犬と暮らす
UP DATE
専門医監修|犬アレルギーの症状・原因・検査 それでも犬と暮らす工夫も
犬とふれあっているときなどに、くしゃみや鼻水、目のかゆみなどの症状が見られるときは、犬アレルギーを疑ってみてもいいでしょう。今回は、犬アレルギーの主な症状や原因(アレルゲン)、検査法、治療法、対策について解説します。
海老澤 元宏 先生
●経歴:
東京慈恵会医科大学医学部卒業
米国ジョンス・ホプキンス大学医学部内科臨床免疫学教室留学
東京慈恵会医科大学大学院医学博士号取得
2020年より国立病院機構相模原病院臨床研究センター センター長
犬アレルギーとは? どんな症状が出るの?
犬アレルギーとは
アレルギーの原因物質(アレルゲン)に触れると数分~2時間以内で、くしゃみ、鼻水、咳、目のかゆみ、蕁麻疹(じんましん)などの症状があらわれます。イヌになめられて皮膚が赤くなることもあります。
また、犬アレルギーの症状は次のようなものです。
犬アレルギーの主な症状
- くしゃみ・咳
- 呼吸がゼーゼーする(喘鳴)、呼吸困難
- 目の充血・かゆみ
- 鼻水・鼻のかゆみ
- 皮膚の発赤 など
犬アレルギーの原因(アレルゲン)とは?
代表的なアレルゲンは「Can f 1」
「Can f 1」は皮脂腺から分泌される「リポカリン」という物質から構成され、非常に小さいことから、ホコリなどに付着して空気中を漂い、拡散しやすいという特徴が。犬アレルギーの人の多くが、この「Can f 1」に反応しているとも考えられています。
また、「アルブミン」という物質から構成される「Can f 3」も、犬アレルギーを引き起こすとされています。
犬アレルギーかどうかを検査する方法とは?
犬アレルギーの血液検査とは
犬アレルギーの皮膚テストとは
犬アレルギーのプリックテストでは、皮膚にアレルゲンの液を一滴たらし、同じ場所を針で軽くつくことで、ごく微量のアレルゲンを皮膚に入れ、アレルギー反応が起こるかどうかを調べます。
自分で「接触テスト」をするのも大切
犬アレルギーの診断において最も重要なことは犬とふれあった際にアレルギーを疑わせる症状が出るかどうかですので、犬を飼っている知り合いなどに頼んで犬とふれあう機会をつくり、アレルギー反応が出るかどうかを確かめるといいでしょう。
犬アレルギーは治る? 主な治療法とは?
犬アレルギーの主な治療法
どの病院を受診すればいいの?
自宅でできる犬アレルギー対策(予防法)とは?
こまめに部屋を掃除する
そのほか、カーテンなどの布製の繊維にもアレルゲンは付着しているので、こまめに洗濯するようにしてください。毛がついたまま洗濯すると、ほかの洗濯物にも毛が付着してしまうので、毛を取り除いてから洗濯するのがポイントです。
空気清浄機を活用する
犬アレルギー対策としておすすめなのが、HEPAフィルター搭載の空気清浄機です。HEPAフィルターは非常に目が細かいという特徴があるので、空気中から毛やホコリなどを取り除き、空気を清潔にする効果が期待できます。
こまめにブラッシングやシャンプーをする
また、皮屑のアレルゲンを減らすには、定期的にシャンプーをして犬の体を清潔に保つことも有効です。ただし、洗いすぎは犬が皮膚炎になるおそれもあるので、シャンプーの頻度についてはかかりつけの獣医師に相談してください。
犬を触ったら必ず手を洗う
食生活や睡眠時間の見直しを行う
犬と生活スペースを分けるなど工夫する
また、犬が入ってはいけないエリアをつくり、症状がひどいときに避難できるようにしておくのも一案です。
犬アレルギーに関する気になる疑問
犬アレルギーの出にくい犬種はいるの?
また、アメリカの犬種協会である「アメリカンケネルクラブ」では、マルチーズやアフガン・ハウンド、ミニチュア・シュナウザーなどの犬種を“アレルギーでも飼いやすい犬種”として紹介していますが、これには明確な根拠がないのが実情のようです。
アレルギー症状のあらわれ方には個人差もありますので、こういった情報は鵜呑みにはしないほうがいいでしょう。
これから犬を飼う予定の人は事前に犬アレルギーかチェックしよう
文/ハセベサチコ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
UP DATE