1. トップ
  2. 犬と暮らす
  3. 連載
  4. 犬ってホントは
  5. 犬と飼い主の関係、令和の時代は「服従ではなく“共生”」|連載・西川文二の「犬ってホントは」vol.67

犬と暮らす

UP DATE

犬と飼い主の関係、令和の時代は「服従ではなく“共生”」|連載・西川文二の「犬ってホントは」vol.67

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

「いぬのきもちWEB MAGAZINE」が送る連載、家庭犬しつけインストラクター西川文二氏の「犬ってホントは」です。
今回は、「服従」を目的としたしつけのやり方が、いかに危険であるかを考えさせられるお話。今年に入って報じられた、犬にまつわる悲しいニュースから、西川先生が改めて飼い主さんや、犬に接するすべての人たちに、「服従ではなく、共生」の大切さを解説します(編集部)


1月の半ばから後半にかけて、嫌なニュースが続きました。
嫌なニュースというか、いまだそんな飼い主や犬のプロたちがいるのか、という驚きと落胆を禁じ得ないニュースです。
当コラムを常日頃をご覧の方なら、はは〜ん、あのニュースのことだなとお気づきかと思います。
順に話せば、まずは飼い主が柴犬を角材で叩いていたという虐待のニュース。
もうひとつは、ペットサロンで溺死させられたシェパードの話。
どちらも、加害者?側は、「しつけの一環」的な言い訳をしている。
いつの時代の話かって、口を出さずにはおられませんので、声を大にして口を出させていただきます。

昭和の時代は許されていても、令和の今は虐待

昭和の子の私は、げんこつで殴られたこともありましたね、教師に。
コツンじゃありませんよ。ゴン!とです。
これ、昭和の時代は問題に大してなりませんでしたけど、令和の今やったら、理由はどうあれ大問題です。
先の柴犬を角材で殴っていたっていう話も同じ。
犬は服従させるのが当たり前。そんな昭和の時代ならいざ知らず、理由はどうあれ角材で犬を殴ったら、令和の今は虐待です。
ちなみに飼い主の年齢は70代だそうで、学生運動でもやってたんですかね。なにせ角材なるものを、ニュースや記事で耳や目にするなんて学生運動華やかし頃から、そうはない。あったとしても暴走族のニュースくらい。
70代で暴走族ってのも考えにくいですから。

死に至るような行為はしつけにあらず

シェパードを死に至らしめた話の方では、「シャンプー中に犬が暴れたのでしつけをした」と、犬のプロはのたまわったそうな。
犬は服従させる存在、嫌がることは力づくでも言うことをきかす、そうした考えが、その犬のプロの根っこにはあるのでしょうね。
現行の愛護法(動物愛護管理法)ができる前は「犬には服従本能があり、その服従本能を引き出すのが訓練でありしつけである」なんて、今では科学的に嘘とされている内容が記されている手引書が、訓練士の監修の元で作られ、保健所や行政に置いてあったりしましたからね。
しかし現行の愛護法においては、犬は共生する対象とされている。
犬はいまや、服従させる対象ではないのですよ!

「犬には服従本能がある」と記されている、現行の愛護法が作られる前の、飼育の手引書。2009年頃までは、保健所などによってはまだ置いてあった
Can! Do! Pet Dog School

共生とはお互いの幸せを目指すこと

幸せホルモンと称されるオキシトシンは飼い主をよく見ている犬に増え、見られている飼い主に増える。
この科学的な事実は、昭和の時代にはわかっていませんでした。
見ている、と言っても警戒して注意を払っている状態の話ではありません。好きだからつい見ちゃう、見られちゃう、という関係においての話です。
そして、そうした関係を築き上げるためにやってはいけないこと。それは「犬を服従させようとする」ことです。
服従させようとする相手をあなたは好きになれますか? 服従させようとする相手と好きだからつい見ちゃう、という関係を築けますか?
「しつけの一環で……」って言い訳がいつまでもなくならない現実を見るにつけ、やっぱり「しつけ」という言葉は別の言葉に変えていくべきではないか。
どんな言葉へかって? それはもちろん「幸育」という言葉へとです。
え、「幸育」って何かって?
それは当コラムVol.22をご参照くださいな。

「好きだからそばにいたい、好きだからつい見ちゃう」という関係を築くには、まずは相手を服従させようと考えないこと
Can! Do! Pet Dog School

文/西川文二
写真/Can! Do! Pet Dog School提供
https://cando4115.com/index.html

西川文二氏 プロフィール

公益社団法人日本動物病院協会(JAHA)認定家庭犬しつけインストラクター。東京・世田谷区のしつけスクール「Can ! Do ! Pet Dog School」代表。科学的理論に基づく愛犬のしつけ方を提案。犬の生態行動や心理的なアプローチについても造詣が深い。著書に『子犬の育て方・しつけ』(新星出版社)、『いぬのプーにおそわったこと~パートナードッグと運命の糸で結ばれた10年間 』(サイゾー)、最新の監修書に『はじめよう!トイプーぐらし』(西東社)など。パートナー・ドッグはダップくん(15才)、鉄三郎くん(11才)ともにオス/ミックス。

CATEGORY   犬と暮らす

UP DATE

関連するキーワード一覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

人気テーマ

あわせて読みたい!
「犬と暮らす」の新着記事

新着記事をもっと見る