ドッグランは楽しくストレス発散もできる一方で、犬同士のトラブルが起きやすい場所でもあります。今回は、ドッグランを楽しむためのポイントとともに、ドッグランにありがちなお悩み・トラブル事例について、ドッグトレーナーの浅野里実先生に伺いました。
ドッグランを楽しむために知っておくべきこと
まずは、ドッグランを楽しむために飼い主さんが知っておくべき、5つのポイントについてご紹介します。
1. どんな場所かを知っておく
ドッグランは犬同士が一緒に走って遊ぶ場所、というイメージがありますが、すべての犬がそうとは限りません。のんびりニオイをかいで回りたいコや、飼い主さんと過ごしたいだけのコもいるので、それぞれの過ごし方を尊重しましょう。
2. 無理をしない
犬は遊んでいるだけのつもりでも、体格が大きく異なる犬同士では、思わぬケガにつながることも。また、混雑は犬同士のトラブルが起きやすい状況です。ドッグランの様子を観察し、無理せず入らない選択をすることも大切です。
3. 愛犬との関係ができてから利用する
さまざまな犬がノーリードで集まるドッグランでは、飼い主さんと愛犬の絆が大切です。利用者全員が、名前を呼べば愛犬を呼び戻しできる状態であることが理想です。
4. 気持ちのよいふるまいを心がける
「こんにちは」などのあいさつや、「かわいいですね」などの声かけを心がけましょう。ほかの飼い主さんの状況や気分を推し量ることができ、円滑なコミュニケーションのきっかけになります。
5. ルールを守る
犬たちの安全のためにも、ドッグランごとに決められたルールを事前に確認し、必ず守るようにしましょう。犬のサイズごとに区画分けされているドッグランでは、必ず愛犬の該当する区画の利用を。おやつやおもちゃは、犬同士のトラブルになりやすいので注意してください。
ドッグランにありがちなお悩み
ドッグランにありがちなお悩み事例と、その解決策についてご紹介します。
お悩み例1. 「ほかの犬が苦手な愛犬。それでもドッグランに行ったほうがいい?」
ドッグランが犬にとってストレスの場でしかないのなら、無理に行く必要はありません。ほかの方法で運動欲求などを満たしてあげましょう。愛犬にドッグランを好きになりそうなのびしろがあれば、少しずつ慣れさせていくのもよいでしょう。
お悩み例2. 「ドッグランはどのくらいの時間、楽しんでいいもの?」
犬がリラックスして過ごせているのであれば、いたいだけいてOK。全力で遊び続けてパンティングが激しいような場合は、休憩をはさみながら30分~1時間を目安に遊んで。また、ゆずり合いの面からも、混んできたら切り上げましょう。
ドッグランを楽しめているか、愛犬の緊張状態をチェックしよう
愛犬がドッグランに慣れていないうちは、とくに様子をよく確認し、嫌な経験をさせないことが大事です。愛犬が出すサインを知り、無理をさせず少しずつ慣らしていきましょう。
愛犬が緊張や恐怖を感じているときに見られるサイン
- 体を縮こめ、しっぽが後ろ脚の間に入っている
- 飼い主さんの後ろなどに逃げたり、隠れたりする
- ほかの犬にうなったり、歯をむき出したりする など
ドッグランにありがちなトラブル
ドッグランでありがちなトラブル事例と、その解決策についてご紹介します。
トラブル例1. 「興奮して、ほかの犬に激しく吠えてしまう」
まず大切なことは、吠えるきっかけを愛犬に与えないことです。愛犬が興奮してきて吠えそうだと思ったら、呼び戻してクールダウンさせます。吠えない成功体験を積ませていきましょう。
トラブル例2. 「愛犬よりも大きな犬にいきなり飛びつかれたり、追いかけられたりしてしまう」
体の大きさが著しく異なる犬同士の接触は、思わぬ事故につながることがあります。大型犬・小型犬どちらの飼い主さんにおいても、ドッグランの中に体格が大きく異なる犬がいるときは、入るのを控えるのがベターです。
入るときが犬の緊張のピーク! 中で遊んでいる犬側が配慮しよう
入口付近に犬たちが集まっているなか進むのは、リードにつながれた状態で入る犬にとって緊張を強いられます。犬同士の目が合わないよう、駆け寄った側の犬の飼い主さんが配慮するようにしましょう。
ドッグランは犬の“社交場”のようなもので、マナーやふるまいがとても大切でふだんの行いが表れる場所でもあります。利用者みんなが気持ちよく過ごせるよう正しいマナーやふるまいを身につけて、安全に楽しく遊びましょう。
お話を伺った先生/浅野里実先生(ドッグトレーナー)
参考/「いぬのきもち」2024年11月号『愛犬家の約6割が利用しています 犬の“社交場”!ドッグランをもっと楽しもう!』
文/宮下早希
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。