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愛犬の「おもい」を受け取り、飼い主さんの「おもい」を伝える。幸せな関係づくりに役立つ「傾聴飼育」とは?

「エリエールPet キミおもい」のブース
2024年4月3日〜6日に東京ビッグサイトで、愛犬・愛猫を同伴できるライフスタイルイベント「第14回インターペット」が開催されました。「エリエールPet キミおもい」が支援する「傾聴飼育」の考え方や実践の啓発を目的とした団体「傾聴飼育推進委員会」では、動物をより理解するための「傾聴飼育」のポイントを伝えるセミナーを実施。うちのコとの幸せな関係づくりに役立つアドバイスを紹介します。

うちのコともっと幸せになるための「傾聴飼育」とは?

「傾聴飼育」のセミナーの様子
「エリエールPet キミおもい」が提唱する「傾聴飼育」とは、動物の発するサインを観察し、その本当の意味を理解しながら愛犬と接すること。「傾聴飼育」では、愛犬と飼い主さんの「おもい」が通じ合う幸せな暮らしが、ひいてはより良い共生社会へとつながると考えられています。

インターペットでは「ワンちゃんとのより幸せな毎日に!『傾聴飼育』の実践ポイント」をテーマにセミナーを開催。講師は藤井仁美先生(獣医師・獣医行動診療科認定医・伴侶動物行動カウンセラー)です。「家族の一員であっても犬は犬。人と共通の部分もあれば違う部分もあります。相手を思いやって接することを心がけましょう」というアドバイスから始まったセミナーをレポートします。

「傾聴飼育」のポイント①:生態・習性・行動特性を学ぶ

「傾聴飼育」のセミナーの様子
藤井先生によると、犬種の違いを理解することも愛犬と円滑にコミュニケーションをとるための一歩になるそうです。

「世界には700〜800犬種がいるといわれ、国際畜犬連盟(FCI)に公認されているのはその半分のおおよそ300〜400犬種です(※)。それぞれの犬種が従事していた仕事によって得意分野が異なります」(藤井先生)

犬種による得意分野の違い
愛玩犬(マルチーズなど)……飼い主に愛される外見をもち、「かわいい」と思われるような甘え上手
獣猟犬(ビーグルなど)……猟師の手助けをする犬で、一日中走り回れる体力がある
牧羊犬(ボーダー・コリーなど)……体力があるうえ、飼い主の言うことを理解し、自分でも判断して行動できる

それぞれが従事していた仕事に合わせて現在、家庭でも行動しているという説明に、飼い主さんたちはさっそく引き込まれているようでした。

※Federation Cynologique Internationale(2024年11月時点)

「傾聴飼育」のポイント②:表情・姿勢・行動を観察してサインを読み取る

「傾聴飼育」のセミナーの様子
犬は群れで生活する動物なので意思を伝える共通のサインがあり、行動や声に加え、耳、目もと、口もと、しっぽのうごき、姿勢も感情を表すパーツになっています

ただし、犬種によって読み取りやすいサインもあれば、読み取りにくいサインがあるほか、同じ行動やサインでも状況によって意味が変わり、年齢・性格・遺伝・体調などによっても異なります。これらを踏まえて犬の心の声に耳を傾けることが大事です」(藤井先生)

犬の表情や行動を切り取った写真を例に、藤井先生の説明を受けながら飼い主さんも気持ちを犬の気持ちを想像する一幕もありました。本記事を読んでいるみなさんも一緒に考えてみてくださいね!

クイズ①:フリスビー遊びを楽しんでいる?

「傾聴飼育」セミナーで映されたジャック・ラッセル・テリア
「ジャック・ラッセル・テリアは遊び好きの犬種。写真はフリスビーを目線の先にいる人に向かって運んでいるところですね。『また投げてもらえるかな?』と期待している表情で、前足が浮くほど早く走っている様子から『わーい!』という楽しさも伝わってくるのではないでしょうか。運ぶ作業は犬の本能の一つでもあります。この写真では注意する点はありません」(藤井先生)

クイズ②:おなかを出してリラックスしている?

「傾聴飼育」セミナーで映されたトイ・プードル
「おなかを出して寝転がっているトイ・プードル。『なでて』とアピールしているのかもしれませんが、ちょっと上目遣いで口元と体に力が入っているので、リラックスしているようには見えない写真です。

犬がおなかを見せるしぐさは服従のサインの一つで、『自分は弱い立場なので降参です』という意味があります。もし荒っぽくなでたら『攻められた』と思うかもしれません。なでているうちに歯を見せるサインが見られたら、不満や怒りを表しているので、なで方を工夫したほうがいいでしょう」(藤井先生)

クイズ③:仲良くあいさつしている?

