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犬用ケージの選び方と置き方について 多頭飼いの場合やサークルとの違いも

犬用ケージ(ゲージ)には、たくさんの種類があって迷ってしまいますよね。そこで今回は、しつけインストラクターの戸田先生に、ケージ(ゲージ)とサークルの違いや使用方法、選び方、設置のポイントや多頭飼育の場合の注意点について教えていただきました。

戸田 美由紀 先生

 家庭犬しつけ専門ドッグトレーナー
 「DOG IN TOTAL」代表

 埼玉県全域、近隣都県へ出張して個別レッスンを行う。
 行政主宰の犬のしつけ教室講師や遠方の方には有料電話相談などを行っている。
 「いぬのきもち」ほかメディアでの記事監修・執筆も。

●資格:日本動物病院協会認定家庭犬しつけインストラクター/ジャパンケネルクラブ公認訓練士/日本警察犬協会公認訓練士/さいたま市動物愛護推進委員

●書籍:『ほめてイイコに!犬のしつけ&ハッピートレーニング』西東社 監修/『新版 子犬の育て方完璧宣言!』誠文堂新光社 共著

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ケージ(ゲージ)とは?サークルとの違いは?

笑顔のMIXのマロくん
いぬのきもち投稿写真ギャラリー
犬の飼育に必要なグッズのひとつに、ケージ(ゲージ)やサークルがあります。どちらも犬の住環境にかかわるグッズですが、商品として、両者の定義はあいまいなのが実際のところのようです。
私の経験上ですが、一般的なケージ(ゲージ)とサークルには、以下のような違いがあるといいます。

ケージ(ゲージ)


柵で上下左右を囲われていて、折りたたみできるものを「ケージ(ゲージ)」と呼ぶことが多いようです。おもに一時的な預かりや、移動の際に使用することが多いものだと思っています。

サークル


「サークル」は、室内である程度のスペースを確保するために使う囲み用の柵を指し、一定の場所に設置して使用します。また、屋根がついているものや、屋根をあとからつけ足して設置できる造りのものもあります。
ほかにも、つなげて広げられるものも多くあり、「ジョイントサークル」などといわれることもあるでしょう。なかには、商品名に「ケージ」と表記されているものもあります。

ちなみに……「クレート」とは?



ケージ(ゲージ)やサークルのほかにも、犬の住環境まわりのグッズとして「クレート」や「キャリーケース」という言葉を耳にすることも多いのではないでしょうか。

これらは、おもに公共の場や交通機関での移動の際に、犬を安全に運ぶためのものとしての使用したり、ご自宅での犬の“ハウス”として使用したりするバッグのことで、犬の体をまっすぐにした状態で、ちょうど収まるくらいの大きさをしています。

一般的には、犬が入る部分が丈夫なプラスチック製で、上部と下部のパーツを分解できたり、扉の取り外しができたりするなどの特徴をもった、しっかりした造りのキャリーケースのことを「クレート」と呼びますが、通販サイトなどでは単に「キャリーケース」という名称で販売されていることも多いようです。また、最近では布製で折りたためるタイプの商品もあります。

ケージ(ゲージ)の選び方、サークルやクレートとの使い分け

落ち葉の上を散歩するポメラニアンのにこちゃん
いぬのきもち投稿写真ギャラリー
ケージ(ゲージ)やサークル、クレートは、用途に応じた使い分けをすることで、愛犬の住環境をより安全・快適にすることができます。

犬の“ハウス”にはクレートやキャリーケースがおすすめ

犬の居場所や寝床となる“ハウス”には、クレートやキャリーケースを使用するのがおすすめです。持ち運びできて扱いやすく、犬の視界をある程度遮ってくれるので、安心して中で過ごすことができるでしょう。

ハウスが犬にとって安心して休める場所になると、移動のときや災害時などにも役立つので、「ハウス」の指示でクレートの中に入るトレーニングはとても大切です。また、ケージ(ゲージ)やサークルの中にあらかじめ扉を開けた状態で設置し、犬が自由に出入りできる安心な隠れ家として利用することもできます。

