犬は人と同じように、さまざまな感情をもつことが証明されている動物です。そして社会性が高い犬は、飼い主さんや犬同士でコミュニケーションをとるなかで、複雑な感情を持ち合わせています。
そこで今回は、「心配する」「嫉妬する」など、犬が感じる複雑な感情を、獣医師の増田宏司先生に伺いました。
ともに喜ぶ
例えば私たち人は、チームを組んで行うスポーツで勝利を収めたとき、仲間とともに喜びますよね。これは、社会性の高い犬にもある感情です。犬も、仲間だと思っている飼い主さんと一緒に何かを成し遂げたり、挑戦したりすることで、喜びを感じます。
心配する
飼い主さんが泣いているときや落ち込んでいるとき、愛犬が近くに寄ってきてくれる……という話、よく聞きますよね。これは、いつもと違う飼い主さんの様子に、不安を感じているからだと考えられます。このことから、犬は誰かを心配する感情をもっているといえるのです。
冷たくなる
犬は、他人を「飼い主さんに対する接し方」で評価しています。そのため、飼い主さんに好意的でない人に対しては、冷ややかな感情を抱く場合も。また、飼い主さんが近付こうとしない人に対しては、犬も同じように対応し、接触するまでに時間がかかるという研究結果もあるそうですよ。
すねる
犬は、素直に感情を表現してくれる動物です。しかし、自分の望みが叶えられなかったときなどには、すねたりひねくれた態度をとったりすることも。
嫉妬する
ほかの犬と接していたり、子どもと遊んでいたりするときに、愛犬が見つめてきたり割り込んできたりした経験はありませんか?これは、愛犬が嫉妬しているのかもしれません。実際に海外の研究では、同様の場面で犬が嫉妬していると考えられるサインが観察されているそうです。
犬の感情は、思っているよりも複雑です。飼い主さんは、愛犬が何を考えているか、どう思うかなど、常日頃意識しながら対応してあげるといいですね。
お話を伺った先生/増田宏司先生(獣医師 獣医学博士 東京農業大学農学部動物科学科(動物行動学研究室)教授)
参考/「いぬのきもち」2021年11月号『祝!いぬの日。 今月は、愛犬とキズナを深めるスペシャルエディション! もっとずっと仲よく暮らしたいから 愛犬と以心伝心』
文/東里奈
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。