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犬を「咬む」虫に注意! マダニやムカデの危険性を解説

犬を飼育するうえで、散歩は欠かせないお世話の1つです。人や犬がお出かけや旅行などで外に出る機会が増えるレジャーシーズンにきをつけたいのが犬に害をなす虫たちです。虫の多くは暖かい時期に活動するため、屋外で活動をする際は、とくに注意する必要があります。

そこで今回は、犬を「咬む」おそれがある危険な虫について、獣医師の野矢雅彦先生に伺いました。

一年中注意!「マダニ」

公園を散歩するラブラドール
Strelciuc Dumitru/gettyimages
マダニはダニの仲間で、大きさは約3mmです。
マダニはさまざまな病原体を媒介していることで知られており、犬がマダニに吸血されると、マダニがもっているバベシア症やライム病、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)などの病気に感染するおそれがあります。その中でも、SFTSは犬のオシッコや唾液などを通して人にも感染し、最悪の場合死に至ることも。

マダニは、公園や河川敷の草むら、街路樹下の雑草など、身近な場所に潜んでいて、動物の体温や振動などを察知して乗り移ってきます。マダニの成虫は一年中活動をしているため、たとえ冬でも油断は禁物です。

一番のマダニ対策は、動物病院で処方してもらえるダニの予防薬を定期的に使用することです。ほかにも、散歩から帰ったら室内に入る前にコームで愛犬の被毛をとかしてマダニを落とす、散歩時は露出の少ない服装をするといった対策を併用するといいでしょう。
万が一マダニに吸血された場合は、無理に取ろうとせず、必ず動物病院で処置をしてもらってください。

湿気がある場所に潜む「ムカデ」

散歩する犬
MASAHIKO NARAGAKI/gettyimages
ムカデは大きさが80~150mmと大きめで、4~10月頃活発に動き回ります。
ムカデは、自分の身を守るために毒ヅメで相手をかむことがあり、犬の場合は気付かずに踏んでしまって肉球をかまれたり、鼻先を近づけて顔をかまれたりすることが多いようです。
かまれると痛みが出たり、かまれた場所が赤く腫れたりします。

ムカデは、湿気があって暗く狭いところを好むため、主に植木鉢、石、落ち葉などの下に生息しています。散歩中は、愛犬がそういった場所に顔を入れることがないよう、気を付けてあげましょう。

皮膚をかみちぎってくる「アブ・ブヨ(ブユ)」

朝の散歩をする犬
alexei_tm/gettyimages
アブやブヨ(ブユ)はハエの仲間で、アブは7~30mm、ブヨは2~4mm程度の大きさをしており、成虫が活動するのは6~9月頃です。
アブもブヨも、産卵時の栄養補給のためにメスのみが吸血を行います。顎を使って皮膚をかみちぎり、流れてきた血を吸いとるため、アブやブヨにかまれると痛みがあり、かまれた場所が腫れあがることもあるようです。

アブやブヨは、水辺や自然豊かな場所に生息しています。朝方や夕方によく活動し、栄養補給のために積極的にかみにくるので、水辺などに出かける際は、犬用の虫よけグッズを活用するといいでしょう。
ご紹介した虫に噛まれると、痛みや腫れを引き起こすだけでなく、虫が媒介する病気に感染するおそれもあります。散歩などで屋外に出る際は、あらかじめできる限りの虫対策を行っておくと安心ですね。
お話を伺った先生/野矢雅彦先生(ノヤ動物病院院長)
参考/「いぬのきもち」2024年7月号『愛犬を身近な虫の害から守ろう 徹底攻略!犬を咬む虫・刺す虫』
文/東里奈
※記事と写真に関連性がない場合もあります。
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