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【獣医師監修】小型犬は外飼いしても大丈夫?必要な環境や注意点

現在は犬の室内飼いが推奨されていますが、外飼いを検討している飼い主さんもいますよね。そこで今回は小型犬に焦点を当て、小型犬の定義や外飼いの可否、外飼いに必要な住環境やしつけ、病気・ストレスの予防法や注意点などについて、詳しく解説します。

目次

小型犬とはどんな犬を指すの?

小型犬は外飼いして大丈夫? 外飼いに向いている犬種・向いていない犬種とは

外飼いをする際の注意点! 必要な飼育環境やしつけについて

病気やストレスの予防に! 暑さ・寒さ・寄生虫の対策方法

小型犬は基本室内飼い! どうしても外飼いする場合は細心の注意をはらって!

小型犬とはどんな犬を指すの?

室内にいるポメラニアン
いぬのきもち投稿写真ギャラリー
小型犬が外飼いできるかどうかの前に、まずはどんな犬が小型犬と呼ばれるのかを見ていきましょう。

小型犬の定義

体の大きさで小型犬・中型犬・大型犬と分類される犬ですが、実は犬種ごとの容姿やサイズの基準はあるものの、体の大きさによる正式な分類基準は設けられていないそう。ただ、一般的には成犬の体重が10kg未満なのは「小型犬」、25kg未満は「中型犬」、25kg以上は「大型犬」と定義されることが多いようです。

とはいえ、体の大きさ的には中型犬の扱いになる柴犬が、日本犬標準を定める「日本犬保存協会」では小型犬に分類されるなど、体の大きさだけでは判断しづらいのが実情です。

小型犬に分類される犬種

では一般的に、どんな犬種が小型犬に分類されるのでしょうか?小型犬に分類される主な犬種と、それぞれの平均体重・体高は以下の通りです。






















































犬種平均体重体高
チワワ500g~3kg18cm前後
トイ・プードル3kg前後23~28cm
ヨークシャー・テリア3.1kg以下23cm前後
ポメラニアン1.8~2.3kg18~22cm
フレンチ・ブルドッグ8~14kg30cm前後
ミニチュア・ダックスフンド5kg以下30~35cm以下(※胸囲)
ジャック・ラッセル・テリア5~6kg25~30cm
ウェルシュ・コーギー・ペンブローク9~12kg25~30cm
ミニチュア・ピンシャー4~6kg25~30cm
ノーフォーク・テリア5~6kg以下25~26cm
マルチーズ3.2kg以下22~25cm
シー・ズー4.5~8.1kg26.7cm以下
ビション・フリーゼ6kg前後30cm以下
3kg前後25cm前後
ミニチュア・シュナウザー4~8kg30~35cm
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル5.4~8kg30cm前後

表の通り、体の大きさにはかなりのバラつきがあり、中には中型犬に相当する大きさまで成長する個体もいます。そのため、小型犬かどうかの分類は、そこまで気にする必要はないでしょう。ただし、ドッグランなどは体の大きさで利用区画が分かれることも多いため、そういった施設を利用する場合は、あらかじめ確認することをおすすめします。

いぬのきもち WEB MAGAZINE「犬の大きさの基準とは?小型犬・中型犬・大型犬の体重目安」

いぬのきもち WEB MAGAZINE「犬図鑑|小型犬」

小型犬は外飼いして大丈夫? 外飼いに向いている犬種・向いていない犬種とは

2匹のチワワ
いぬのきもち投稿写真ギャラリー
小型犬の定義が分かったところで、本題である外飼いができるかどうかについて解説していきます。

小型犬は外飼いしても大丈夫なのか?

結論からいうと、小型犬を外飼いするのはおすすめできません。
一般的に、犬は体が大きいほど寒さに強く、小さいほど弱いといわれています。そのため、体が小さい小型犬は、外の寒さや雨風の冷たさに適応できず、低体温症を引き起こす危険性があります。

また、小型犬は寒さだけでなく、暑さにも弱い犬種がほとんどです。何の対策もしないと熱中症になるリスクが高くなり、最悪死ぬ恐れもあります。やむにやまれぬ事情がない限りは、小型犬の外飼いは避けるようにしてください。

小型犬以外に外飼いに向いていない犬種

小型犬以外の犬種でも、シングルコート、短頭種、短毛種の犬種は外飼いには向いていないといえるでしょう。

その他、日本犬より飼い主への依存心が高い傾向にある洋犬は、飼い主さんから引き離すと、寂しさから体調やメンタルを崩す恐れがあります。そういった犬種は、寒さや暑さに強い犬種であっても、室内飼いすることをおすすめします。

外飼いに向いている犬種

一方で、以下のように外飼いに向いていると考えられる犬種も存在します。

  • ダブルコート(二重被毛)の犬種…コーギー、ゴールデンレトリーバーなど

  • 自立心が強い犬種…柴犬、秋田犬、甲斐犬などの日本犬

  • 寒い地域原産の犬種…シベリアンハスキーなど


犬を外飼いしたい方は、外飼い向きの犬種を選ぶのがおすすめです。ただし、個体によっては外飼いを嫌がる場合もあり、朝夜の気温差が極端に激しい地域は、そもそも外飼いに向かない場合もあります。その場合は、愛犬の体調やメンタルをチェックした上で、外飼いか室内飼いかを決めると良いかもしれませんね。

いぬのきもち WEB MAGAZINE「【専門家が解説】家の外で犬を飼うとき気を付けたいこととは」

外飼いをする際の注意点! 必要な飼育環境やしつけについて

おすまししているトイ・プードル
いぬのきもち投稿写真ギャラリー
実際に外飼いする場合に必要な、飼育環境やしつけの注意点についてご紹介します。

犬舎は気候の変化にさらされない場所に設置する

暑さや寒さ、雨風や雪など、外飼いの犬はあらゆる気候や気象の変化にさらされます。詳しくは後述しますが、夏は直射日光が当たらない場所、冬は北風が当たらない場所など、季節や気象の変化に合わせて、犬舎は愛犬が快適に過ごせる場所に設置しましょう。

