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この生理現象は病気が潜んでいる? 犬の「鼻水が出る」「唾液が出る」「くしゃみが出る」

生き物の体に起こる「生理現象」。犬にもありますが、なかには病気を疑ったほうがいいケースも。今回は「鼻水が出る」「唾液が出る」「くしゃみが出る」ケースについて、獣医師の野矢雅彦先生に解説していただきました。

鼻水が出る

イラスト/五嶋直美
イラスト/五嶋直美
●ヨダレと同じで鼻水の量には個体差がある
鼻の中の粘膜が乾燥しないよう鼻粘膜から常に分泌されている粘液と鼻涙管から排泄されてきた涙が合わさり、鼻から出てきたものがいわゆる鼻水です。ゴハンの前後、興奮して体を動かしたときなどに、無色透明の鼻水が出ているのは問題になりません。

こんなときは注意!

●くしゃみを伴う/濁った色をしている
健康な状態で垂れる鼻水は、基本的に無色透明です。それが白や黄、赤、緑などの色がついている、さらにはくしゃみを伴う場合、注意が必要です。これらの症状では、歯周病、鼻の中に詰まった異物、感染症による炎症、腫瘍などを疑います。

●淡いピンク色で呼吸も苦しそう
呼吸が速く苦しそうで、さらに薄いピンク色の鼻水が出ているときは、肺水腫の可能性が高いです。放置すると数時間以内には亡くなってしまう可能性のある緊急の状態。すぐさま動物病院に連れていきましょう。

唾液が出る

イラスト/五嶋直美
イラスト/五嶋直美
●唾液が多く分泌されるとヨダレとして口から垂れる
唾液の分泌量は口の中の状態や精神状態によって変わります。唾液は唾液腺から分泌され、口内の乾燥を防いでくれています。同時に、食べ物を胃へと送りやすくしています。唾液の量が増え、ゴハンを前に口からダラダラとヨダレを垂らしていても、それは問題のない生理現象です。

こんなときは注意!

●濁った色をしている/ネバついている/とても臭い
通常の唾液は無色透明でサラッとしています。また唾液のニオイは口臭に関係します。サラッとしていた唾液がネバついたり色がついたりとても臭くなった場合には、体のどこかで異常が起きている可能性が高いです。すぐに動物病院に連れていきましょう。歯周病や、非常に悪性度の高いがんであるメラノーマ(悪性黒色腫)、胃がん、腎不全、肝臓疾患、重度の呼吸器疾患などが疑われます。

●ヨダレを垂らさなくなった
おやつを前にするといつもヨダレを垂らしていたコがヨダレを垂らさなくなったときも要注意です。唾液腺嚢腫(ガマ腫)などで唾液の出口がふさがり、唾液の分泌ができなくなっていることがあります。

くしゃみが出る

イラスト/五嶋直美
イラスト/五嶋直美
●鼻の穴に入った異物を外に出そうとして起こる
鼻の粘膜にゴミがつく、鼻粘膜が腫れるなどの刺激が神経を通じて、呼吸に使われる筋肉に伝わり反射的に出るのがくしゃみです。草むらでニオイをかいでいた愛犬が、鼻の中に刺激を感じて「ぶしゅっ」とするようなくしゃみはまさにこれ。体が異物を出そうとしているのです。

こんなときは注意!

●回数が増える/激しくなる
1度や2度、刺激によって出たものであれば問題ありませんが、回数が増えてきたり、経過を見ているとだんだん激しくなっているようなときは注意が必要です。感染症や歯周病、鼻の中の異物や腫瘍を疑います。

●色のついた鼻水を伴う
くしゃみといっしょに白や黄色、赤、緑など色のついた鼻水が出ているときは、感染症や歯周病が潜んでいる可能性がさらに高くなります。また、血が混じっているときは、進行した悪性腫瘍の症状であることも。
当てはまる症状があったり、いつもの鼻水、唾液、くしゃみと違うと感じたら、かかりつけ医に相談すると安心です。
お話を伺った先生/ノヤ動物病院院長 野矢雅彦先生
参考/「いぬのきもち」2022年11月号『病気が潜む生理現象』
イラスト/五嶋直美
文/川本央子
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