犬と暮らす
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【子犬の飼い方】迎え入れる前に知っておきたいポイントまとめ
犬と暮らすということ
犬と暮らすことで得られる効果・効能
さまざまな思いでこれから犬を迎えようとされるご家庭があるかと思います。しかし、「犬を迎える」ということは簡単なことではありません。安易に迎えることは避け、しっかりとした心構えと、充分な準備が必要です。
犬と暮らす際の心構え
犬は生き物ですから、家族の一員として責任を持って迎える必要があります。飼うにあたって周囲に迷惑をかけないように必要最低限のマナーを守ることも大切です。犬と暮らすということは大変なことも多いですが、飼い主さんと犬とが良い関係を築くことができると、犬は素晴らしいパートナーとなり、かけがえのない生活を送ることができるでしょう。
犬を迎える前に
犬を迎え入れるときに必要な費用~登録料や予防接種など~
畜犬登録料
生後91日以上の犬を飼い始めた方は、30日以内に犬の所在地の市区町村で犬の登録を申請して観察の交付を受ける必要があります。
1回:3,000円
※地域により若干の差があります。畜犬登録は犬を飼ったら必ずすべき飼い主さんの義務です。登録をするためには狂犬病の予防注射を接種していることが前提となりますので、予防注射を受けた後、証明書を持って市区町村の役所または保健所に行きましょう。
狂犬病の予防注射
年1回:3,000円前後
※接種会場集団接種か動物病院での接種かなど、地域により差があります。
病院での健康診断(初めての場合には初診料も)と残りのワクチンの回数に応じた費用
動物病院は自由診療のため、病院により料金はさまざまです。初診料は1,000円前後の場合が多いでしょう。その後必要に応じて検査料などが必要になってきます。
ワクチン接種料金は混合ワクチンの種類によりだいたい5,000円~10,000円程度です。犬を迎えた時期にもよりますが、迎えてから追加で2回前後のワクチン接種が必要になる場合が多いです。
犬を迎え入れるときに必要な費用~ペット用品など~
・生活、管理用品(サークル、クレート、ベッドなど)
3,000~10,000円
犬は本能から狭い空間で四方を囲まれているところに入ることを好む性質がありますので、狭いところに閉じ込めてかわいそうというのは人間から見た感覚のようです。お迎えしたばかりの子犬はサークルやケージの中にトイレとベッドを入れて子犬が安心して生活できるような空間を作ってあげるようにしましょう。
・食事用品
1,000~2,000円
食器は陶器かステンレス製のものが一般的。給水器はペットショップで飲水していた場合は、慣れるまで同じものを使用したほうが良いでしょう。子犬が動き回って水をこぼしてしまうのを防ぐこともできます。
ただし、給水器は飲むことに対しストレスにもなるので自由に飲むことができるお皿も用意してあげましょう。
・お出かけ、散歩用品(リード、首輪、キャリーバッグ、ハーネスなど)
2,000~5,000円
※まだ体の小さな子犬にとって首輪は危険なことがありますので、ハーネスのほうが良いでしょう。首輪やハーネスは小さいうちから家で慣らしてあげることも大切です。
・トイレ用品(トイレトレー、ペットシーツなど)
2,000~8,000円
ペットシーツはいろいろなタイプがありますが、あまりに安価の物は吸水力がやや落ちる場合もあります。最初は少量の物で試してみるのもおすすめです。
犬を迎え入れるときに必要な費用~急ぎではないが今後あると便利なもの~
お手入れ用品
・ブラシ
遊びながらブラシに慣れさせておくと、日々のお手入れが楽になります。
・爪切り
子犬は動き回って危険なことがありますので、初めはあまり無理せずに動物病院やトリミングサロンで爪切りしてもらうと良いかもしれません。初めに嫌な印象がついてしまうと、今後自宅での爪切りが大変になってしまうことがあります。爪切りをする場合には一度に全ての指をするのではなく、おやつ(フード)をあげながら数本ずつ試していくと良いでしょう。
・シャンプー、リンス
・ハミガキグッズ
小さな頃から遊びの延長でハミガキに慣れておくと、将来的な歯周病の予防につながります。
その他
・おもちゃ
おもちゃはいろいろなタイプがあるので、子犬との生活の中でどのようなタイプのおもちゃが好きなのか見つけていくのが良いでしょう。コミュニケーションの一つとしてとても大切なので、できるだけ早く用意するのが望ましいです。
・おやつ
