犬のしぐさには、そのときの気持ちがあらわれています。しかし、同じしぐさでもそのときの状況によって気持ちはさまざま。実は”意外な気持ち”が隠れていることもあるのです。
そこで今回は、犬がよくするしぐさを3つピックアップし、そのしぐさに隠された“意外な気持ち”について、しつけスクール代表の西川文二先生に教えていただきました。
自分からフセをするときの“意外な気持ち”
犬が自らおなかを床や地面につけるのは、たいてい「休みたい」というきもちから。後ろ足の右か左のどちらかを開いていて表情も穏やかです。散歩や食事のあとに「ちょっとひと息つこう」というきもちのときも見られるしぐさです。
意外な気持ち①「降参!」「取りつくろいたい」
飼い主さんが叱ったあとに自らフセをした場合、「降参です!」とその場を取りつくろうとする気持ちのことがあります。とくに反省しているわけではなく、なんとなく相手の怒りを鎮めようとしています。
意外な気持ち②「攻撃しません」「落ち着こう」
ほかの犬と出会ったときや、遊びの途中でフセをするのは、「攻撃しません」「落ち着こう」という気持ちがあります。フセのポーズより、立っているポーズのほうが攻撃しやすいので、あえてフセをすることで、「撃するつもりがない」と伝えているのです。
意外な気持ち③「待ち伏せします」
同じフセでも、後ろ足が地面についていたり、頭を低くして前傾姿勢になっていたりしたら、「攻撃準備」の気持ちです。相手を攻めるタイミングを見計らっているのでしょう。興奮度が上がると、歯をむいてうなることも。
あくびをするときの“意外な気持ち”
あくびをするのはたいてい「眠たい」から。眠くなるのは脳の働きが鈍くなってきたためで、あくびで大きく息を吸いこみ、脳へ酸素を送り、脳を活性化しようとしているのです。
意外な気持ち①「攻撃しないよ」
ほかの犬に対してあくびをするのは、「攻撃しない」という気持ちのことがあります。通常、緊張しているときは口を閉じるものなので、口を開けることで「こちらに集中しないで」と伝えているのです。
意外な気持ち②「退屈だな」「飽きた」
トレーニング中にあくびをするのは、トレーニングが退屈だったり、飽きたりしているのかもしれません。本当はトレーニングをしたくないのに、しなければいけないというストレスで脳の働きが鈍くなり、あくびをして脳を活性化しようとしているのです。
飼い主さんを見つめるときの“意外な気持ち”
好きなものを見るのはごく自然な行為。飼い主さんを見つめるのは、犬にとって気になる、信頼を寄せる人に対して「好きだよ!」というきもちです。ちなみにアイコンタクトを学んだ犬は、飼い主さんのことを気にかけて見つめてくることも。
意外なし気持ち①「幸せ!」
飼い主さんを見つめたあとに“いいこと”が起こると、見ること自体が「幸せ!」という気持ちに。人も犬も愛情をもって見つめ合うと、幸福ホルモンが分泌して幸せな気分になるのです。
意外な気持ち②「おやつがもらえるかも!?」
飼い主さんを見つめたあとにおやつをもらえたことがあると、「おやつがもらえるかも」という気持ちから、飼い主さんのことを見つめることも。
意外な気持ち③「苦手なことをするのかな?」
犬は「自分の身に嫌なことが起こるのでは?」と感じたとき、飼い主さんを見ることがあります。たとえば、飼い主さんが「ブラッシングする?」と声をかけられたときや、爪切りを用意する音がしたときなど。飼い主さんの次の行動を警戒しているのです。
犬の意外な気持ちをご紹介しました。愛犬がどんな気持ちで行動しているのか考えて行動できれば、今よりもっと絆が深まりそうですね。
お話を伺った先生/西川文二先生(しつけスクール「Can!Do!Pet Dog School」代表)
参考/「いぬのきもち」2018年2月号『しっぽを振るのは“うれしい”ときだけじゃない!?よくある愛犬のしぐさ じつは意外なきもちだった!』
文/山村晴美
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。
※内容をわかりやすくするために、部分的に擬人化した表現を用いています。ご了承ください。