愛犬が飼い主さんに見せるしぐさには、思わずキュンとなるかわいいものが多いですよね。今回は、「顔をほころばす」「あとをついてくる」など、愛犬が見せる6つのかわいいしぐさに注目し、その理由や意味について哺乳類学者の今泉忠明先生に伺いました。
飼い主さんを見ると顔をほころばせる
犬は群れで生活していた時代、仲間とコミュニケーションをとる必要があったため、表情筋が発達して笑顔も上手になりました。そのため、大好きな飼い主さんを見ると楽しくなって思わず顔がほころび、ニッコリ笑顔になります。
飼い主さんのあとをついてくる
野性時代、群れの仲間と常に行動を共にしていた犬は、一頭になるのが不得意な動物です。家の中で犬が飼い主さんのあとをついて歩くのは、「一緒にいたい」という気持ちからでしょう。
飼い主さんのニオイがするものに寄り添う
犬はニオイを嗅ぐことで、記憶を思い起こさせるといわれています。留守番中に飼い主さんの洋服などに寄り添うのは、そばにいられないあいだでも、飼い主さんを近くに感じたいためでしょう。
玄関で飼い主さんを待ち伏せする
犬が玄関で待ち伏せするのは、飼い主さんに「1秒でも早く会いたい」から。犬は人の4倍の聴力があり、遠くの足音や車のエンジン音のかすかな違いも聞き分けられるといわれています。
それほど聴力が発達した動物なので、飼い主さんが帰宅する前に音に気づいて、玄関で待っていられるのです。
飼い主さんのニオイを何度もかぐ
犬はいつもと同じかどうかを確認して、安心するのが大好きな動物です。そのため、飼い主さんが少し離れただけでも「異常がないかチェックしなきゃ!」という気持ちが働き、すぐに近寄って何度もニオイを嗅ぐのです。
飼い主さんのことを見つめる
犬は大好きな人のことをよく見つめます。犬と飼い主さんとが見つめ合うと、お互いに“幸せホルモン”と呼ばれる「オキシトシン」が出るといわれているので、どちらも幸せな気持ちになることができます。
愛犬が見せるしぐさには、群れで暮らしていた野性時代の生態が関係しているだけでなく、「一緒にいたい」「大好き」という飼い主さんに対する気持ちも込められているようです。愛犬のかわいいしぐさの意味を理解して、気持ちをしっかり受けとめていきたいですね。
お話を伺った先生/今泉忠明先生(哺乳類学者 川崎市環境影響評価審議会委員 日本動物科学研究所所長)
参考/「いぬのきもち」2018年12月号『犬がキュートなワケを生態からひも解く!犬ってこんなにカワイイ生きものなんです♡』
文/宮下早希
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。