犬と暮らす
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「愛護活動を始めて気づいた保護犬にとっての幸せ」一人のラジオDJが活動する中で気づいたこと
2頭の保護犬を、初めて家族として迎える
その話を聞き、すぐに「保護犬をわが家に迎え入れたい」と思ったのが2009年。結婚して2年がたったタイミングで、夫とともに犬を多頭飼育できる家を千葉県に建てたところでした。
「引っ越しを機に、インターネットの『里親募集サイト』などで保護犬を検索して、『このコだ!』と思った犬を、結局2頭迎えることにしたんです」
迎えた保護犬は、鳥猟犬ミックスのフランちゃん、そしてミックスのデールくん。
2頭を迎えるにあたっては、先住犬ナナちゃんと、当時もう1頭いたミニチュア・ダックスフンドのメイビィちゃんとの相性が問題ないことも確認。
しかしながら、鳥猟犬の血が入っている活動的なフランちゃんは、家庭犬としてしつけるには難しい犬だということがわかり、ナナちゃんを迎え入れたときと同じように、また途方に暮れることになりました。
ドッグトレーナーなることを決意
2010年、太田さんはドッグトレーナーの養成学校でスキルを学び、晴れて資格を習得。フランちゃんのトレーニングは自身で行いました。
その後、ボランティアの現場でも取得した資格を生かそうと、フランちゃんを太田さんに譲渡してくれたボランティア団体「NPO法人アグリドッグレスキュー」のスタッフとなり、ドッグトレーナーとして保護犬たちのしつけを担当することに。
「保護犬のなかには、『問題行動がある犬』として、飼い主さんから飼育放棄された犬も少なくないんです。そうした犬をしつけ直して、少しでも早く新しい飼い主さんを見つけてあげたかった」と太田さん。
また、2011年からは、アグリドッグレスキューが保護した犬を自宅で一時預かりをして新しい家族を探す活動にも挑戦していきます。
ドッグトレーナーとして活動で気づいたメディアの重要性
「寝る暇もないくらい大変な時期もありましたが、さまざまな個性をもつ保護犬たちとの生活は本当に楽しいです。気づいたのですが、保護犬たちはみんな一度、人から見捨てられたけど、また多くの人の力で幸せをつかめたことをちゃんと理解しているんです。温かい家庭に譲渡された保護犬たちは、全身でその喜びを新しい飼い主さんに伝えているんですよ」
保護活動の現場に足を運び、ドッグトレーナーとして犬の問題行動に悩む飼い主さんの相談に乗っていくうちに、太田さんは、犬のことを正しく理解していない人が多いことに気づいたそうです。
こうした現状を変えていくために思い立ったのが、何らかのメディアを通して、多くの人々に「犬との暮らしの正しい知識と情報」を広めることでした。ここから、太田さんのラジオDJとしての活動が始まります。
次回は、太田さんが「保護犬」に関するラジオ番組を作り、ラジオDJとして活動するようになった経緯と、現在の活動についてお話を伺いました。
※各情報は、2021年6月7日現在の情報です
出典/「いぬのきもち」2021年8月号『犬のために何ができるのだろうか』
取材・文/袴 もな
写真提供/太田美智代
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