愛犬がリラックスできる広さの犬舎やスペースを設ける

例えば、アメリカの農務省がガイドラインでは、犬舎は「(体長+15cm)×(体長+15cm)×(頭の高さ+15cm)」の広さが最低限必要としています。ただし、あまりに広いスペースを設けると、愛犬が気を張ってリラックスできなくなるので、サークルで適度な広さにスペースを囲うことをおすすめします。

愛犬が逃げないように鎖(リード)を装着する

愛犬が外に逃げ出さないように、鎖(リード)をサークルや犬舎に装着しましょう。あまり長すぎると、絡まって事故が起きる危険性もあるので、サークル内や犬舎周辺を無理なく動ける長さを目安にしてください。

トイレトレーニングなどのしつけも忘れずに!

家の敷地とはいえ自由にトイレをさせるのは、衛生的にもしつけ的にも良くありません。サークルなどで囲ったトイレスペースを設け、排泄の時は必ずそこに連れて行ってトイレの場所を覚えさせましょう。排泄物はしっかり処理し、近隣へニオイが届かないよう配慮してくださいね。

病気やストレスの予防に! 暑さ・寒さ・寄生虫の対策方法

眠そうなシー・ズー
いぬのきもち投稿写真ギャラリー
人よりも体温コントロールが苦手な犬は、暑さや寒さでストレスを受けたり、病気を引き起こしたりする恐れがあります。愛犬の体調のためにも、暑さや寒さ、虫対策はしっかり行いましょう。

夏の暑さ・熱中症対策

真夏はもちろんですが、人が快適に思う気温でも、暑さや湿気に弱い犬にとっては熱中症を引き起こす恐れも。熱中症になると臓器に深刻なダメージを受け、命を落とす危険性も高くなります。愛犬を熱中症にしないためにも、犬舎付近に暑さ対策をしましょう。

  • 水飲み場を複数用意し、こまめに新鮮な水に交換する

  • 日陰の風通しの良い場所に犬舎を設置する

  • 犬舎は直接地面につかないようにして熱を遮断する

  • 犬舎周辺にこまめに打ち水する

  • 扇風機やクーラーを設置する

冬の寒さ・低体温症対策

体温が下がると免疫力が落ちて、ウイルスや細菌に感染しやすくなります。そのため、冬は夏とは逆に、犬舎の中の温度や愛犬の体温を逃さない対策が必要となります。

  • 北風が当たらない日当たりの良い場所に犬舎を設置する

  • 段ボールや発泡スチロールで犬舎を囲って保温する

  • 犬舎の中に毛布などを敷いて底冷えを防ぐ

  • 犬舎専用の暖房器具を設置する


暖房器具の形状によっては、コードによる感電や低温やけどを起こす危険性があります。暖房器具を使用する場合は、飼い主さんの監督下で使用するようにしてください。

感染症予防のための虫・寄生虫対策

気温が上がる春にかけて、虫や寄生虫が大繁殖します。特に蚊やノミ、マダニなどの動物の体に寄生して血を吸う虫は、吸血の際に病原体を媒介する可能性が高く、死に至る感染症を引き起こしかねません。他にもハチやムカデなど、刺されるとアレルギー性ショック症状を引き起こす虫が、外にはたくさん潜んでいます。以下のような防虫対策をしっかり行いましょう。

  • 蚊取り線香など、ペット用の虫よけを設置する

  • 飲み薬や塗り薬などの虫・寄生虫駆除剤を投与する

  • 愛犬の体にペット用忌避剤をスプレーする

  • 感染症予防のワクチンを接種する

小型犬は基本室内飼い! どうしても外飼いする場合は細心の注意をはらって!

キャリーに乗るミニチュア・ダックスフンド
いぬのきもち投稿写真ギャラリー
前述したように、寒さや暑さに弱い小型犬は外飼いに向かないため、室内飼いが基本です。住宅事情などで、どうしても外で愛犬を飼う必要がある場合は、暑さ寒さ対策を万全にする、必要な飼育スペースを設けるなど、適切な環境をしっかり準備することが必要不可欠となります。

これから犬を飼おうと思っている方や外飼いを検討している方は、ぜひ今回ご紹介した内容を参考に、愛犬がのびのび暮らせる飼育環境を整えてあげてくださいね!
参考/「いぬのきもち」2015年12月号『寒い季節に必要なことが○×でわかる!愛犬ぬくぬく冬支度』(監修:ノヤ動物病院院長 野矢雅彦先生)
   「いぬのきもち」2016年5月号『お出かけが多くなる季節だから予防は万全に!初夏のキケンな虫・寄生虫に注意して!』(監修:サエキペテリナリィサイエンス代表 佐伯英治先生)
   「いぬのきもち」2016年7月号『少しの油断が命とりになるから知っておいて 本当に怖い熱中症の真実』(監修:東京動物医療センター副院長 南直秀先生)
   「いぬのきもち」WEB MAGAZINE『【専門家が解説】家の外で犬を飼うとき気を付けたいこととは』(監修:いぬのきもち相談室獣医師)
   「いぬのきもち」WEB MAGAZINE『犬の大きさの基準とは?小型犬・中型犬・大型犬の体重目安』(監修:いぬのきもち相談室獣医師)
   「いぬのきもち」WEB MAGAZINE『犬図鑑|小型犬』
監修/いぬのきもち相談室獣医師
文/pigeon
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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