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多頭飼いをする飼い主さんからの、よくある相談|連載・西川文二の「犬ってホントは」vol.69

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「いぬのきもちWEB MAGAZINE」が送る連載、家庭犬しつけインストラクター西川文二氏の「犬ってホントは」です。
今回は、多頭飼いに関するお話。西川先生の実感では、最近多頭飼いが増えているそう。犬同士が楽しく遊ぶ様子をイメージすると、多頭飼いをしてみたくなりますが、実際はどうなのでしょう? 長年多頭飼いをする西川先生が、しつけや関係性の面からリアルな実態と、アドバイスをお伝えします(編集部)


多頭飼いが、なんとなく増えている気がする。
なんでそう感じるかというと、多頭飼いに関して相談ごとが増えているから。
例えば「食事は先住犬からあげるべきなのでしょうか?」「ケンカをしているのか遊んでいるのかがわからない。ほっておいて大丈夫なのか?」
といったご相談。
ということで、今回は多頭飼いのお話を。
もちろん私も多頭飼い。
先住犬がいる状況で新しい子犬を迎えたその頃を思い出しつつ、かつインストラクターの立場から、お話を進めていきましょう。

子犬には教えることがいっぱい

「犬は序列をつくるので、常に先住犬を優先する」
なんて昔はよくいわれていましたが、これ関係ありませんから(序列に関しては過去コラムVol.2Vol.23でお話ししているので、くわしくはそちらをご参照いただければと)。
人間の子育て同様小さい子の方が、当然ですが手はかかる。
食事の回数も、トイレの回数も多い、教えることもいっぱい。
番犬の時代のように、餌をあげてお散歩するぐらいが犬の世話だった時代とは違います。家庭犬(コンパニオン・ドッグ)に育てていくためには、子犬には社会化および好ましい行動をたくさん教える必要があります。
まぁ、人間でいえばその子のために義務教育およびしつけをしっかり行っていくということと同じなわけで、小さい子ほどそれに親が関わる時間が多いのは当然の話なのです。
先住犬を優先になんて、そもそも物理的に無理なわけです。

ダップが来たときには先住犬としてプー(写真奥)がいました。もちろん手をかけるのは、教えることが山積みだったダップ
Can! Do! Pet Dog School

お兄ちゃんなんだから!……とはいかない

犬は、人間の子どもたちのように我々の言葉を理解できるわけでありません。
先住犬をフリーにしていれば、子犬の相手をしている間に「かまってかまって」と入ってきて、世話やトレーニングの邪魔をしたりします。
ではどうするか、子犬の相手をするときには、先住犬をクレートで休ませることです(クレートには掛け布をかけ、子犬の相手をする飼い主のその姿を先住犬に見せないこと)。
あるいは、犬用のガムやアキレスなどを与え、集中を飼い主と子犬に向けさせないことです。
もっとも、主食以外に与えていい食べ物は、1日に必要なカロリーの10%以下に抑えなくてはいけない(栄養バランスを崩さないため、肥満を防ぐため)わけで、常にガムやアキレスなどを与えるわけには、いきません。
そう、新しい犬を迎えるのであれば先住犬のクレートトレーニングは不可欠ということなのです。

鉄三郎が来たときにはダップが先住犬。もちろん手をかけるのは、鉄の方
Can! Do! Pet Dog School

確実なオイデも重要

動くものを追いかけて噛みつく。子犬とはそういうものです。
先住犬と同一空間でフリーにすれば、ブリーダーのもとで親兄弟といっしょに過ごしてきた犬であれば必ずといっていいほど、子犬の方は先住犬を追い回し噛みつこうとします。
たとえ最初は楽しそうに遊んでいても、先住犬が子犬をケガさせるなどといったこともあり得ます(子犬が成長するとその逆も起こり得ます)。
そうした事故を防ぐためには、確実なオイデをそれぞれに教える必要がある。
オイデに限らず家庭犬としてのトレーニングを十分に行っていくには、トレーニングは別々に行わないといけない。お散歩も別々に、ということになります。
そうなのですね、トレーニングの視点からいって、多頭飼いは1頭の犬を育てるよりも少なくとも倍は大変なのです。
でも、家庭犬としてのトレーニングが十分にできていければ、その大変さは1頭の犬と暮らすのと大差なくなる。
そればかりか、大好きだからそばにいたい、大好きだからつい見ちゃうという視線を2頭から受けることとなります。
結果、飼い主体内の幸せホルモンと称されるオキシトシンは、1頭の犬と暮らす場合よりもきっと増えるのではないかと。
まぁ、あくまでも、エビデンスがあるわけではない私の仮説ですけどね。
研究室で論文を書いているどなたか、これ研究テーマにしてみませんか?

Can! Do! Pet Dog School
2頭から向けられる自発的なアイコンタクト。私のオキシトシンの増え具合は倍に?
Can! Do! Pet Dog School

文/西川文二
写真/Can! Do! Pet Dog School提供
https://cando4115.com/index.html

西川文二氏 プロフィール

公益社団法人日本動物病院協会(JAHA)認定家庭犬しつけインストラクター。東京・世田谷区のしつけスクール「Can! Do! Pet Dog School」代表。科学的理論に基づく愛犬のしつけ方を提案。犬の生態行動や心理的なアプローチについても造詣が深い。著書に『子犬の育て方・しつけ』(新星出版社)、『いぬのプーにおそわったこと~パートナードッグと運命の糸で結ばれた10年間 』(サイゾー)、最新の監修書に『はじめよう!トイプーぐらし』(西東社)など。パートナー・ドッグはダップくん(15才)、鉄三郎くん(11才)ともにオス/ミックス。

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