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【獣医師監修】犬の体温が高い!平熱は何度?測る方法は?こんな犬種は要注意!

あなたは、愛犬の平熱が何度か把握していますか?人間と同じように、犬の体温も健康の大切な指標です。今回は、犬の体温やその測り方について解説します。体温に異常がある場合の対処法や、特に注意が必要な犬種も合わせてチェックしましょう。

草場 宏之 先生

 獣医師
 横浜戸塚プリモ動物病院院長

 日本大学生物資源科学部獣医学科卒業

●資格:獣医師/東京医科歯科大学医歯学総合研究科 研修生終了

●所属:日本獣医麻酔外科学会日本小動物歯科研究会

●主な診療科目:一般診療(外科・内科)、救急診療、整形外科、歯科

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犬の平熱って?大きさ・年齢・時間でも変わる!

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犬の平熱・発熱

犬の正常体温は、約38~39℃です。人の体温は約36~37℃なので、それよりも約1~3℃ほど高めですね。もし体温が39.5℃を超えている場合は、発熱していると考えられます。

体温の個体差・日内変動

人によって平熱が異なるように、犬の平熱にも個体差があります。子犬からシニア犬へと年齢が上がるほど、小型犬から大型犬へと体が大きくなるほど、体温が低くなる傾向にあるようです。

また、体温は時間帯によっても変動します。一般的に朝の起床時が最も低く、夕方4時~6時頃が最も高くなるとされています。この日内変動によって、同じ犬でも体温に1℃ほど高低差が生じることもあります。

このように、犬の体温は体の大きさ、年齢、時間帯によっても異なるため、普段から愛犬の体温を測り、平熱を把握しておくことが大切です。

犬の体温の測り方と簡単チェック法

基本の体温の測り方

犬の体温を測るには、動物用体温計で直腸温を測る方法を用います。リラックスした状態で、体温計を肛門に2~3cm水平に差し込んで測定します。肛門を傷つけないよう、ゆっくり優しく差し込んでくださいね。

できれば動物用の体温計を使うことをおすすめしますが、もし手に入らない場合は人用の体温計で測ることもできます。その場合は、犬と人で体温計を共用せずに、必ず使い分けるように注意しましょう。

肛門に体温計をさすのに抵抗がある方は、耳で測るタイプの体温計を使用するのもいいかもしれません。ただし、測る体温計や部位によって温度に誤差がでるので、愛犬の平熱を把握するためには、毎回同じ体温計・同じ部位で検温することが大切です。

体温計を使わない簡単チェック法

犬が体温計で体温を測るのを嫌がったり暴れたりする場合は、無理に体温計を使うことは避けましょう。興奮させてしまうと危険ですし、正確な体温が測れなくなることもあります。そんなときは、以下のような部位を触って、いつもより熱くないか・冷たくないかチェックしてみましょう。

・耳
・わきの下
・おなか

触るだけなら、スキンシップも兼ねて簡単に実践できますね。

体温異常があるときのサイン

体温に異常があるときは、犬に以下のような変化が起こります。

・ハアハアと息づかいが荒い
・うろうろして落ち着きがない
・舌や歯ぐきが赤い
・元気がない
・いつもより耳や口の内側が熱くて赤みが強い など

普段から愛犬を触ったり、よく観察したりしておけば、こういった体温異常のサインも見逃さずに気づくことができるでしょう。

特に体温異常が起きやすい犬の特徴

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特に体温異常が起きやすい犬種と特徴を持った犬をご紹介します。愛犬がどれか1つでも当てはまる場合は、注意して見てあげてくださいね。

短頭種

鼻が低い短頭種は気道が狭く、呼吸がしづらい傾向があります。そのため、ハアハアと荒い呼吸になりがちで、体温調節も苦手な犬が多いのだとか。

大型犬

体の大きい大型犬は、特に夏場に注意が必要です。肺が大きいため熱い空気が体内にたまって体温が上がり、熱中症に陥りやすくなります。

寒い地方出身の犬種

寒い地方が原産の犬は、被毛の密度が高く、熱がこもりやすい犬種です。特に夏場の体温調節が苦手な傾向にあります。

シニア犬・持病がある犬

シニア犬や持病のある犬は、老化や病気により、生理機能や呼吸器機能が低下しやすくなります。そのため、体温調節がスムーズに行えないことも多いようです。

肥満の犬

肥満の犬は、皮下脂肪が体内にこもった熱を逃しにくく、熱が上がりやすい傾向にあります。また首回りに脂肪がついていると、呼吸がしづらくうまく体温調節ができないことも。