子犬の時期には必要ありません。ついついいろいろなおやつをあげたくなってしまうかもしれませんが、早くからおやつの味を覚えてしまうと、ドッグフードを食べなくなったり、好き嫌いの多い子になってしまったりするので注意しましょう。
しかしごほうびはしつけに欠かせないため、フードの中からおやつとして確保したぶんを与えるのがおすすめです。
犬を迎えてから年間にかかる費用
- 小型犬の場合130,000円前後
- 大型犬の場合200,000円前後
フード代
1キロあたり2,000円から3,000円のドッグフードを与えた場合
- 小型犬 36,000円前後
- 大型犬 72,000円前後
ペットシーツ
10,000円前後
フィラリア駆虫薬
年間12,000円前後から
ノミ、ダニ予防の薬
年間12,000円前後から
※体重に応じて変動あり。
トリミング
5,000円~10,000円前後(月に1回)
トリミングサロンと犬種等によりさまざま
臨時にかかる費用
医療費―定期的な健康診断―
1,000~2,000円
再診料のみで上記の金額になることが多いため、さらにプラスされると考えるのが良いでしょう。
避妊、去勢手術
- 避妊手術 20,000~50,000円前後
- 去勢手術 10,000~25,000円前後
※病院、犬種、手術の方法によって差があります。
突然の病気
動物病院と病気の状態により変動
ホテル代
1泊3,000~15,000円前後
ホテルの場所や犬の大きさによって大きく変わります。
住宅環境
一軒家で犬と暮らす場合にはマンションほど気を遣わずに済むので、あまり犬種に制限はないとは思いますが、近隣の住宅への配慮から無駄吠えのしつけはしっかりするようにしましょう。
住宅環境は、都会なのか田舎なのか、室内飼いか外飼いかなど、これから先どのように犬と一緒に暮らしていくかを考えて犬種を検討する必要があります。また部屋の広さや庭のサイズも考慮しましょう。
地域によって考える必要があるのは、暑い地域か寒い地域かという点です。暑い地域だけに関わらず、夏場の外飼いには熱中症などの危険性がありますので、夏場の気温がどのくらいになるか、夏場だけ室内飼いに変更するなどの対処ができるかどうか等も考えましょう。寒い地域で飼う場合には、暖かい地域で過ごしていたような犬種、被毛の短い犬では寒さ対策をしてあげる必要があります。
役割分担の確認
犬の世話で必要な役割分担としては、
- ごはんをあげる
- トイレの掃除
- 散歩に行く
- 動物病院に連れて行く
- 日頃のお手入れ(ブラッシング、お風呂やハミガキなど)
- ペット用品の買い物
大きく分けただけでもたくさんの役割が必要となります。これらの役割分担を家族でしっかりしておかないと、かわいそうなのは子犬です。家族の一員として迎えるわけですから、家族みんなでお世話ができるようにしましょう。
室内飼いの小型犬でも犬や人に慣れさせるための社会化や、ストレス発散のために朝夕2回程度の散歩が必要となります。交代で散歩に出るなど、生活リズムに合わせて分担をしてみると良いかもしれません。子供のいる家庭では、事故防止のためにも散歩には大人が付き添うようにしましょう。家族みんなで協力して子犬の世話をすることで、家族の絆も一層深まるのではないでしょうか。
犬を迎えたら
犬を迎えた日からするお世話
迎えた日から、しつけも同時に始まります。トイレのタイミングを見計らって、遊んでいる途中でもトイレへ連れて行くようにして、成功したらしっかり褒めてあげましょう。子犬の時期には甘噛みもよくします。甘噛みは子犬としては正常な行動なので様子を見ながら見守りましょう。
また、新しい環境に慣れたら、子犬のときからブラッシングやハミガキに慣れさせて体を触らせることに慣れさせましょう。ただし、嫌がる子犬を無理やり押さえつけたりするのは禁物です。遊びながら、おやつ(フード)をあげながらブラッシングやハミガキが楽しいことだという印象を与えられると良いですね。
共働きの場合はどうすればいい?
Q1.ひとりのお留守番は、犬に寂しい思いをさせてしまう?
必要以上に「かわいそう」とか「退屈を紛らわすものが必要」と考える必要はありません。寂しそうだからと新しい子犬を迎える人もいますが、それがかえって先住犬のストレスになることも。
Q2.途中から共働きになる場合には注意が必要?
Q3.留守番の日常化は、犬にとって悪影響?
また、留守番をさせることに対しての罪悪感から甘やかしすぎたり謝ったりしていると、分離不安症など精神的な不安につながったり、しつけやフードでわがままになってしまったりする場合もあります。必要以上に「悪いな」と思うよりは、留守番ができたことに対して褒めるようにしてあげましょう。
Q4.共働きで犬を飼うときに、充分に気をつけることとは?
