犬と暮らす
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飼い主さんが新型コロナウイルスに感染してしまったら…やっておくべきしつけとは|連載・西川文二の「犬ってホントは」vol.66
「もし私が新型コロナウイルスにかかったら、このコの世話はどうしよう……」。犬に限らず、飼い主さんなら誰しも最近考えたかもしれません。実際にそうなったときの対応も知りたいところですが、新型コロナが理由となると、気軽に預けたり、引き受けてもらうことが難しい状況にもなりがちです。だからこそ今回は、そうならないために今すぐにできることを、西川先生が実体験を交えて話します(編集部)
内容は「飼い主さんが新型コロナウイルスで入院とかの話も聞く。コロナに限らず飼い主さんに万が一のときがあったらどうしたらいいの?」というもの。
ハイ、お答えいたしましょう。
まったくもって飼い主が不慮の事故や病気になってしまうというリスクはゼロではありませんからね。
もっとも、そうなったらどうしたらいいかの話ではなく、そうなったときに困らないように、やっておくべきことの話にはなるのですが。
参考例その1:母の犬の場合
私の家には、中型犬と猫がいました。新たに2頭の犬が加わることで、世話などの負担が大きく増えたかというと、そうではありませんでした。
母の犬たちは、クレートの中でおとなしく待機できる、手のかからない犬だったからです。
発見が遅かったこともあり、母には後遺症が残りました。もはや2頭の犬との一人暮らしはできなくなってしまいました。
私は、預かった2頭の犬をその後も面倒をみるつもりだったのですが、2頭をよく知っている知り合いが、年齢の若い方の1頭(とはいってもすでに16才のプードル)を家族として迎え入れたいと申し出てくれました。その知り合いは、母と暮らしていた2頭が手のかからないことをよく知っていたのです。
手がかからないように育てていれば、万が一のときも、その後の面倒を見てくれる人が必ず現れる、そういうことなのです。
参考例その2:知り合いの犬の場合
彼女は3頭のパートナー・ドッグと暮らしていました。
彼女の訃報が知らされると間もなく、3頭の犬たちは私が面倒をみますと手を挙げた知り合いたちに、それぞれが引き取られていきました。
当然といえば当然の話です。
犬たちは、家庭犬しつけインストラクターのパートナー・ドッグたちです。
家庭犬としてのしつけは十分にできていたわけですから。
十分なしつけができているような犬たちは、必ず引き取り手が現れる。
もちろん私の母の犬たちも、突然亡くなってしまった知り合いの犬たちも、引き受けてくれた人たちの元で過ごし、それぞれの寿命を全うしていきました。
(ちなみに、私が引き取った母のマルチーズは、享年21才。知り合いが引き取った母のプードルは享年18才でした)
要はしつけの問題ということ
それは、クレートの待機ができること、噛みつかないこと、飼い主(引き取り手)を困らせるような吠えをしないこと、ブラッシング、足拭きなどのケアをおとなしく受け入れること、です。
もちろん、必要な状況でマテができること、引っ張らないお散歩、他の犬とのすれ違いが上手にできることなどが、できればいうことはありません。
実は、上記の項目はすべて「JAHA家庭犬マナーチャレンジ」のチェック項目に入っているのです。
言い換えれば、JAHA家庭犬マナーチャレンジの各項目をクリアできるようにトレーニングできていれば、飼い主に万が一のことが起きても、犬は不幸にならない。
まぁ、そういうことなのです。
写真/Can! Do! Pet Dog School提供
https://cando4115.com/index.html
西川文二氏 プロフィール
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