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しつけのトレーニングはいつまで続ければいいの?|連載・西川文二の「犬ってホントは」vol.65
今回は「しつけのトレーニングはいつまで続ければいいか」について。「しつけは子犬の時期にするもの」と思っている場合は、成犬になる1才くらいで終了してよいのでしょうか? それとも一生続けるもの!? 終了のタイミングや見極め方について、西川先生が解説します(編集部)
さて、では飼い始めからスタートしたそのしつけのトレーニングは、いつまで続ける必要があるのか?
しつけのトレーニングは、それ自体が目的ではありません。目的に至るまでの手段に過ぎません。
目的と手段、それが明確に分かれば、おのずといつまで行うかもわかります。
ということで……
しつけのトレーニングの目的
人間の場合しつけは義務教育を終える頃、すなわち中学卒業の頃、15〜16歳に終えることとなるわけです。
犬のしつけのトレーニングもしかり。
人間のしつけに終わりがあるように、犬のしつけにもある意味終わり、ゴールがあるのです。
マテを教えるのも手段
トレーニングで身につけた行動を日常的に活用できていければ、しつけのトレーニングの目的は達成できているといえます。
ではどのくらいの期間トレーニングを続ければ、その目的が達成できるのか?
もし、飼い始めの時期から「トイレのしつけ」、「できる範囲での社会化」、2回目のワクチン接種後2週間経ってからは「しつけ教室に参加する」といった、理想的なしつけのトレーニングができていければ、その期間は5〜6カ月間程度となります。
生後2カ月齢からスタートすれば、1才を待たずしてひとつのゴールを迎えることができるわけです。
日々使っていることは一生忘れない
例えば義務教育で学んだ四則演算は、日常生活で使うので忘れません。
でも同じように学んだ漢字。読むことはできる、スマホもパソコンも読めれば文字変換できる、でも書く行為は日常生活で行わなくなっているので、いざ自分の手で書こうとするとどんな字だったか思い出せない。
要は日々活用できるレベルまでトレーニングを続けることと、トレーニングで身につけた内容を日々活用することなのです。
おいおい、うちの犬はもう3才だ。どうしたらいいんだ。
そんな声も聞こえてきそうなので、最後にひとつ。
飼い始めから理想の形でしつけができなかった犬は、どうしたらいいかというとこれまた人間と同じ、「学び直しをする」、ということです。
学び直しにいつまでにというのはありません。
孫がいるおばあちゃんが、小学校の内容から学び直しをして、大学院まで進学したなんていう話も実際にあるわけで、10才超えの犬でも学び直しはできますから。
写真/Can! Do! Pet Dog School提供
https://cando4115.com/index.html
西川文二氏 プロフィール
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