犬と暮らす
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愛犬の「おもい」を受け取り、飼い主さんの「おもい」を伝える。幸せな関係づくりに役立つ「傾聴飼育」とは?

うちのコともっと幸せになるための「傾聴飼育」とは?

インターペットでは「ワンちゃんとのより幸せな毎日に!『傾聴飼育』の実践ポイント」をテーマにセミナーを開催。講師は藤井仁美先生(獣医師・獣医行動診療科認定医・伴侶動物行動カウンセラー)です。「家族の一員であっても犬は犬。人と共通の部分もあれば違う部分もあります。相手を思いやって接することを心がけましょう」というアドバイスから始まったセミナーをレポートします。
「傾聴飼育」のポイント①:生態・習性・行動特性を学ぶ

「世界には700〜800犬種がいるといわれ、国際畜犬連盟(FCI)に公認されているのはその半分のおおよそ300〜400犬種です(※)。それぞれの犬種が従事していた仕事によって得意分野が異なります」(藤井先生)
犬種による得意分野の違い
愛玩犬(マルチーズなど)……飼い主に愛される外見をもち、「かわいい」と思われるような甘え上手
獣猟犬(ビーグルなど)……猟師の手助けをする犬で、一日中走り回れる体力がある
牧羊犬(ボーダー・コリーなど)……体力があるうえ、飼い主の言うことを理解し、自分でも判断して行動できる
それぞれが従事していた仕事に合わせて現在、家庭でも行動しているという説明に、飼い主さんたちはさっそく引き込まれているようでした。
※Federation Cynologique Internationale(2024年11月時点)
「傾聴飼育」のポイント②:表情・姿勢・行動を観察してサインを読み取る

ただし、犬種によって読み取りやすいサインもあれば、読み取りにくいサインがあるほか、同じ行動やサインでも状況によって意味が変わり、年齢・性格・遺伝・体調などによっても異なります。これらを踏まえて犬の心の声に耳を傾けることが大事です」(藤井先生)
犬の表情や行動を切り取った写真を例に、藤井先生の説明を受けながら飼い主さんも気持ちを犬の気持ちを想像する一幕もありました。本記事を読んでいるみなさんも一緒に考えてみてくださいね!
クイズ①:フリスビー遊びを楽しんでいる?

クイズ②:おなかを出してリラックスしている?

犬がおなかを見せるしぐさは服従のサインの一つで、『自分は弱い立場なので降参です』という意味があります。もし荒っぽくなでたら『攻められた』と思うかもしれません。なでているうちに歯を見せるサインが見られたら、不満や怒りを表しているので、なで方を工夫したほうがいいでしょう」(藤井先生)
クイズ③:仲良くあいさつしている?

右の犬は前のめりの姿勢で鼻先を近づけているものの、上目遣いで耳を後ろに引いていることから、恐怖や不安を感じていることがうかがえます。相手のサインを読み取って『あいさつを間違えた』と思っている場合も」(藤井先生)
「傾聴飼育」のポイント③:サインの意味を考えて接する

「たとえば破壊行動は、ものを噛んで確かめる行動です。飲み込む危険もあるので片づけるのが基本ですが、『ものを噛みたい』という欲求を満たすことも必要になります。散歩が短くて運動不足、留守番が長くて退屈……といった理由で破壊行動が出る場合もあるので、犬がうれしいと思う遊びなどで飼い主さんが一緒に満たしてあげることが重要です。噛む欲求を満たせるように、噛んでも壊れにくい知育玩具にフードを入れて与えるのもおすすめ」(藤井先生)
いたずらを見つけたときには、危険がない場合に限っては無視をしてみるのも一つの手だそう。犬がかまってもらえないことを理解すれば、『つまらない』と思ってやめることもある、という説明には場内からも納得の声が上がっていました。
「傾聴飼育」で愛犬の心の健康を守ろう

愛犬ともっと通じ合えるようになりたい飼い主さんへのアドバイスとして、動物行動学を学んだ専門家のセミナーに参加したり、本や記事を読んだりすることもおすすめ。その場でサインを読み取るのが難しい場合には、犬の行動を録画してあとで観察する方法も有効とのことです。
場内では一緒に参加した愛犬の様子を見ながら、さっそくサインを読み取ろうと試みる飼い主さんも。コミュニケーションを円滑にとれるようになれば、もっと楽しい生活が待っています。
愛犬との幸せな未来をサポートする「エリエールPet キミおもい」



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写真・文/金子志緒
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