愛犬にとって幸せに暮らせる環境が何かをよく検討してくださいね。
犬のしつけ
また、しつけのしっかりできている犬であれば、お散歩や旅行など一緒に出かける機会を増やすことができるので、犬と一緒の暮らしがより充実したものになるでしょう。しつけのタイミングには早過ぎるというとこはありません。子犬を迎えた日からスタートするつもりで迎えましょう。
「しつけ」といっても、犬のしつけは怒るということではありません。犬のしつけの基本は、「できたら褒める」ということです。
「これをしたら褒めてもらえた」と犬は学習して、また同じように繰り返すようになります。しつけは、この成功体験の学習方式が基本となります。とはいっても、失敗は当たり前。何度も何度も同じことを繰り返し、焦らずに根気強く、犬に成功体験を繰り返しさせましょう。
犬の食事
健康的な食事
一日に必要なドッグフード(総合栄養食)の量は製品毎に異なりますので、袋の表示を目安に与えることが基本となります。しかし、袋の表示はあくまでも目安なので、それぞれに合った量を調整しながら与えるようにしましょう。フードの量が多過ぎると肥満の原因となりますし、少な過ぎると体が必要とするエネルギー量が不足しますので、成長に問題が生じたり、栄養不足になったりしてしまいます。
また、フードには多くの種類がありますが、主食として選ぶ場合には、総合栄養食という表示のフードをライフステージに合わせて選ぶようにしましょう。
子犬がなりやすい病気と行動のポイント
環境の変化によるストレス
- 食欲がない
- 嘔吐する
- 下痢をする
子犬を迎えてから約1週間は、充分な休みを与えてあげることが大切。それでも、食欲をなくしたり、下痢や嘔吐をしたりする場合は、新しい環境になったことによるストレスが関係しているかもしれません。
母犬から離れた子犬は、新しい環境に移ることに大変なストレスを感じ、体に不調をきたすことがあります。この不調が続くようだと、最悪の場合は命を落とすおそれも。こんなときは早急に動物病院に連れて行き、救急の処置をしてもらいましょう。きちんと治療して子犬の免疫力を高め、体力を回復させることが肝心です。
夜鳴き
また、子犬を迎えた日から少しずつハウスに慣らしていくことも大切です。ハウスに居るときにフードやおもちゃを与えることで、ハウスに居ると楽しいということを理解させます。ハウスに慣れることで、夜鳴きもしづらくなるでしょう。
甘噛み
- 歯ぐきがムズムズする
- 捕食性である犬の本能
- 楽しいから
歯が生え変わる時期の犬は、歯がムズムズして噛んでしまうことがあります。また、犬の本能である捕食性から、動くものについ反応してしまった、という場合もあるでしょう。さらに、犬が噛んだときに叱ったり騒いだりしてしまったことを、犬が「楽しいこと」と理解してしまう場合もあります。
子犬のうちだからといって甘噛みを大目に見ていると、将来困ることになるかもしれませんので、クセにならないうちに早めに予防することが大切です。犬が噛んで困るものには、専用の噛み癖防止のスプレーを塗っておくのも良いでしょう。逆に、噛んでいいおもちゃを与えて、犬の欲求を満たしてあげることも大切です。このときに、興奮しすぎるようなら一旦遊びを止めるなどすれば、遊びを通じて興奮のコントロールを学ぶことができます。もし、子犬が噛み付きそうになったら、背を向けて目も合わさず、ひたすら無視をするのが効果的です。
食糞
- 栄養不足(ミネラル不足)
- フードの消化不良
- 胸やけ
- 暇つぶし
もともと、母犬が生まれたばかりの子犬の排泄物を食べることで処理するように、食糞自体は異常な行為ではありません。ただ、人と一緒に暮らすうえでは、やはりあまり気持ちのいいものではないでしょう。食糞の原因はさまざまですが、まずは、犬に「食糞」という体験をさせないことが大事。排便後は速やかに処理しましょう。このとき、犬の目の前でウンチを処理すると「飼い主さんが欲しがるほどいいものなんだから、取られる前に食べてしまおう」と勘違いすることも。まずは、犬をウンチが見えない場所に移してから処理しましょう。
フードの消化不良やミネラル不足により、ウンチに含まれている栄養を再吸収しようとしてウンチを食べることがあります。この場合、フードを替えたり、食事量を変えたりすることで食糞がなおるケースも。
犬の健康管理
病気の予防
たくさんの犬と生活していたような子犬の場合、寄生虫がいる可能性も考えられます。子犬を迎えたらすぐに糞便検査をすることもおすすめです。特に先住犬がいるような場合には早めに検査を受けるようにしましょう。
子犬は体を作るために多くのエネルギーを必要としますので、適正な量の子犬用のフードを与えなければいけません。また、一度にたくさんのフードを食べることができないため、一日に数回に分けてフードを与えなければ低血糖になってしまいます。日々の様子をきっちり観察し、体重も測るようにしましょう。子犬があまり食べないという状態が少しでも続くと危険です。このような様子がみられるときは早めに動物病院を受診するようにしましょう。
