歯の健康は愛犬の健康長寿に欠かせません。歯みがきはもちろんのこと、すぐにできる「いい歯」のためにできることを「アニマルケアサロンFLORA」院長の中桐由貴先生に教えていただきました。今回は、異変に早く気づくための「歯の健康チェック」をご紹介します。
【口臭のチェック】いつもと違うニオイがしたら要注意
愛犬の口のニオイをかぐことを習慣にすると口臭の変化に敏感になれます。腐敗臭や生臭いニオイなど、いつもと違うニオイがしたら歯周病などが進行している可能性が。
【歯のチェック】歯を指で触ってぐらつきのチェックも!
歯垢・歯石、歯の破折・欠損など見てわかるトラブルは歯みがき中に気づきやすいですが、歯周病が原因のぐらつきはひどくなるまで気づかないことが。歯を指で触って確認を。
【歯ぐきのチェック】炎症や腫れなど異常がないか唇を持ち上げて確認を
歯周病によって皮膚や歯ぐきに穴があく「歯瘻(しろう)」の場合、歯ぐきであれば歯の根元あたりに穴ができることがほとんど。歯ぐきは、唇を持ち上げて上部までしっかり確認して。
口まわり以外の症状も歯に関係していることが
□鼻炎症状がひどい
「歯瘻」のひとつで、鼻腔につながる穴があく「口腔鼻腔瘻」の場合、膿や分泌物が鼻に入り、膿の混じった鼻水や鼻血、クシャミなど鼻炎症状がひどくなることがあります。
□顔が腫れている
歯に強い炎症が起こると、急に顔が腫れることが。目の下が腫れる場合は、「歯瘻」のひとつで目の下などに穴があく「外歯瘻」の可能性が高いでしょう。
唾液腺マッサージで唾液を増やそう!
唾液には歯垢をつくる成分が含まれますが、唾液の量が多いと口の中の汚れを洗い流したり、細菌の増殖を抑えたりする自浄作用が働きやすくなります。歯みがきで歯垢を除去したうえで唾液の量を増やしましょう。
おもな3つの唾液腺を刺激して唾液を促して
唾液を分泌する「唾液腺」を刺激するマッサージは、唾液を促す効果が期待できます。耳の下部付近の「耳下腺」とエラ付近の「下顎腺」は範囲が大きいので親指以外の4本の指を、ほお骨の下側付近の「頬骨腺」は小さいので親指1本を、ゆっくり回しましょう。それぞれ5~10回。反対側も同様にマッサージを。
いい歯のためには、異変にいかに早く気づけるかが重要です。毎日の歯みがきの際に、口臭や歯と歯ぐきの状態を気にかけるようにして。また、スキンシップの流れで行えば、口まわりや歯を触れられることにも慣れ、歯みがきがしやすくなるでしょう。歯みがき後は、唾液を増やすマッサージも試してみてくださいね。
お話を伺った先生/アニマルケアサロンFLORA院長 中桐由貴先生
参考/「いぬのきもち」2023年7月号『いい歯のためにできること』
写真/尾﨑たまき
文/いぬのきもち編集室