愛犬の体のニオイが気になることはありませんか?犬は毎日、ニオイのもとになるものを体から出したり、体につけたりしています。今回は犬の不快なニオイの原因をはじめ、においやすい体の部位や犬種について、トリマーの二村陽子先生に教えていただきました。
ニオイのもとって何?
汗を出す汗腺には2種類あります。
まず、体温調節の役割をする汗を出す「エクリン腺」は、足裏と鼻先にしかありません。一方で、ニオイのもととなる分泌物(汗や脂)を出す「アポクリン腺」は、犬の場合は全身にあります。このため、分泌物自体やそれが酸化することで、いわゆる“犬臭”が全身から出やすくなるのです。
また、皮膚に繁殖した雑菌、被毛についたホコリなどの汚れや排泄物、そのほかの分泌物などが適切に落とせていないと、さまざまなニオイが混ざって嫌なニオイを発します。
においやすい体の部位
犬の体の中でニオイが出やすいのは、湿度が高い部位、汚れがつきやすい部位、風通しが悪く蒸れやすい部位。たとえば目・口・耳などの顔まわり、足のつけ根、しっぽなどが挙げられます。これらの部位は雑菌が繁殖してにおいやすいので、丁寧なケアが必要です。
においやすい犬の特徴
においやすい犬は、ダブルコートの犬や皮脂が多い犬種です。ダブルコートの犬は毛が密集しているうえに抜け毛もあるので、被毛の間が蒸れてニオイが出ます。遺伝的に皮脂の分泌が多い犬種は、皮脂に雑菌が繁殖しやすくにおいやすい傾向があります。
ダブルコートの犬種の例
柴、ミニチュア・ダックスフンド、ポメラニアン、ウェルシュ・コーギー・ペンブローク、ゴールデン・レトリーバー など
皮脂が多い犬種の例
シー・ズー、アメリカン・コッカー・スパニエル、パグ など
ニオイは病気のサインのことも
急に強いニオイがする、いつもとは違うニオイがする、以下のような症状が出ている場合には、皮膚病などの病気にかかっているおそれがあります。ケアで改善する前に、動物病院で診てもらいましょう。
【注意すべき症状】
・皮膚が赤い、ただれている
・かゆがるしぐさをする
・皮膚がベタついている
・フケが大量に出る など
犬の体臭の原因はさまざま。ニオイの変化によって病気がわかる場合もあるので、こまめに愛犬の体をチェックしてあげてくださいね。
お話を伺った先生/二村陽子先生(トリマー トリミングサロンHONDEHOK運営)
参考/「いぬのきもち」2024年6月号『梅雨どきこそ! 愛犬のニオイをおさえるケア』
文/柏田ゆき
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。