犬と暮らす
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いざというときのために覚えておきたい 犬が「亡くなる前に見せる変化」
今回は、犬が亡くなる前に見せるさまざまな変化について、いぬのきもち獣医師相談室の先生が解説。死の予兆を事前に知っておくことで、飼い主さんが落ち着いて行動するための手助けになると思うので、ぜひ参考にしてみてください。
犬が亡くなる前に見せる変化
「亡くなる原因にもよりますが、犬が亡くなる前にはいくつか変化を見せることがあります。たとえば……
- 食欲が落ちる、もしくは廃絶
- 食欲低下に伴う尿量の低下
- 寝ている時間が多くなる
などの変化が見られることがあるでしょう。また、『死の間際』でいうと……
- 意識レベルの低下(強い刺激には反応するが、反応が少なくなる・もしくは反応しない)
- 呼吸が不規則となる(浅い呼吸、短時間の呼吸停止、深く速い呼吸)
- けいれんのように手足をバタつかせる
- 下痢をする
こうした変化が見られることがあります」
「ただし、これらには亡くなる原因や個体差が関係しています。必ずしもこのような変化に当てはまらないことがありますし、このような予兆がまったく見られずに、あるとき突然亡くなってしまう場合もあります」
日々弱っていく愛犬 飼い主さんができることは?
「愛犬に異変が見られて弱ってきたときに、飼い主さんが自宅でできるケアがあるので、いくつか紹介しますね」
床ずれ防止
「寝たきりの状態だと、床ずれの心配があります。床ずれ防止として、とくに大型犬などは体位をこまめに変えてあげるようにしてください」
水分補給
「亡くなる前の犬は、食事や水分を拒否することがあります。水分がきちんと飲み込めるのならスポイトで水分を与えたり、コットンなどに水を含ませて、歯肉など口をぬぐって軽く湿らせてあげるとよいでしょう」
愛犬の気持ちを落ち着かせてあげる
「愛犬の意識が遠のいて、飼い主さんの声にほとんど反応しない場合でも、ちゃんと耳は聞こえています。いつものように愛犬に優しく触れてあげたり、声をかけてあげることで、愛犬の気持ちを落ち着かせてあげることができます」
「これらのケア方法がそのコに適しているかどうかは、愛犬の状態にもよります。かかりつけの獣医師と相談してみると、飼い主さんも安心して対応できると思います」
愛犬の「看取り」について家族と話し合っておこう
「どんなに愛犬がいま元気だったとしても、動物には寿命があり、いずれ亡くなるときがきます。愛犬が病気で死を覚悟している場合も、まだいまは元気な場合でも、『いざ死に直面したときにどうしてあげたらよいか、どのように看取ってあげたらよいのか』を家族で話し合っておくべきです。
たとえば、最期のときまで動物病院にお任せするのか、家で看取るのかなども、事前に話して決めておきたいですね」
「愛犬の看取り方を決めてあげることができるのは、いつも近くにいる飼い主さんです。ぜひご家族で事前に話し合い、どうしてあげるのがいいかを決めておいてください。
また、多くの飼い主さんは、愛犬の死の間際に起こりうる変化を見る機会が少ないです。そのため、死の間際に起こりうることを少しでも理解しておくと、愛犬が亡くなりそうになったときに落ち着いて対応ができますし、覚悟もできると思います。
愛犬の状態をよく知っている獣医師とも、家でのケア方法はよく話し合っておくとよいでしょう」
愛犬の病気にいち早く気づくために、定期的な健康診断を
「愛犬の病気にいち早く気づくためには、やはり定期的な健康診断を受けることがよいと思います。また、いつもとは違う変化を見逃さないようにして、おかしいと思ったら動物病院を受診することです」
「そうですね。愛犬の日々の変化を見逃さないことも大切ですが、ふだんから愛犬にたくさんの愛情を注いであげて、一緒に生活する日々を大切に過ごしてもらいたいと思います」
文/sorami
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