犬が病気になってしまったら
自宅で比較的簡単に確認できるポイント
- 耳の様子(におい、汚れ、赤み、痒がる様子があるかどうか)
- 皮膚の様子(湿疹、赤み、フケ、痒がる様子があるかどうか、傷、できもの)
- 目の様子(両目がしっかり同じようにあいているか、目やにの量、痛がる様子はないかどうか)
- 口の様子(においやよだれの量、痛がったり、ごはんを食べづらそうにしていたりという様子はないか)
このようなポイントは日ごろからの自宅でのお手入れ(ブラッシング、お風呂)などで簡単にチェックすることができます。
その他、「体に症状は出ていないがいつもと様子が違う」というような場合には、まず、元気かどうか、食欲がいつもと比べてどうか、排便、排尿はどうか、確認してみましょう。このポイントで気になることがある場合にはなるべく早く動物病院を受診することをおすすめ致します。
犬のお手入れ
犬のお手入れは飼い主とのコミュニケーション
毎日のお手入れ
散歩後に足の裏をチェックすることで、肉球の状態(傷や腫れ、赤みがないか)を確認することができます。洗った場合にはしっかり水分を拭いて乾かすようにしましょう。濡れたままにしておくと、蒸れてしまい細菌が繁殖してしまうため皮膚病になってしまうおそれがあります。
・歯みがき
犬の歯周病を予防することは他の病気のリスクも下げるといわれております。人間と同じように、犬にとっても歯みがきは大切なことです。特に小型犬では歯周病になるリスクが高いので、子犬のうちから歯みがきの習慣をつけておくと良いでしょう。
・ブラッシング
ブラッシングをすると体全体を見ることができるので、抜け毛のためだけでなく、皮膚の状態のチェックやできものができていないかどうか等確認しながらブラッシングするようにしましょう。
お風呂
トリミング
伸びすぎた毛をカットすることは、怪我の防止にもとても重要なことです。足の裏の毛をカットしていないと、フローリングなどの床で滑ってしまい、足を痛めてしまうことがあります。また、目の周りの毛が伸びすぎると、眼球を傷つけてしまうこともあります。定期的なトリミングは犬にとってとても重要なことです。
トリミングの料金は、犬種やトリミングサロン、コースによって様々ですのでサロンに連絡してみると良いでしょう。トリミングでは犬の体をしっかり触って、皮膚の状態もチェックしてくれますので、自宅では見つからなかったような病気が見つかることもあります。信頼のできるトリマーさんを見つけることができれば、毎月の健康チェックにもなり、病気の早期発見にもつながります。
犬の去勢・避妊手術について
デメリットとしては、手術後に太りやすくなってしまうという点などがあげられますが、手術後に与えるためのカロリーの低いフードなどもたくさんありますし、肥満の予防はしっかりとした食事管理で防ぐことができます。
性別ごとのデメリットとしては、オスは交配ができなくなる、太りやすくなることがあります。メスは出産ができなくなる、尿失禁、まれに脱毛が見られることがあります。
手術については、動物病院により様々な方針がありますので、手術の時期等についてはかかりつけ医と相談することをおすすめ致します。入院日数や費用についても病院ごとに異なりますので問い合わせてみると良いでしょう。
犬との遊び方、楽しみ方
散歩
散歩はたくさんの匂いを嗅ぎ、犬が情報収集する大切な時間です、匂いを嗅いでいたら無理にやめさせないようにしてあげてください。散歩に必要な時間は30分程度が主ですが、大型犬などでは長時間必要となります。
おもちゃで遊ぶ
まず、おもちゃはずっと出しっぱなしにせずに、遊び終わったら飼い主さんが管理して犬の見えないところにしまうようにしましょう。遊ぶときには、飼い主さんがおもちゃを出して遊びのスタートの合図を出します。遊び出すと犬が興奮しすぎてしまうことがありますので、そのようなときには一度遊びをやめて、落ち着かせてから再開してみてください。
犬は遊びながらたくさんのことを学んでいきます。遊びながらしつけることで犬も楽しく学習することができ、飼い主さんとの信頼関係もより一層深くなるでしょう。
犬を迎え入れたら、その瞬間から家族の一員です。飼い主さんには、犬がずっと幸せに暮らせるような環境を整える責任があります。愛情をたくさん注いでお互いにかけがえのないパートナーになったら、愛犬はあなたの人生をより豊かにしてくれるでしょう。
「いぬのきもち」WEB MAGAZINE『【専門家が解説】共働きの飼い主さん必読! お留守番している犬のホンネとは…』(監修:いぬのきもち・ねこのきもち獣医師相談室 担当獣医師)
文/kate
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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