右京動物病院SAGANO 院長)

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