「生のイカ」は、犬に与えてはいけない食べ物のひとつです。ではなぜ、犬に生のイカを与えてはいけないのでしょうか――。今回は、犬が生のイカを食べてはいけない理由や、万が一のときの対処法についてご紹介します。
犬が「生のイカ」を食べてはいけない3つの理由とは
①「ビタミンB1欠乏症」を引き起こす
生のイカに含まれている「チアミナーゼ」という成分は、ビタミンB1を破壊する働きがあります。そのため、犬が生のイカを食べてしまうと「ビタミンB1欠乏症」を引き起こし、ふらつきや歩行障害などの症状が現れることがあるので大変危険です。
②「消化不良」を引き起こす
イカ自体がそもそも消化に時間のかかる食材なので、犬の胃腸にかなりの負担をかけてしまうおそれがあります。犬によっては消化不良が原因で、下痢や嘔吐を引き起こすケースがあるので注意しましょう。
③「中毒症状」を引き起こす
イカには、サバやアジなどの魚介類に寄生する「アニサキス」という寄生虫が、内臓を中心に潜んでいる可能性が考えられます。このアニサキスが生きたまま犬のお腹の中に入ると、中毒症状を引き起こし、激しい腹痛などの症状が見られる場合もあるので注意が必要です。
「生のイカ」を食べてしまったときの対処法
万が一、犬が生のイカを食べてしまった場合、ごく少量であればチアミナーゼによる影響を“極端に”心配することはないでしょう。まずは慌てず、しっかりと愛犬の様子を観察することが大切です。
ただし、犬が生のイカを食べた後に、ふらつきや歩行障害、嘔吐などの症状が見られたら、一刻も早く動物病院に連れて行ってください。その際、愛犬の吐しゃ物や便を捨てずに持って行くと、治療に役立つことがあるので、なるべく持参するようにしましょう。
加熱したイカも要注意! スルメは絶対与えないで
生のイカに含まれるチアミナーゼは、加熱によって失活するといわれています。そのため、しっかりと加熱して内臓を取り除いたイカは、リスクのある食材ではありますが、“絶対に食べてはいけない”というわけではありません。
ただし、イカを原材料とした「スルメ」は多くの塩分が含まれ、さらに大きい状態のまま飲み込んでしまうと、胃腸で詰まってしまうおそれがあります。そのため、たとえ加熱したとしても、犬には与えないでください。
生のイカは、犬にとって危険な食材だということがわかりました。犬の健康を考えるなら、加熱したイカを与えることも“ベスト”とはいえないでしょう。大切な愛犬には、犬用の食べ物を与えることがいちばんですよ!
参考/「いぬのきもち」WEB MAGAZINE『獣医師監修|犬にイカはNG?スルメもダメ?その理由や万が一の対処法』(監修:いぬのきもち相談室獣医師)
文/ハセベサチコ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。