垂れ耳に立ち耳、犬にはそれぞれいろんな耳があって、どれもかわいいですよね。しかし犬の耳はただかわいいだけでなく、感情が動きであらわれるコミュニケーションツールでもあるのです。
今回は、ヤマザキ動物看護大学准教授 博士の福山貴昭先生に、それぞれの犬の耳の動きからどんな気持ちが読み取れるのか教えていただきます!
耳の動きは犬にとって大事なボディランゲージ
犬の耳は、その動きで相手に気持ちを伝えることが可能です。耳の筋肉に力をこめる、力を抜く、耳を倒すなどして、不安や緊張、相手の犬への服従心などを伝えるそう。恥ずかしさや緊張感で耳が赤くなる程度の人とは、大きな違いです。
耳の根本の力が抜けている
垂れ耳の犬では、耳と耳の間(頭頂部)の距離が広がっているのが脱力状態です。立ち耳ではわかりにくいかもしれませんが、耳に緊張が感じられない状態がリラックスしている状態です。これは、安心しているときに見せる耳の動きなのだとか。
耳の根本に力が入る
垂れ耳では、耳の根元が持ち上がり、頭頂部の距離が狭くなっている状態です。立ち耳では、耳をピンと立てて力が入っているように見えます。
動物にとっては、ある程度の緊張感をもっている状態がノーマルです。犬にとっては、この状態が“普通”ですね。
じつは意味が全然違う!「耳を倒す」
一見、先述した“力が抜けている状態”に近いですが、耳を後ろに引くように倒す動きに注目です!
これは、不安な気持ちのあらわれかもしれません。さらに、耳を思いっきり後ろに倒すのは、恐怖心や相手の犬への服従心のあらわれです。
犬とのコミュニケーションでは体全体を見て判断するのが基本ですが、耳の動きにも注目してみましょう! 耳の動きによるボディランゲージで、犬の気持ちを読み取るヒントとなるでしょう。
お話を伺った先生/福山貴昭先生(ヤマザキ動物看護大学准教授 博士(学術) 動物看護師 DGS(旧PGS)ドッグ・グルーミング・スペシャリスト)
参考/「いぬのきもち」2023年4月号『形は11種類!よく聞こえてよく動く! すごいぞ!犬の耳』
文/宮田あゆみ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。