ここでは、犬と、犬を取り巻く社会がもっと幸せで素敵なものになるように活動している方々をレポートします。今回は、関東を中心に、不幸な境遇の犬たちを救って新しい家族を探す活動をしている動物愛護団体、NPO法人アグリドッグレスキューの活動を紹介します。
志を同じくするボランティアたちがつなぐ命
アグリの預かりボランティアの手嶋和恵さん。足腰が弱くなったかんなちゃん(推定13才)とリハビリを兼ねた散歩に
昨年は、コロナ禍の中でも、アグリレスキューが引き取った保護犬は101頭。新しい家族へ譲渡された犬は93頭に上りました。
千葉県に住む手嶋和恵さんは、9年前からアグリの預かりボランティアをしています。当初、手嶋さんは2頭のミニチュア・ダックスフンドと暮らしていましたが、3頭目に保護犬を迎えたいと思ったのが、預かりボランティアをするきっかけに。
「保護犬を3頭目として家族に迎えるにはいろいろハードルがあったので、それなら一時預かりをしようと思ったんです」
手嶋さんは、現在先住の愛犬2頭のほか、5頭の小型犬の預かりをしています。
「私も代表の清永さん(アグリドッグレスキュー代表 清永さつきさん)と思いはいっしょです。不治の病をもつ犬もシニア犬も、みんな温かい家庭に迎えられ、安らかで幸せな日々を送ってほしい」と手嶋さんは語ってくれました。
手嶋さん宅にいる保護犬と愛犬たち。中央のマルチーズの親子と左端のかんなちゃんは保護犬。愛犬は2頭のミニチュア・ダックスフンド
アグリを卒業して幸せをつかんだ元保護犬たち
アグリのスタッフたちが何よりも楽しみにしているのが、譲渡後の犬の里親さんからの近況報告です。
茨城県に住むTさんは、保護犬を子犬から育てたいと、2020年6月に生後4カ月のHaruちゃんを迎えました。現在は19㎏の大きさに成長。「わが家の週末菜園のための畑の横に、ドッグランを作ったのですが、Haruはそこで遊ぶの大好き」とTさん。
Tさん宅のHaruちゃんは、娘さんと大の仲よしに。いつもいっしょに遊んでいるそう
2018年2月に生後1才だったNicoちゃんを家族に迎えた神奈川県のAさん。先代の犬に面影が似ていたNicoちゃんにひとめぼれだったそう。「コロナ禍でずっと遠出ができなかったので、落ち着いたらペットと泊まれる宿に行きたいですね」とAさん。
Aさん宅に迎えられたNicoちゃんは、公園での散歩とボール遊びが大好き
千葉県にお住まいのKさんは、当時推定5才のシー・ズーのまるこちゃんを2011年5月に迎えました。先代の犬が亡くなって半年がたったころ、偶然まるこちゃんをネットの里親募集で見つけて、強い縁を感じたそう。
「このコとならもう一度いっしょに生活していきたい!と思ったんです。まるこはあまり感情を表に出さないタイプですが、15才になった今も元気いっぱいに過ごしてます」。
Kさん宅のまるこちゃんは、2年前に飼い主さん夫妻とラフティングに挑戦しました
アグリを卒業した犬たちは、みんな輝く笑顔になっています。
※各情報は2021年12月7日現在の情報です。
出典/「いぬのきもち」2022年2月号『犬のために何ができるのだろうか』
写真/筒井聖子
写真提供/NPO法人アグリドッグレスキュー
取材・文/袴 もな