「傾聴飼育」セミナーで映された犬同士のあいさつ
「犬同士の正式なあいさつは、最初におしりのほうへ回り込むことが多いのですが、鼻と鼻を近づけていますよね。向かって左の犬は耳がまっすぐ立て口もとに力が入り、体もフリーズしているように見えます。もしかしたら『あいさつの方法を間違えていないか?』と伝えているのかもしれません。

右の犬は前のめりの姿勢で鼻先を近づけているものの、上目遣いで耳を後ろに引いていることから、恐怖や不安を感じていることがうかがえます。相手のサインを読み取って『あいさつを間違えた』と思っている場合も」(藤井先生)

「傾聴飼育」のポイント③:サインの意味を考えて接する

「傾聴飼育」のセミナーの様子
愛犬のいたずらやトイレの失敗などに悩んだことがある飼い主さんは多いのではないでしょうか?しかし藤井先生は「人が困ることでも、犬にとって正常な行動もあります」と解説。

「たとえば破壊行動は、ものを噛んで確かめる行動です。飲み込む危険もあるので片づけるのが基本ですが、『ものを噛みたい』という欲求を満たすことも必要になります。散歩が短くて運動不足、留守番が長くて退屈……といった理由で破壊行動が出る場合もあるので、犬がうれしいと思う遊びなどで飼い主さんが一緒に満たしてあげることが重要です。噛む欲求を満たせるように、噛んでも壊れにくい知育玩具にフードを入れて与えるのもおすすめ」(藤井先生)

いたずらを見つけたときには、危険がない場合に限っては無視をしてみるのも一つの手だそう。犬がかまってもらえないことを理解すれば、『つまらない』と思ってやめることもある、という説明には場内からも納得の声が上がっていました。

「傾聴飼育」で愛犬の心の健康を守ろう

「傾聴飼育」のセミナーの様子
「犬の体の健康を守るために混合ワクチンの接種や寄生虫の対策を行うように、「傾聴飼育」を通して犬の心の健康も守ってあげたいですよね。今回お伝えした3つのポイントを心がけ、人も犬も健康で幸せな毎日を送れるように願っています」(藤井先生)

愛犬ともっと通じ合えるようになりたい飼い主さんへのアドバイスとして、動物行動学を学んだ専門家のセミナーに参加したり、本や記事を読んだりすることもおすすめ。その場でサインを読み取るのが難しい場合には、犬の行動を録画してあとで観察する方法も有効とのことです。

場内では一緒に参加した愛犬の様子を見ながら、さっそくサインを読み取ろうと試みる飼い主さんも。コミュニケーションを円滑にとれるようになれば、もっと楽しい生活が待っています。

愛犬との幸せな未来をサポートする「エリエールPet キミおもい」

「傾聴飼育」を学べるコーナー
「傾聴飼育推進委員会」を支援する「エリエールPet キミおもい」のブースには、商品説明コーナーの他、クイズ形式で「傾聴飼育」を学べるコーナーを設けられていました。5つの質問の答えを考えながら、楽しく知識を深められる機会になりますね。
ペットたちのための神社「伊奴寝子社/座間神社」
全国でも珍しいペットたちのための神社「伊奴寝子社/座間神社」の展示もありました!犬猫をモチーフにした絵馬を奉納できるスペースも。愛犬・愛猫の幸せを願って、多くの飼い主さんが絵馬に思いを込めていました。

「いぬのきもちミライ大賞2025」を受賞した「エリエール Pet キミおもい のびのび動けるアクティブウェア」
「“いぬのミライ”がよりよくなる」と評価された製品に送られる「いぬのきもちミライ大賞2025」を受賞した「エリエール Pet キミおもい のびのび動けるアクティブウェア」も展示。日本で唯一(※)のパンツタイプのおむつに興味津々の飼い主さんが集まり、新発売のLゆったりサイズや実物のおむつを手にスタッフの説明を受けていました。

※サイズ調整可能でお腹まわりにポケット構造ができるパンツ形状おむつとして 先行技術調査及びMintel GNPDを用いた大王製紙株式会社調べ(2023年4月)
愛犬とのコミュニケーションに役立つ「傾聴飼育」について、気になる飼い主さんも多いのではないでしょうか。互いの「おもい」が通じ合うよりよい関係づくりを考えていきたいですね。

写真・文/金子志緒
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