
ボロニーズ
- 英語名
- Bolognese
- 原産国
- イタリア
- サイズ
- 小型犬
- グループ
- 愛玩犬
ボロニーズの性格と特徴・飼いやすさ
ボロニーズは、11世紀ごろには存在していたといわれる古い犬種です。起源には諸説ありますが、外見の似ているビション・フリーゼとマルチーズとは同じ先祖をもつと考えられています。ルネサンス期には王侯貴族に寵愛され、その後も高貴な人々の愛玩犬として大切に飼われ続けてきました。性格は素直でやさしく、人といっしょに遊んだり甘えたりするのが大好きです。動作も優雅でせかせかしたところがなく、初心者にも飼いやすい犬といえるでしょう。綿菓子のように真っ白でふわふわの被毛も魅力的です。
ボロニーズの飼いやすさ 各項目の数値が大きいほど飼いやすい傾向
※参考『日本と世界の犬のカタログ』(成美堂出版)
ボロニーズの性格
素直でやさしい性格で、人なつこいタイプです。愛玩犬として作られた犬のため、飼い主さんにかまってもらうことが大好きです。運動のためというよりコミュニケーションも含めて、ボール投げやおもちゃの引っ張りっこなどの室内遊びをすると喜びます。臆病な犬にしないため子犬のころから社会性を身につけさせるトレーニングは必要です。活動的で積極的にトレーニングに取り組む犬が多く、しつけるうえでとくに難しさを感じることはないでしょう。
ボロニーズの大きさ
体高はオスで27~30cm、メスで25~28cmの小型犬。体高と体長がほぼ等しい正方形の体つきで、まっすぐな足をしています。ふわふわの被毛に隠れた耳は垂れています。
オス 体高:27~30cm/体重:2.5〜4kg
メス 体高:25~28cm/体重:2.5〜4kg
※体高:地面から首と背中の境目付近までの高さで、人の身長に相当するもの。
※体長:前胸の出っ張り部分から、お尻の出っ張り部分までの長さ。
ボロニーズの毛色の種類
ホワイトのシェードも斑もまったくない、ピュアホワイトのみが認められています。被毛は巻き毛の長毛ですが、シングル・コートで抜け毛が少ないのも特徴です。
ボロニーズの心配な病気
・成長期に肘関節の骨に異常が生じる「肘関節形成不全」
・1才以下の成長期にある小型犬に多い「レッグ・ペルテス症」
・垂れ耳の犬に多い「外耳炎」
・足を引きずったり、ピョコッと上げたりしながら歩く「膝蓋骨脱臼」
・目の水晶体が変性して次第に視力が失われる「白内障」
ボロニーズの価格相場(2024年)
愛犬の迎え入れ方にはペットショップ、ブリーダーからや、保護犬譲渡などさまざまな方法があります。たとえばペットショップで購入する場合だと、下記のような価格相場です。
※ペットショップ・ブリーダーのウェブサイトを編集部で調査(2024年5月)。
ボロニーズの飼い方
ポイント(1)室内遊びをたっぷりと
運動量はそれほど必要なく、気分転換や社会性を養うのを目的に軽い散歩で充分です。ただ、なかには活発で運動量を必要とするボロニーズもいるため、愛犬の様子を見ながら運動量を調整するといいでしょう。愛玩犬としての長い歴史から、飼い主さんといっしょに遊ぶことが大好きなので、室内でボール投げやおもちゃの引っ張りっこをしてあげると喜びます。
ポイント(2)毛玉予防に毎日ブラッシングを
ふわふわの被毛は長毛ですが、シングル・コートのため抜け毛は少なめです。毛玉ができやすいため、ブラッシングやコーミングを毎日行いましょう。被毛を美しく保つために、定期的にプロへのシャンプーやトリミングの依頼が必要です。また、白い被毛は、涙ヤケやヨダレヤケして赤茶色に変色しやすいため、目や口のまわりはいつも清潔に保ちましょう。
また、シングル・コートのボロニーズは、冬の寒さが苦手。寝床にふわふわの毛布を敷いたりして寒さ対策も万全にしましょう。
ポイント(3)年齢と目的に応じたフードを
主食には、フードと水のみで栄養のバランスがとれるように作られている、総合栄養食を与えましょう。一般食は、栄養バランスよりも嗜好性を重視する傾向にあるため、主食には不向きです。フードのパッケージに「総合栄養食」と記載されているもののなかから、ご自身の犬に合ったフードを選択します。
犬はライフステージごとに必要とされる栄養の質と量が微妙に異なります。「子犬用」「成犬用」「シニア犬用」「体重管理用」など、年齢と目的に応じたフードを与えましょう。
手作りフードは与えているものを飼い主さんが把握できる安心感があり、愛犬のことを思いながら調理する楽しさもあります。しかし栄養バランスを保つのが簡単ではないため必要ならばサプリメント等で補いながら実施することをオススメします。
ボロニーズのかわいい画像
ボロニーズに似た犬の種類
ボロニーズの歴史や背景
ボロニーズの起源は定かではありませんが、よく似たビション・フリーゼとマルチーズとは先祖が同じと言われています。同一犬種が、イタリアのボローニャ地方でボロニーズ、フランスでビション・フリーゼ、中央地中海沿岸地域でマルチーズとして発展したと考えられています。ボロニーズは古代ローマ時代から著名な貴族に愛され、貴族の手によって大切に飼育され続けられてきた歴史があります。現在は、原産地のイタリアでこそ人気の犬ですが、世界的に流行犬種になることはなく、イタリア以外ではとても珍しい犬種です。
監修:
ヤマザキ動物看護大学 動物看護学部 准教授
福山貴昭先生 (博士[学術]・愛玩動物看護師)
参考:『日本と世界の犬のカタログ』(成美堂出版)