寝たきり犬の介護だけでなく、若い犬のマーキングやうれション対策、ドッグランでの排泄対策、犬連れOKの施設でのマナーとしてなどでも大活躍する「犬用おむつ」。
とはいえ、「おむつを嫌がる」「歩いているうちにズレる」「市販の犬用おむつだとフィットしない」などと、悩んでいる飼い主さんも多いはず。そこで、「犬用おむつ」に関するお悩みの解決方法をペットケアサービスLet’s の代表である三浦裕子先生に教えていただきました。
お悩み/おむつを嫌がる
解決方法/つけてはほめる、を繰り返して慣れさせて
おむつも、洋服やお手入れと同じように、最初は慣れさせる練習が必要です。おむつを背中にのせただけでほめる、少しはかせたらほめる、と順を追ってレベルアップして慣れさせて。
1.おむつをのせたらすぐに取ってほめる
背中におむつをのせたら取り、ほめてごほうびを。のせている時間を徐々に延ばし、おむつ自体に慣れさせて。
2.おむつをはかせたらそのままほめる
おむつをはかせたら、ほめてごほうびを与えてから脱がせます。はいている時間を徐々に延ばしましょう。
ちなみに… 愛犬が好きなことをしている間にはかせて慣れさせても
ゴハンや散歩など、愛犬が好きなことをしている間におむつをはかせておけば、それだけでおむつにいい印象をいだいて、慣れやすくなります。
お悩み/しっぽの穴からもれる
解決方法/穴をサージカルテープで留めて、穴の大きさを調整して
犬用おむつのしっぽの穴は大きめに作られているので、愛犬のしっぽの太さに合わせてカスタムすると◎。おむつの外側から、サージカルテープで穴の一部をふさぎ、大きさを調整しましょう。
お悩み/歩いているうちにズレる
解決方法/おむつの上からズボンや専用カバーをはかせて
おむつの上から、ズボンやおむつ用のカバーをはかせれば、ズレ防止に役立ちます。ベルト型なら、専用のカバーのほか、上からバンダナやハンカチで巻いて固定しても。
市販のおむつ専用カバーを上からはかせれば、ズレやもれの予防に効果的!
ベルト型のオス用のおむつであれば、上からバンダナで巻いてズレを防ぐ方法もおすすめ!
お悩み/しっぽがないのでおむつがズレる
解決方法/おむつカバーとサスペンダーを併用して
おむつカバーに加えて、犬用のサスペンダーを使うといいでしょう。ズレを防ぎやすくなります。なお、前述で紹介したように、しっぽの穴は事前にサージカルテープでふさいでおき、もれを防いで。
お悩み/市販の犬用おむつだとどうしてもフィットしない
解決方法/人用のテープ式おむつを加工して使う方法も
人用のおむつにしっぽの穴をあけて代用する方法があります。体重5㎏以下の犬なら新生児用~Sサイズのおむつ、5~10㎏の犬ならM~Lサイズ、10㎏以上はLサイズ~大人の介護用おむつのSサイズを、サイズ選びの目安にしてみて。
1.テープがない側を背中に当てて、しっぽ位置を確認
テープがない側を背中にのせ、おむつのウエスト部分を腰回りに当てたら、しっぽの根元の位置を確認。ペンなどで印をつけて。
2.ハサミでしっぽ位置に切り込みを入れ、切り口にサージカルテープを貼る
おむつを縦半分に折り、印にハサミを合わせて、斜めに切り込みを入れます。切り込みを倒すと三角に穴があくので、切り口4辺すべてにサージカルテープを貼って、中の吸収体が出ないように留めて。
3.穴にしっぽを通し、背中でテープ留めする
2であけた穴にしっぽを通したら、テープ側でおなかと陰部をおおって、背中の上に両端のテープを回して留めます。
いかがでしたか? 実際に悩んでいたことがこの中にありましたでしょうか? もしあれば、ぜひ参考にしてみてくださいね。
お話しを伺った先生/ペットケアサービスLet’s 代表、JAPAN ペットケアマネージャー協会主宰、老犬介護スペシャリスト 三浦裕子先生
参考/『いぬのきもち』2021年3月号「犬用おむつ どう選ぶ? どう慣らす?」
撮影/尾﨑たまき
文/いぬのきもち編集室