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ときには重症化することも 犬から人にうつる感染症に要注意

犬から人へ感染する「人獣共通感染症」があることを知っていますか? 子どもや高齢者、抵抗力が弱い人は重症化する場合もあり、油断は禁物です。今回は犬から人にうつる感染症とその対策について、ノヤ動物病院院長の野谷雅彦先生に教えていただきました。

SFTS(重症熱性血小板減少症候群)

ソファに寝そべるゴールドレトリバー
Janie Airey/gettyimages
SFTSウイルスを持ったマダニに吸血されると感染するウイルス感染症です。主な症状は元気消失・食欲不振・黄疸・発熱など。実施率は犬約30%、猫約70%という怖い病気です。ワクチンがないため、マダニから愛犬の身を守ることが大切です。予防ワクチンがないため、マダニから愛犬の身を守ることが大切。

人も注意!
人もマダニから感染しますが、SFTSに感染した犬の唾液・ウンチ・オシッコ・血液などから感染したケースも。高齢になるほど亡くなるリスクが高まります。

エキノコックス

外で運動をする少年と犬
Image Source/gettyimages
多包条虫(たほうじょうちゅう)が寄生したネズミを犬が食べると感染。もともとは北海道のみの感染症でしたが、本州のキツネや野犬のウンチからも多包条虫が見つかり、拡大が懸念されています。人への感染予防のため、外出先でネズミを食べた可能性があれば獣医師に相談しましょう。

人も注意!
犬はネズミを食べて感染しますが、人には犬やキツネのウンチから感染。犬は軽症なのに対し、人に感染すると幼虫が肝臓に寄生して肝機能を低下させます。

犬から人に感染すると怖い「細菌感染症」

ソファに寝そべるグレイトデーン
Image Source/gettyimages
Q熱

マダニなどからQ熱に感染した犬のウンチやオシッコ、感染した犬が出産時に出す胎盤が主な感染源です。犬は感染しても無症状ですが、人には急な発熱や関節痛などインフルエンザに似た症状が出で数週間で回復します。

パスツレラ症
パスツレラ菌は多くの犬の口腔内にいる常在菌で、犬に噛まれることが主に感染の原因です。噛まれた部位が異常なほどに腫れ、激しく痛みます。抵抗力の弱い人は重症化しやすいため、犬に噛まれたらすぐに病院へ行き治療を受けましょう。

感染症を防ぐためにできること

カメラを見つめるボーダーコリー
Iuliia Zavalishina/gettyimages
1. ワクチン接種・ノミダニ予防を徹底しよう
愛犬を感染症から守るには、ワクチン接種・ノミダニ予防は重要です。ワクチンの種類や接種するタイミングは、居住地域や生活スタイルなどに合うようかかりつけ医に相談しましょう。

2. 愛犬との濃厚接触を避けよう
愛犬とのキス、食器の共有、食べ物の口移しといった濃厚接触は、犬から人への感染に繋がるおそれがあります。通常のスキンシップのあとは石けんで手を洗い、排泄物を処理する際も手袋を着用しましょう。

3. 外出先では常にリードをつけよう
愛犬と一緒にアウトドアを楽しむ場合でも、決してリードは外さないようにしてください。愛犬をフリーにして野生動物の排泄物を踏んだりネズミを食べてしまったりすると、感染症にかかるリスクが高まります。

4. 野生動物とのふれあいは距離を保とう
野生動物は、感染症の病原体を持っているおそれがあります。外で見かけた場合は、愛犬と接触させないよう遠くから見守る程度にしましょう。野生動物の死骸や弱っている個体でも、絶対に手を触れないで。
犬から人に移る感染症は少なくありません。愛犬はもちろん、飼い主さん自身を守るためにも、対策を徹底しましょう。
お話を伺った先生/野谷雅彦先生(ノヤ動物病院院長)
参考/「いぬのきもち」2022年2月号『犬にも怖〜いウイルスの病気があるんです!気になる新型コロナウイルス情報も 犬の感染症』
文/柏田ゆき
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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