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犬の歯石取りにはなぜ全身麻酔が必要なのか? 獣医師が解説
サロンによっては、無麻酔での歯石取りを行っているところもあるようですが、実際のところ安全なのかどうか気になる人もいるのではないでしょうか。
この記事では、なぜ犬の歯石取りには全身麻酔が必要とされているのかについて、いぬのきもち獣医師相談室の先生が解説します。
犬の歯石取りに全身麻酔が必要とされるワケ
「犬の性格や歯の状況、処置をする者の知識と技術と設備に関わります。
歯科処置をする際に、まず犬が静かに動かず口を開けている必要があります。スケーリング(歯石除去)をする場合はスケーラーという歯科用器具が必要になるのですが、その機械音や歯に触れられる感触に驚いて動いてしまったり、不安になってその後の恐怖感が強くなることが予想されます」
「そうですね。歯がぐらついている場合には歯の周囲の顎の骨が溶けていて、歯を抜く力や歯石を削る力が少し加わるだけでも、顎が折れることがあります。
また、歯科のレントゲンの際も、犬に口を開けて止まっていてもらわないと撮影ができません。こうした状況の場合、適切な処置、安全な処置のために麻酔は必要でしょう」
犬に全身麻酔をかけても平気なの?
「一般的に、若くて健康であれば大丈夫でしょう。今までに去勢手術や避妊手術を受けていて問題がなかったら、想像するような怖さではないと思います。もちろん麻酔をかけるので事故のないように慎重に行いますし、何かあれば都度対応します」
「高齢であったり健康状態に不安があるなど、麻酔をかけられない内臓の状態である場合には、もちろん麻酔は無理できません。体が弱かったり持病がある犬が全身麻酔を行うと、合併症や麻酔死などを引き起こす恐れがあるためです。
そのため、麻酔が必要な場合もより安定した状態、よりよい状態にしてから行います」
「そうですね。無麻酔で施術を行ったとしても、犬が暴れて処置しきれなかったり、精神的・肉体的な苦痛を受けるリスクがあります。
犬の歯科専門病院では、場合によっては麻酔を必要としないこともあるようです。これには、犬が静かな性格であることや、歯の状態が軽症であること、簡単な処置であること、処置をする側の技術や知識がそろっていることなどが前提になります。
これらがそろわない場合は安全とは言えませんので、麻酔下での処置が安全です」
犬の歯石が気になったら動物病院を受診しよう
「そうですね。歯垢は3〜5日ほどで歯石に変わります。歯石があると、それが原因でさまざまな病気を発症する可能性があります。歯磨きで落とせないほどの歯石ができてしまう前に、できれば毎日、少なくとも3日に1回は歯磨きをしてあげましょう。
歯磨きは、子犬のころから習慣づけが大切になりますが、なかなか難しいという場合もあるでしょう。もし愛犬の口腔内の状態で気になることがあれば、まずかかりつけ医に相談してくださいね」
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と一部写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/柴田おまめ
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