せっかく愛犬のシャンプーをしても、すぐに嫌なニオイが戻ってくると感じたことはありませんか? そうした“ニオイ戻り”は、正しく洗えていないのが原因かもしれません。
そこで今回はトリマーの二村陽子先生に、“ニオイ戻り”を防ぐ、犬のシャンプー&ドライのポイントを教えていただきました。
まずは犬のニオイの基本を知ろう
犬の全身には、ニオイの元となる分泌物を出すアポクリン腺があり、分泌物自体やそれが酸化することで、いわゆる“犬臭”が出やすくなります。また、皮膚に繁殖した雑菌、被毛についたホコリや排泄物、耳アカ・涙・ヨダレなどの分泌物が適切に落とせていないことも、不快なニオイの原因に。
愛犬のニオイケアを怠ると、ニオイがどんどん体にたまってより不快な悪臭を放つようになるほか、間違ったケアをしているとシャンプー後でも愛犬の体臭が気になる“ニオイ戻り”を引き起こすので注意が必要です。
ではさっそく、“ニオイ戻り”しない犬のシャンプー&ドライのやり方を見ていきましょう。
(1)“シャンプー水”で予洗いを
参考・写真/「いぬのきもち」2024年6月号『梅雨どきこそ! 愛犬のニオイをおさえるケア』
予洗いとは、シャンプーをする前に体を濡らして軽く洗うこと。汚れを浮き上がらせ、その後のシャンプー(本洗い)の効果を最大限に引き起こすための工程です。被毛におおわれた犬はお湯だけでは皮膚の汚れが浮いてこないので、シャンプー剤で泡風呂のようにしたお湯(=シャンプー水)につけましょう。
シャンプー水は、1回分のシャンプー剤を犬用のバスタブに入れ、シャワーで勢いよくお湯を出して作ります。愛犬をバスタブに入れたら、シャンプー水をかけて被毛や皮膚を濡らし、洗浄成分を全身に行き渡らせましょう。
(2)本洗いは高密度&たっぷりの泡で
参考・写真/「いぬのきもち」2024年6月号『梅雨どきこそ! 愛犬のニオイをおさえるケア』
予洗い後に体全体をすすいだら本洗いに移ります。
“立つ”ほどきめ細かい泡をたっぷりと体にのせて、指の腹でなでたり、泡を体に押し当てたりしてやさしく洗いましょう。そうすることで、地肌を傷つけずに汚れを浮かせて落とせます。
(3)においやすい部位はとくに丁寧に
参考・写真/「いぬのきもち」2024年6月号『梅雨どきこそ! 愛犬のニオイをおさえるケア』
体全体に泡をつけて洗うと細かい部位まで洗った気になりますが、泡を表面につけただけでは汚れは落ちません。顔まわりや耳、足のつけ根、しっぽなどの部位は、泡をつけて指を細かく動かしたり、被毛をつまんだりして丁寧に洗いましょう。
(4)すすいだあとに念押しのもう1回!
参考・写真/「いぬのきもち」2024年6月号『梅雨どきこそ! 愛犬のニオイをおさえるケア』
シャンプー剤や汚れが残ったままだと乾きにくく、雑菌が増えて不快なニオイを発することが。それが“ニオイ戻り”の一因になっていることも少なくありません。
飼い主さんが「すすげた!」と思ってから、さらにもう1回全身をすすぐくらいがベストです。
(5)ドライはブラシで毛をバラして
参考・写真/「いぬのきもち」2024年6月号『梅雨どきこそ! 愛犬のニオイをおさえるケア』
生乾きのまま時間が経つとニオイが出やすいので、しっかりタオルドライをしたらすぐに乾かして。
ブラシやコームでとかす→ドライヤーの手順を繰り返すと、内側の水分が出てドライヤーの風の通り道ができるので、根元まで早く乾きます。顔まわりなど大きなブラシが通しにくい部位は、ノミ取り用など目の細かいコームを使うと◎
ポイントは「たっぷりの泡で、汚れを浮かせて洗う」こと。月に1〜2度の頻度で、丁寧に洗ってあげましょう。
お話を伺った先生/二村陽子先生(トリマー トリミングサロンHONDEHOK運営)
参考・写真/「いぬのきもち」2024年6月号『梅雨どきこそ! 愛犬のニオイをおさえるケア』
文/柏田ゆき
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。