いぬのきもち相談室の獣医師にペットロスについて取材を行なったところ、ペットロスは「なる」「ならない」ではなく、愛犬との別れからペットロスになるのは「自然なこと」で、責任感のある優しい人が重くなりやすいこと、重症化させないことが大切であるという言葉が返ってきました。
今回は、ペットロスが重症化する可能性のある人の6つの傾向を、獣医師が解説します。
1. 自分のことよりペット優先の生活をしてきた人
共感力が高く感情豊かでペットの気持ちに寄り添える優しい人は、ペットがいなくなった後に、慣れない自分優先の生活に移行する中で寂しさや悲しみを感じることが多いです。
2. ひとり暮らしと1匹の愛犬で生活していた人
ひとり暮らしの飼い主とペット、1対1での関係は、愛犬の姿形がなくなる、声が聞こえなくなることで「独りになった」という非常に重たい現実がのしかかってきます。
3. 予期せぬ突然の別れをした人
これは、東日本大震災で多くの被災者が経験したペットロスです。思いもよらぬ災害でペットの生死も分からないままの別れは非常に辛いことです。他にも事故など予測不能の出来事での別れはより精神的な負担がかかります。
4. 最期の瞬間に立ち会えなかった人
できれば自分の腕の中でペットに息を引き取ってもらいたいなど、希望があるかもしれませんが、多くの場合は病院で亡くなったり、自宅でも外出中や目を離したすきに既に亡くなっていることもあります。「息を引き取る瞬間にそばにいたい」「看取りたい」という根強い文化と固定観念から苦しむ人がいるのも事実です。
5. ペットの死後、サポートしてくれる人が周りにいない人
愛犬の死後、お散歩がなくなったり、フードやグッズを買うことがなくなるなど、社会から切り離されたような孤独を感じることもあります。家族や友人など、気持ちを分かち合える人たちがいると、その後の経過が早くよい方向へ向かう傾向があります。
6. 責任感が強い人
ペットとの生活は出会いから別れまで、全てを飼い主さんのところで完結します。これは人間の子育てのように、育てて社会に送り出すことと異なり、ペットについては飼い主さんが全責任を背負う環境となります。フード、飼い方、病院、治療などの選択が正しかったのかを、ペットが亡くなった後に思い起こして1つ1つに責任を強く感じてしまうことがあります。
ペットロスは自然なことで、責任感のある優しい人が、重いペットロスになりやすい傾向がみられます。
いかがでしたか?
今回は、動物の命の現場で、飼い主さんと動物に向き合ってきた獣医師の解説をご紹介しました。実際に、愛犬と飼い主との関係はそれぞれであり、当てはまらないこともあると思いますが、この記事をきっかけに考えてみるきっかけとなれば幸いです。
監修:いぬのきもち獣医師相談室
文/maki
※写真は「いぬのきもちアプリ」で投稿いただいたものです
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください