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犬が涙を流すのはどんなとき? 犬の「悲しみ」の感情とは

犬にも喜怒哀楽があり、その豊かな感情を表情やしぐさ、鳴き声などを通じて表しています。犬の感情表現を知って愛犬の気持ちを正しく読み取れれば、困りごとの解決に役立ち、お互いの関係性も良好に。今回は喜怒哀楽の「哀」について、犬の行動学にくわしい獣医師の菊池亜都子先生に教えていただきました。

「哀」は人特有の感情。犬の場合は「悲しい」

犬の「哀」は「悲しい」「寂しい」「つまらない」という感情
犬の「哀」は「悲しい」「寂しい」「つまらない」という感情
「哀しい」には、あわれな思いという意味もあり、詩情的で人のいだく感情。犬の場合は、自分の要求や希望がかなわないときに「悲しい」と思います。また犬には、似たような気持ちとして「寂しい」「つまらない」といった感情もあり、今回はここに含めます。「不安」「怖い」という思いがベースにあることも。

【表情】目はどんよりしていることが多く、口も閉じぎみに

覇気のない目をしていることが多いですが、飼い主さんの動向を気にして視線を送っていることも。口は閉じぎみで、不満そうな表情をする犬もいます。耳も、飼い主さんの動向をつかむために、やや力が入っています。
周囲の様子を上目づかいでうかがうことも
周囲の様子を上目づかいでうかがうことも

【声】鼻でクンクンと鳴いたり、つまらないときは吠えることも

吠えずにいることもありますが、つまらない、退屈と感じているときは、飼い主さんの気をひこうとクンクン鳴いたり、有り余ったパワーを使ってワンワンワン!と繰り返し吠えることが。

【しっぽ】力が抜けて垂れ下がっていることも

立っている場合は、しっぽをだらりと垂らしていることが。垂らしていなくても、大きく振ったりすることはほとんどありません。しっぽが短い犬も同様で、しっぽの先が下を向きがちに。
しっぽはだらりと下がっていることが多い
しっぽはだらりと下がっていることが多い

【体の様子・しぐさ】全身に力が入っておらず、伏せたり座っていたりすることが多い

体に力が入っておらず、伏せたり座ったりしていることが多いです。伏せている場合は、床にあごをつけてしまうことも。立っている場合は、腰が下がりぎみになり肩の力が抜けて見える犬もいます。
床にあごをつけて伏せることが多い
床にあごをつけて伏せることが多い

「不安」な気持ちが根底にある場合、まったく別のしぐさが見られることが

不安や恐怖心がベースにあって悲しみや寂しさをいだいている場合、ストレスも感じています。そのため力の抜けた「哀(悲)」の様子とはまったく異なり、「吠える、遠吠えする」「突然、ハァハァと舌を出して呼吸しはじめる」「足先や足裏をなめ続ける」といった行動を見せることが。

※ここで紹介したしぐさはあくまで一例で、個体差があります。またほかの理由や感情、生理的現象でそれらのしぐさをしている可能性もあります。
不安や恐怖心があると、足先や足裏をなめ続けることも
不安や恐怖心があると、足先や足裏をなめ続けることも

犬は「悲しい」ときではなく、飼い主さんに会って強く安心したときに涙が出ます

人は悲しいときに涙を流すことがありますが、犬は離れていた飼い主さんと再会したときに涙の分泌量が増える、という研究結果が麻布大学の研究チームによって報告されました。つまり犬は、感情が高ぶった際に涙が出るといえるでしょう。
菊池先生によると、「哀」(悲)を感じている犬は退屈していることも多いそう。ここで紹介したしぐさが見られたら、遊びに誘ったり、おもちゃを与えたりして、沈んだ気分を紛らわせてあげましょう。

※犬の感情は刻一刻と変化します。今回ご紹介した感情やその表現方法はあくまで一例です。
お話を伺った先生/獣医師・菊池亜都子先生
参考/「いぬのきもち」2023年1月号『犬の喜怒哀楽ずかん』
写真/尾﨑たまき、佐藤正之、平林美紀
文/いぬのきもち編集室
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