室内飼いの犬

完全室内飼いの犬は、常に快適な温度や湿度を保った部屋で過ごしています。そのため、快適な環境に体が慣れ、体温調節が苦手な犬もいるようです。

犬の体温が高いときの下げ方・対処法

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犬の体温が高い原因

犬の体温がいつもより高い原因の1つに、熱中症が挙げられます。熱中症は、高温多湿な環境で、うまく体温を下げられなくなることによって起こります。

そのほか、ウイルスや細菌感染による感染症、呼吸器や循環器の病気、鼻腔内や口内の異常、アレルギー反応など、さまざまな原因が考えられます。まずは発熱以外にどんな症状があるかを観察し、原因を見極めることが必要です。

また、運動したあとや何かストレスを受けたあとなど、興奮状態のときも一時的に体温が高くなり、ときには40℃近くなることも。そういった場合は、30分~60分程度安静にしてから、もう1度体温を測ってみましょう。

犬の体温が高いときの対処法・病院に行く目安

熱中症が考えられる場合は、すぐに体を冷やして体温を下げます。冷たい水を全身にかけたり、わきや内また、首まわりを保冷剤で冷やしたり、氷を口の中に入れたりするのも効果的。その後、体を冷やしながら動物病院へ向かい、指示を仰ぎましょう。

それ以外の病気でも、高熱・咳や鼻水・嘔吐といった気になる症状が続いたり、愛犬の様子がおかしいと感じたりする場合は、動物病院の受診をおすすめします。特に40.5℃以上の体温が数時間続く場合は、命の危険もあります。至急対処しましょう。

犬の体温が低いときの上げ方・対処法

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犬の体温が低い原因

犬の体温が低い主な原因としては、低体温症が挙げられます。低体温症とは、長時間寒い場所にいたり、病気で体力が低下したりしたことで、37℃以下の低体温状態に陥ってしまうこと。子犬、シニア犬、持病のある犬など、体温調節機能が未熟な犬、衰えている犬で起きやすく、高熱よりも危険な症状です。

そのほか妊娠中のメス犬の出産の兆候として、体温が1℃ほど下がることもあるのだとか。こういった犬を飼っている方は、日頃から注意深い観察を心がけましょう。

犬の体温が低いときの対処法・病院に行く目安

低体温症の場合は、犬の体を毛布などでくるみ、暖かい場所に移動して温めます。特に、体温が36.6℃以下の場合は要注意。低体温症が進行すると、全身が震えてぐったりとし、呼吸も浅くなっていきます。こういった症状が見られたら、急いで病院を受診しましょう。
犬の体温は、健康の大事なバロメーターになっているということが分かりました。健康診断や病院の受診時も検温は行いますので、おうちでも定期的に体温を測る練習をしておくことをおすすめします。ぜひ、日頃から愛犬の体温を意識して、健康管理に役立ててくださいね。
参考/「いぬのきもち」2016年7月号『本当に怖い熱中症の真実』(監修:東京動物医療センター副院長 南直秀先生)
   「いぬのきもち」2016年8月号『愛犬の命を守るためにおさらいしたい熱中症検定』(監修:東京動物医療センター副院長 南直秀先生)
   「いぬのきもち」WEB MAGAZIN『【獣医師が教える】犬の風邪ってどんな病気? 犬は風邪をひくの? 人にうつるの?』(監修:かつまペットクリニック獣医師 大塚元貴)
   「いぬのきもち」WEB MAGAZIN『病気・症状データベース(犬の低体温症)』
監修/草場宏之先生(横浜戸塚プリモ動物病院院長)
文/nekonote
※一部写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と一部写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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