犬はストレスを感じると、その気持ちを飼い主さんに伝えたり、気分を落ち着かせようとしたりするために、さまざまなしぐさや行動を取ります。今回は、犬がストレスを感じているときに見せるサインについて、獣医師の藤本聖香先生に教えていただきました。
床のニオイをかぐ
犬は、相手やその場の雰囲気に不安・緊張・ストレスを感じたときに、床のニオイをかぐしぐさを見せます。また、相手に「敵意はないので落ち着いて」と伝える意味合いもあるしぐさです。
あくびをする
あくびは、犬がストレスを感じたとき、自らの気持ちをやわらげようと思ってするしぐさです。あくびをすることで自分の心を解きほぐすだけでなく、相手に「落ち着いて」と伝えている場合もあります。単純に、眠気を感じてあくびをしていることも。
体をブルブルと振る
体をブルブルと振るしぐさは、たとえば長時間マッテをさせたあとや、苦手な犬がいた場合など、犬がストレスを感じたあとに見られやすく、体を振ることでその気持ちをリセットさせています。単純に、体についた水分やゴミを払いたくて体を振ることもあります。
片足を上げて立つ
犬が片足を上げて立つのは、相手やその場の雰囲気に不安・緊張を感じたときに見せるしぐさで、ストレスから体が固まっているような状態です。自ら落ち着こうとする意味合いもあります。
自分のことをなめる
犬が自分のことをなめるのは、暇やストレスを感じたときに見られやすいしぐさで、その気持ちが強いほどしつこくなめます。皮膚や内臓に違和感や痛みがあって、なめ続けることもあります。
床や家具などを何度もなめる
犬は、暇つぶしや不安・ストレスを解消するために、床や家具を何度もなめることがあります。なかには、空腹感や胃のむかつきを覚えて、このしぐさを見せる犬もいます。
自分のしっぽを噛む
犬は追いかけると逃げるしっぽが気になって噛んだり、退屈感やストレスからしっぽを噛んだりすることがあります。このしぐさを見かけたら、日ごろのふれあいや散歩を増やすといいでしょう。
感情の抱き方は、犬によって差があります。ふだんから愛犬に興味を持ってたくさん観察すれば、「愛犬の場合はこう思っているのかも」と細かい気持ちをくみ取れるようにもなります。
今回ご紹介した犬のストレスサインを参考に、愛犬がどんなときにストレスを感じているのか気持ちを理解して、お世話や関係性向上に役立てましょう。
お話を伺った先生/藤本聖香先生(獣医師 英国APDT認定ペットドッグトレーナー)
参考/「いぬのきもち」2020年6月号『360度いぬのこと大調査!第3章 早見表にしました! きもちがわかる!いぬのしぐさ35』
文/宮下早希
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
※ここで挙げているのは、犬のしぐさと気持ちの一部です。そのため、犬の性格やそのときの状況などによってはここで紹介しているものとは違う感情をいだくこともあります。