「シニア犬に“朝活”がいい」といわれているのを知っていますか? 犬も年をとると心身の衰えから、不安や恐怖を感じやすくなるもの。しかし、“朝活”をすると幸せホルモン「セロトニン」の分泌を促されるほか、体内時計をリセットして認知症などの症状を緩和してくれます。
今回は、シニア犬の朝に取り入れたい生活習慣を、犬の訪問ケア「ドッグケアスマイル」主宰の清水佐知子先生にお聞きしました。
朝の散歩前に体や足がきちんと動くように準備運動をする
シニア犬は自分で伸びをしにくくなるので、体がゆがみやすくなります。ゆがんだまま散歩に出かけることは、関節などに負担を与える原因になるため、散歩へ出かける前に体や足を伸ばすストレッチをすることがおすすめです。
胴体の側面や後ろ足などの各部位を、5秒ずつ2セット伸ばすことを目安に、無理のない範囲で行いましょう。
※中・大型犬の場合は、飼い主さんの前で横向きに四つ足で立たせて、胴体の下から腕を入れます。胴体を自分に引き寄せるようにして体の側面を伸ばしましょう。
朝の散歩で脳や体にいい刺激を与える
散歩をとおして脳や体に刺激を与えることは、運動機能の老化や認知症の予防につながります。
自然の香りで脳を刺激する
空気が澄んでいる朝は、シニア犬でも草木のニオイを感じやすいもの。自然の香りは、犬の脳を心地よく刺激してくれるでしょう。それに加え、飼い主さんから積極的に笑顔で声かけを。「朝散歩は気持ちがよくて楽しい」と教えることで、愛犬の心を満たしてあげましょう。
ひなたぼっこを取り入れてセロトニンの分泌を促す
「セロトニン」の分泌は日の光を浴びることで活性化されるので、散歩の途中でひなたぼっこの時間を設けるのも手。このときに笑顔で話しかけたり、おやつタイムを楽しんだりして、コミュニケーションを図りましょう。
お世話をしながらボディチェック
朝にボディチェックを行えば、何か異変を発見しても受診しやすいです。
3本の足で立たせて足ふき
3本の足で立たせて足拭きをすると、足の筋力アップとバランス力アップにつながります。1本ずつ足の汚れを拭きとって、犬の老化を予防しましょう。毎日やることで、足腰の異常やバランス力の変化にも気づきやすくなります。
汚れ落としを兼ねて全身をざっくりブラッシング
散歩でついて汚れを落としつつ、全身をブラッシングしましょう。短毛犬種なら、ブラシの代わりにタオルで全身を拭いても。ほどよく疲れているので、おとなしくお手入れさせてくれるコも多いです。同時に体に異変がないかチェックしましょう。
留守番時の気分転換で舌の筋トレをする
老化により舌の動きが悪くなると、思うように水を飲んだり、ゴハンを食べたりできなくなることも。留守番時の暇つぶしも兼ねてひとり遊び用のおもちゃにペースト状のおやつを塗ると、なめるうちに舌の筋トレができるでしょう。
愛犬に快適な老後を送ってもらうためにも、無理のない範囲で“朝活”を取り入れてみてはいかがでしょうか。
お話を伺った先生/清水佐知子先生(犬の訪問ケア「ドッグケアスマイル」主宰)
参考/「いぬのきもち」2024年12月号『健康長寿のカギは起床後の過ごし方にありました 朝、シニア犬にするといいこと』
文/小崎華
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