愛犬がいくつになっても自分の足で立って歩ける体づくりは、健康長寿を目指すうえでは欠かせません。そのために取り入れたいのが日々の運動。
そこで今回は、愛犬の健康長寿のために取り入れたい運動のコツを、獣医師の藤本聖香先生と若山正之先生に伺いました。
年をとっても毎日散歩をする
「愛犬がシニア期になると、もう年だからと散歩を控える飼い主さんもいますが、散歩で筋肉や関節をしっかりと動かすことは、身体能力を保つ一助になります。無理のないペースでよいので、散歩は必ず毎日行きましょう」(藤本先生)
歩き始めはゆっくりにする
「シニア期の犬は、足腰が衰えがち。そのため、歩き始めの数分間は準備運動がてらあえてゆっくりめに歩くといいでしょう。愛犬の様子をしっかりと見ながら、徐々に速度を調整してみてください」(若山先生)
「ちょこっとダッシュ」する区間をつくる
「犬の体には、走る動作をするときにしか使わない筋肉があります。そのため、少しの距離でかまわないので、散歩のなかでダッシュする区間を設けると、その筋肉を鍛えることができます。また、散歩にダッシュタイムを組み込むと変化もつき、愛犬にとって飼い主さんとの散歩がいっそう楽しい時間になります」(藤本先生)
ニオイかぎなどの頭の運動も
「ニオイかぎなどの嗅覚を使う行動は、犬の脳に刺激を与えて認知症予防に役立ちます。散歩中にニオイかぎをする時間を設けたり、ノーズワークや知育おもちゃなどで頭の運動をさせたりするのがおすすめです」(藤本先生)
ドッグランには無理して行かなくてもOK
「ドッグランに行けば、ある程度の運動量を確保することができます。しかし、ほかの犬や人が苦手など、犬の性格によってはドッグラン自体がストレスになるケースも。愛犬がそういったタイプであれば、無理にドッグランで遊ばせるのではなく、ふだんの散歩や遊びで運動量をキープすればOKです」(藤本先生)
しっかりと運動をすると心肺機能や筋肉が鍛えられるほか、脳に刺激を与えることができるので、認知症予防にもつながると考えられています。今回ご紹介した5つのコツを参考に、愛犬との運動時間を見直してみてはいかがでしょうか。
お話を伺った先生/藤本聖香先生(英国APDT認定ペットドッグトレーナー 獣医師 「Canine Relationz」主宰)、若山正之先生(若山動物病院院長)
参考/「いぬのきもち」2025年3月号『20才を目指して キホンから“ちょっと意外”なものまで獣医師に聞きました! 愛犬の健康寿命にいいこと』
文/東里奈
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
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