犬の僧帽弁閉鎖不全症ってどんな病気？症状と治療法について獣医師が解説

犬の心臓の病気にはさまざまな種類があるそうです。今回は「犬の僧帽弁閉鎖不全症の症状と治療法」について、いぬのきもち獣医師相談室の原駿太朗先生が解説します。

犬の僧帽弁閉鎖不全症とはどんな病気？

犬の僧帽弁閉鎖不全症は、心臓の病気のひとつです。

犬の心臓は4つの部屋に分かれていますが、僧帽弁閉鎖不全症はそのうちの「左心房」と「左心室」という部屋の間にある僧帽弁と呼ばれる弁がうまく閉まらなくなってしまうことで血液の逆流が起こってしまう病気です。

この逆流が増えてきてしまうと、心臓に対しての負担が増えていき、最終的に肺に水が溜まるなどの症状を起こしてしまうことがあります。

僧帽弁閉鎖不全症は、シー・ズーやチワワ、キャバリアなどの小型犬に特に発生が多いといわれていて、シニア期になってきたタイミングで多くみられる傾向があります。

犬の僧帽弁閉鎖不全症でみられる症状

犬の僧帽弁閉鎖不全症でよくみられる症状としては、咳や運動に対する不耐性、呼吸促迫などが挙げられます。

犬の僧帽弁閉鎖不全症、その治療法とは

動物病院を受診した犬が僧帽弁閉鎖不全症と診断された場合、薬を使って血液の流れや心臓の動きを調整し、なるべく心臓の機能を維持することを目指す治療が行われることが主流です。

そのほかにも、最近では上手く閉まらなくなってきてしまった僧帽弁を修復する手術を行うことができる動物病院もあり、根本的な解決を目指して手術による治療を検討されるケースもあります。

愛犬が僧帽弁閉鎖不全症と診断されたときに気をつけること

愛犬が僧帽弁閉鎖不全症と診断された場合、飼い主さんは心配なこともあると思いますが、一般的には僧帽弁閉鎖不全症と診断をされたからといって、過度に運動や食事を制限する必要はないとされています。

ただし、病気の特徴として、僧帽弁閉鎖不全症は急に悪化してしまうケースもあります。このため、普段から愛犬の呼吸数や呼吸の様子などに注意して、細かい変化を見逃さないようにしてあげしょう。

もし愛犬の様子で気になることがあれば、様子を記録したりそのままにせず主治医に相談することも大切ですね。参考にしてください。

（監修：いぬのきもち獣医師相談室獣医師・原駿太朗先生）
取材・文／maki
※写真は「いぬのきもちアプリ」で投稿されたものです
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください