犬はシニア期に入ると、さまざまなことができなくなります。そんな愛犬の姿を見て、飼い主さんも不安になりますよね。ここでは、シニア犬ができなくなることの一つ「食事」の介護について解説します。どう手助けしてあげられるか、一緒に考えてみましょう。
そもそも、なぜシニアになると「できないこと」が増えるの?
犬は年齢を重ねると、病気や加齢に伴う体のさまざまな機能の低下などが原因で、「できないこと」が少しずつ増えてきます。もし病気が原因ならば、適切な治療を行うことで元に戻ることもあります。そのためシニア期に入ったら、これまで以上に愛犬の行動や体をチェックし、異変を感じるときは早めに動物病院を受診することが大切。
一方で加齢が原因なら、飼い主さんは「手助け」することについて考えてください。愛犬ができなくなったことを手助けする、それが「介護」なのです。
シニア期に訪れる「食事」の介護
犬の介護の一つに「食事」があります。シニア犬になると、健康であっても噛む力が弱くなったり、食べる姿勢が取りづらくなったりすることがあります。また、食が細くなって消化能力が低下することも。
これを「年齢のせい」と何もケアしないでおくと栄養不足になり、筋肉量や免疫力の低下、貧血などを招くおそれがあります。もしも愛犬の食べ方に異変を感じたら、きちんと栄養を消化・吸収できるように介護することを考えてみましょう。
愛犬の食事の介護のポイント
食が細くなったとき
完食することが少なくなった、以前のようにガツガツ食べなくなったなど、食が細くなった様子が見られたら、1回に与える量を減らして食事の回数を増やしてみましょう。それでも残す量が目立つときは、フードをふやかしたり、少し温めて香りをたてたりするなど、愛犬が食べやすいように工夫してみてください。また、消化・吸収の良いシニア犬に適したフードに変更するのも良いでしょう。
食べる姿勢が取りづらそうなとき
首を下げて食べる姿勢が愛犬の負担になっているようなら、食べやすい高さに食器を置いてあげましょう。専用の台を購入するのも良いですし、雑誌を積み重ねたり小さな箱を活用したりするのもおすすめです。愛犬が好む高さを見つけてあげてください。
また、足腰が弱って踏ん張りきれない、あるいはうまく立てない場合などは、食べる気持ちはあってもうまく食べられません。この状況が続くと、少しずつ食欲が落ちてしまうこともあります。そういった場合には、滑り止めのマットを敷いたり、飼い主さんが後ろから支えてあげたりして手助けしましょう。
噛む力が弱くなってきた
いつものフードを噛みにくそうにしているときは、噛む力が弱くなっているのかもしれません。そんなときはフードをふやかしてみましょう。それでも食べにくそうなときは、ふやかしたフードをすりつぶすか、ペースト状の介護食に切り替えるのがおすすめです。
もし愛犬が何も口にしなくなったら…
いつか愛犬が何も口にできなくなる日が来るかもしれません。そのときは、フードではなく口当たりが良いものや大好きなものを与えて、食欲がわくような工夫をするもの良いでしょう。ただし、持病などで愛犬が食べてはいけないものがあるかもしれません。まずは獣医師に相談してから与えるようにしましょうね。
今回は
シニア犬の食事の介護方法をご紹介しました。しかし、介護の形は一つではありません。愛犬の状態や好み、飼い主さんの生活スタイルに合った方法を選び、無理なく続けることが大切ですよ。
参考/「いぬのきもち」WEB MAGAZINE『老犬の介護の仕方と心構え~食事、排泄、散歩、夜鳴き、寝たきり、介護施設、介護疲れ』(監修:いぬのきもち相談室獣医師)
文/hasebe
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。