下記の記事ではハウストレーニングの方法についてご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

ケージ(ゲージ)の使い方

冒頭で紹介したような、移動を目的とした上下左右を囲まれた柵のケージ(ゲージ)について、一般的な家庭でいつも設置した状態で使うことは、私はあまりおすすめしていません。これから犬のハウスを作るなら、クレートをつかうことをおすすめします。なぜかというと、上下左右が柵で外が見えてしまうと、落ち着かないことが多いからです。
ただし、現状でケージ(ゲージ)を使っていて、すでに犬が慣れているなら問題ありません。布をかけるなどして周囲を囲ってあげるとより落ち着く環境になると思います。

犬を車に乗せることが多いご家庭の場合は、車にも乗せられるハウスとして利用できます。犬を車に載せない場合は、たたんでしまえば、荷物を置くスペースを簡単に作ることができます。
ただ、ケージ(ゲージ)の場合は、抜け毛が柵のすき間からケージの外に散らかってしまうことが多いので、抜け毛が多い犬種の場合は注意してください。

ハウスとしてのクレートやケージの選び方

大きすぎると落ち着きません。犬が腹ばいになった状態で入り切ること、頭が出ない状態がいいいでしょう。後ろ足で立ち上がれてしまうのは大きすぎます。
また、床がガタガタしていたり、薄くてベこべこしていると、犬が嫌がって入らない場合はありますので、確認してみてください。
また、クレートで、ドアがシャッター状に上に開くタイプの場合、犬の頭にそのドアがあたってガタガタするのを嫌がる犬もいます。

サークルの使い方

サークルは、おもに室内で犬の安全を確保するために、犬の行動範囲を一定の場所に囲うときに使用します。連結や増設が可能な製品であれば、設置した場所を生活のスタイルに合わせて変更したり、遊び場所などある程度広い空間を作る際のフレキシブルな囲いとして使用したりすることも可能です。
ふだんの住環境として使用する際には、サークル内にハウスとなるクレートと、トイレトレーを離して置く「庭付き一戸建て」スタイルがおすすめです。

ケージ(ゲージ)・サークルを設置するときの注意点

自然の中で散歩するゴールデン・レトリーバーのもおかちゃん
いぬのきもち投稿写真ギャラリー
犬の安全を確保するために、ケージ(ゲージ)やサークルを設置するときは、以下のことに気を付けましょう。
  • ハウスを置く場所は、災害時などに転倒リスクのある家具の近くを避けること。上に絵や写真の額などを飾るのも、落下の危険があるので避ける。

  • サークルを拡張する場合は、接続部分に犬が挟まらないように注意すること。接続部分をかじったりしないように、結束バンドの場合は短く切り、金具は苦みスプレーなどをかけておく。

  • トイレとハウスを離して置くこと(トイレとハウスの間に、愛犬がゴロンと横になれるくらいのスペースがあるのが望ましいです)

  • 温度変化少ない場所を選ぶこと。西日が直接あたったり、冷暖房が直接あたるような場所も避けてください。また、床暖房から逃げられるスペースも作るようにしてください。

  • 窓際や玄関先などを外からの刺激が見える位置だと、犬は見張りをするため落ち着きません。そうした場所に設置せざるを得ない場合は見える位置の窓にフィルムを張るなどして工夫してください。


なお、トイレトレーニング用のスペースがあらかじめ区切られている商品もありますが、十分な広さを確保できるか、事前に確認することが大切です。

多頭飼いの場合はケージ(ゲージ)・サークルはどう使う?

同居犬と仲よくお昼寝中のトイ・プードルのルルくん
いぬのきもち投稿写真ギャラリー
多頭飼いをしている場合でも、ケージ(ゲージ)やサークル、クレートはそれぞれの犬に1つずつ設置してあげましょう。一緒にすると犬同士がお互い依存しすぎてしまい、個別に出かけることが難しくなる場合があります。
ケージ(ゲージ)・サークルとハウスは、犬が安心して過ごすために必要な場所です。愛犬に合ったものを選んで、快適な住環境を整えてあげましょう。
参考/「いぬのきもち」特別編集『子犬と仲良くなる育て方 健康・お世話編 2章』
監修/戸田美由紀先生(家庭犬しつけ専門ドッグトレーナー)
文/terasato
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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