犬は高齢になると、睡眠の質が低下していきます。睡眠は、体の疲労を解消して日中元気に活動できるようにするためにとても大切なので、できるだけ快適な眠りを提供してあげたいものです。
そこで今回は、シニア犬の睡眠の質を向上させるために飼い主さんができることを、獣医師の佐々木彩子先生に伺いました。
愛犬は大丈夫? 睡眠の質をチェックしてみよう
まずは、愛犬の睡眠の質をチェックしてみましょう。
□20時間以上寝ている
□一度起きるとしばらく寝つけない
□昼寝が長く、夜は寝つきが悪い
□頻繁に寝返りをする
□少しの物音ですぐ起きる
□夜鳴きをする
□飼い主さんが夜更かしぎみ
ひとつでも当てはまったら対策が必要かもしれません。次からご紹介する「快眠のコツ」を実践してみてはいかがでしょうか。
快眠のコツ1:なるべく暗くする
夜間に照明をつけたまま眠ると、体内時計に影響して寝るべき時間に寝ることが難しくなります。夜間は照明を落とし、なるべく暗くて静かな環境を用意してあげましょう。ただ、愛犬が暗すぎると不安を覚えるタイプの場合は、常夜灯をつけてもOKです。
快眠のコツ2:寝床を複数用意する
シニア犬になると体温調節が難しくなり、暑さや寒さを感じて途中で起きてしまうことがあります。部屋のあちこちに犬用ベッドを置いておくと、暑いときや寒いときに愛犬が自分で好きな場所に移動して眠れるのでおすすめです。
快眠のコツ3:「寝る前おやつ」を与える
晩ゴハンから眠るまでの時間が長いなど、眠るときに空腹の状態だと血糖値が低下し、睡眠に必要なホルモンを脳に送れなくなることがあります。愛犬が空腹で寝つけないのかもと感じたら、イモなどの炭水化物系のおやつを、ほんのひと口与えてみるといいでしょう。
快眠のコツ4:日中に体を動かす
体の血液を循環させて足から熱を放散させると、交感神経系の活動が低下し、熟睡しやすくなるといわれています。日中に散歩や遊びで足をしっかりと動かしたり、寝る前に肩や股関節をストレッチして大きく動かしたりするといいでしょう。
快眠のコツ5:朝の光を浴びる
朝日光を浴びると、脳内でセロトニンと呼ばれるホルモンが分泌され、これが夜になるとメラトニンと呼ばれる睡眠ホルモンに変化します。メラトニンには自然な眠りを誘う作用があるといわれているため、朝しっかりと日光を浴びることが大切です。
シニア犬が日々健康に過ごすためには、良質な睡眠が不可欠です。ご紹介した快眠のコツを参考に、毎日の睡眠状況を見直してみてくださいね。
お話を伺った先生/佐々木彩子先生(「キュティア老犬クリニック」獣医師 獣医中医師1級・獣医推拿整体師 日本獣医中医師協会所属)
参考/「いぬのきもち」2025年5月号『質の高い眠りで長生きを目指そう! シニア犬の睡眠のためにできること』
文/東里奈
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。