愛犬のトイレシーンや排泄物に異変を感じると、もしかしたら「病気かも?」ととても心配になりますよね。そこで、『いぬのきもち』読者の皆さまから寄せられたトイレのお悩みについて、獣医師の南直秀先生がズバリ答えて解決します。今回は排泄に関する困った行動のお悩みに答えていただきました。
Q.お昼寝のときにオネショをすることがあり、困っています
「夏場だけですが、“シェルティ”の姉妹がお昼寝のときにほぼ同時にオネショをします。暑い時季は水分を多くとるため、オネショをしてしまうだけでしょうか? それとも病気の可能性もあるのでしょうか?」
(兵庫県/Y.U.さん)
A.おそらく水分のとりすぎ。ホルモン性の失禁の疑いも
2頭同時にオネショをすることと、夏場だけしかしないことから、水分のとりすぎが原因のオネショの可能性が高いでしょう。もし一年を通して続くなら病気の可能性も。尿道の筋肉の働きに異常が起こる「ホルモン反応性尿失禁」は若い時期に避妊手術を受けた大型犬に多く見られます。
●念のため受診し、おむつなどで対策しましょう
病気の可能性もあるので、一度受診しましょう。病気でなければ、オネショをしてもいいようにおむつをつけたり、ベッドの中に汚れてもいい布を敷き、オネショをしたらすぐに交換できるように対策しておきましょう。
Q.自分のウンチを食べたりくわえて持ってきたりするのですが……
「食フンをやめさせようと近くで見張り、ウンチをくわえたときにおやつと引き換えにしてウンチを取っていました。最近ではおやつ欲しさからウンチをくわえて持ってくるように!」
(千葉県/N.M.さん)
A.病気ではありませんが、やめさせたほうがいいでしょう
子犬は好奇心や空腹などの理由で食フンしてしまうことがあるようです。病気ではありませんが、ひどくなると行動療法が必要になることもありますから、やめさせたほうがいいでしょう。
●ウンチを食べないようにしつけを見直そう
おそらくウンチを持っていけば、おいしいおやつが手に入ると覚えてしまっているのでしょう。ウンチをしたらすぐに片づけて、ウンチを置きっぱなしにしないようにしましょう。
Q.3才になっても大好きな人に会うとうれションをします
「愛犬の大好きな人が家に来ると姿勢を低くして近づき、その人になでられるとうれしさがピークになるのかオシッコをします。オシッコの量はうれしさと比例している気がします」
(東京都/M.M.さん)
A.興奮からうれションすることがあります
今回のように「大好きな人に会えた」「なでてもらえた」といったうれしさから興奮しすぎると、オシッコをもらしてしまうことが。これは犬の本能的な行動で病気ではありません。
●犬を興奮させすぎない工夫をしましょう
本能的な行動であるうれションを叱るのはNG。うれションをやめさせるには、犬を必要以上に興奮させないようにしつけることが一番です。興奮しなくなると、自然としなくなりますよ。
排泄に関するちょっと困ったお悩みをご紹介しました。なかには病気が原因のケースもあるので、少しでも気になることがあれば、獣医師やしつけのプロに相談してくださいね。
お話を伺った先生/東京動物医療センター副院長 南直秀先生
参考/「いぬのきもち」2023年5月号『トイレのお悩みまるごと解決! 健康編』
イラスト/今井夏子
文/いぬのきもち編集室