みなさんのまわりで、なぜかどんな犬にも好かれる人はいませんか?もしかしたらその人は、犬に好かれる接し方を熟知している「犬たらし」かもしれません。今回はご自身も犬たらしである獣医師の増田宏司先生に、犬に好かれるための10の極意を伺いました。
1.“たらし”は一日にしてならず!焦らない
仲よくなるまでに時間がかかるタイプの犬もいます。早く仲よくなりたいからと、焦ってグイグイいくのは厳禁!
相手の犬の気持ちを尊重し、じっくり関係を築いて。
2.とにかくゆっくり動く
犬は警戒心が強いので、すばやい動きや予測できない動きをするものは、苦手に思う傾向が。
犬と接するときは、意識的にゆっくり動きましょう。ゆったりとした動きを見ているうちに警戒心も薄まり、リラックスしてくれるようになります。
3.話す位置は隣をキープ
顔を合わせて話して仲よくなろうと、つい犬の正面から向き合ってしまいがちですが、これはNG。犬にとって正面から顔を合わせるのはケンカのサインになることがあります。仲よくなりたいときは、犬の隣に座って話しかけましょう。
4.「下手」に出る
慣れていない人はいきなり上から手を近づけて犬の頭をなでがちですが、犬と人では体格が異なるので、これでは「自分のほうが大きいんだぞ」と犬を威圧していることに。
犬と接するときは、手は犬の顔より下から近づけましょう。
5.自身のニオイのみで勝負する
犬は嗅覚がすぐれているので、ニオイをかぐことで相手のことを認識して覚えます。
香水などの強いニオイがついていると嫌がられやすいうえに、その人自身のニオイも薄れてしまうので避けましょう。
6.ゆっくりまばたきする
増田先生の経験上では、ゆっくりまばたきをしながら犬をさりげなく見つめると、よい印象を残せるのだとか。
まばたきの速さは2~3秒間隔をあける程度で、あえて目は合わせずに、犬の後ろあたりを見るのがコツ。
7.近づくときは「遠回り」で!
自分より大きい相手が正面から近づいてくるのは、人でも恐怖を感じやすいシーンですが、犬も同じです。
犬に近づくときに正面から急激に距離を詰めるのはNG。警戒されない距離を保ちつつ、遠回りに近づきましょう。
8.落ち着いたトーンの声で話す
犬は高すぎる声や低すぎる声を苦手に思いやすく、とくに「キャー、かわいい!」などの甲高い声は犬を警戒させることも。ニュースのアナウンサーのような落ち着いた声音とトーンを意識して話しかけるとよいでしょう。
9.ほめてほめてほめまくる
犬も人と同様、ほめられたり、気持ちに共感してもらえたりすればうれしい気持ちになります。「かわいいね」「イイコだね」「楽しいね」など、どんなことでもいいので、とにかく犬に声をかけましょう。
10.犬の心に気になるものを残す
犬と仲よくなるには、まずは興味をもってもらうことから。「おもちゃで遊んでくれた」「おやつをくれた」「いいニオイがした」など、何かひとつでも犬にいい印象を残せれば、「もっと仲よくなりたいな」と思ってもらえるはず。
犬とのコミュニケーションが上手になるよう、犬の喜ばせ方をたくさん知っておくことが、犬たらしへの第一歩。今回伺った内容も参考に、ぜひ犬たらしを目指してみてくださいね。
お話を伺った先生/増田宏司先生(獣医師 獣医学博士 東京農業大学農学部動物科学科(動物行動学研究室)教授)
参考/「いぬのきもち」2019年6月号『ほんのちょっとのコツでみるみる仲よくなる “犬たらし”に学ぶ♡愛犬と絆を深めるコツ』
文/田山郁
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。