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いぬのきもち【獣医師監修】子犬のしつけは社会化期から!覚えさせ方やコツとは
犬と暮らす上で、飼い主がまず行うべきなのが「しつけ」です。特に性格が形成される子犬の時期は、しつけを行うのに重要な時期でもあります。今回は、子犬のしつけを始めるベストな時期や覚えさせるべきしつけ内容、しつけ方法の手順や注意点などを解説します。
監修/石田陽子先生 獣医師
子犬のしつけはなぜ必要?いつから始めるのがベスト?
子犬にしつけはなぜ必要なのか?
でもどうすればいいかを教えてあげなければ、犬がしたいように振る舞うのは当たり前。飼い主や周囲の人だけでなく、愛犬自身も「快適」かつ「安全」に、「ストレスなく」過ごすためにも、社会性を身に着けるためのしつけは必要なのです。
子犬のしつけを始める時期は?
逆に、社会化期のうちに刺激慣れやしつけができていないと、常に外の刺激に意識を向けている状態となり、ストレスにさらされることに。その状態のまま警戒心が強まる生後5カ月以降を迎えてしまうと、ストレスや不安から問題行動を起こす恐れがあります。愛犬が問題行動を起こすようにならないためにも、子犬の社会化を促すしつけは生後4カ月ごろまでに行うとよいでしょう。
子犬に覚えさせるべき基本のしつけとは
トイレ
ハウス
お手入れ
指示しつけ
アイコンタクト
本格的なしつけの前に飼い主さんが頭に入れておきたいこと
しつけで大切なのは信頼関係
子犬のしつけはほめることが大切だが、甘やかすだけはNG
ただし、「ほめる」と「甘やかす」はまったく違うものです。一部の飼い主さんの中には、愛犬が問題行動を起こしても叱ったりしつけたりせず、むしろ甘やかすようにほめてしまっている方がいます。愛犬にそういった態度を取り続けていると、自分の要求を通すために問題行動を起こすようになる場合があります。ほめることも大切ですが、「やってはいけないこと」をしっかり教えることも重要なことです。
最初のうちは見守る気持ちでしつける
しつけ方はコロコロ変えない
実践しつけ1:トイレトレーニング
トイレのしつけ方
- 愛犬をハウス(サークルやクレート)から出してトイレに連れて行き、「ワンツー」など声をかけながら、排泄を促します
- トイレで排泄ができたら、直後に「イイコ」とほめてフードやおやつを与えます。子犬のうちは飼い主さんが排泄のタイミングを把握しやすくするため、排泄記録を取りながら行うのがおすすめです
- 排泄が終わったら、手に握ったフードやおやつのニオイをかがせ、愛犬をトイレからハウスに誘導します
- ハウスに着いたら愛犬にリードを装着し、散歩に連れ出します
- 排泄→ハウス→散歩の手順を繰り返すと、次第に自分からトイレに行くようになり、外ではなく室内でトイレを済ませられるようになります
トイレを失敗してしまった場合の対処法
また、粗相したことに騒いでしまうと、飼い主さんの気がひけたと思って余計に粗相を繰り返す犬もいます。愛犬をクレートなどのハウスに待たせ、リアクションをせずに無言で片づけるのが正しい対処法です。
実践しつけ2:アイコンタクト・指示
アイコンタクトのしつけ方
- まず、おやつを握った手のニオイを愛犬にかがせ、愛犬が見る対象を飼い主さんへと誘導します
- おやつを握った手を飼い主さんのあごまでの高さに上げ、愛犬の名前を呼びます
- おやつにつられて手についてきたら、ほめながらおやつを与えます
- 飼い主さんの方を見て目が合うようなら、さらにほめておやつを与えます。この手順を繰り返し行うことで、名前をよぶだけで目が合う(アイコンタクト)ようになります
オイデ(指示しつけ)のしつけ方
- まず、愛犬にリードを装着して向き合います。フードまたはおやつを握った手を愛犬の鼻に近づけてニオイをかがせ、飼い主さんの手に意識を集中させます
- 愛犬が手に集中した状態をキープして、伸ばした手で愛犬を引きつけるように後ろに歩きます
- 3歩ほど下がったら両膝をつき、愛犬を自分に密着させながらほめて、フードやおやつを与えてなでます
- 愛犬が確実に密着するようになったら、手を出す前に「オイデ」と言葉をかけます。この手順を繰り返すことで、「オイデ」と呼びかけたら飼い主のすぐそばまで来るようになります
実践しつけ3:社会化訓練
外からの刺激に慣れさせるためのしつけ方
- 外に慣れさせる訓練をします。まず室内でリードを装着しながら「抱っこ歩き」をし、落ち着いて眺められるようになるまでさまざまなものを見せます
- 室内での抱っこ歩きに慣れたら、フードやおやつを与えながら家の周りを抱っこの状態で歩いてみます
- 家の周りを歩くのに慣れたら、歩く距離を徐々に延ばしていきます。この頃に、人や犬、動く乗り物や人ごみなどを見せたり、触れ合わせたりして、あらゆるものや場所に慣らしていきます
- 愛犬がものや場所への刺激に慣れてきたら、マンホールの上などを少しずつ歩かせていきます(ワクチン接種が済むまでは抱っこ歩きをキープ。どの程度までかは動物病院と相談すると良いでしょう)
- 上記の手順を繰り返し、中や外の刺激に慣れさせることで、問題行動を起こさない社会性が身につきます
ボディタッチに慣れさせるしつけ方
- イスやソファに座り、愛犬を膝の上に抱き上げます。愛犬が膝から落下しないよう少し体を密着させます
- 両手は手のひらの中央をくぼませて、二枚貝の貝殻のような形にふんわりと合わせます
- 片方の手で愛犬の体を支え、もう片方の手で愛犬の頭や肩、腰など、犬が自分で触れない場所を中心にマッサージしていきます。愛犬が心地よいと感じるポイントを探してみましょう
- 上記の部位のマッサージを続けながら、少しずつ触れる場所を増やしていきましょう。犬が嫌がりやすい足先や口まわり、しっぽなどは無理をせずに、毎日少しずつ触る時間を長くしてゆっくり慣れさせていきます
実践しつけ4:問題行動(ムダ吠え・甘噛み)予防
ムダ吠えさせないためのしつけ方
- チャイムが鳴った時にほえなければ、来客に応対する前に、愛犬に「イイコ」と声をかけてほめます(ごほうびを与えてもOK)
- そのまま愛犬が吠えずにいたら、今度は「アイコンタクト」をしながら、再び愛犬をほめます
- その後、愛犬が吠えないように、静かにゆっくりと来客に応対します(ほえそうな場合には、ほえる前にガムやコングなどを与えて気をそらすのも良い)
- 上記の手順を繰り返し行うことで、犬が「チャイムの音=吠えないとよいことが起こる」と認識し、ムダ吠えを予防することができます
ちなみに、このしつけを行う大前提として、ほめるのは愛犬が吠えなかった場合のみということを忘れないでください。吠えているのにほめてしまうと、ムダ吠えを引き起こしてしまうので注意してください。
甘噛みさせないためのしつけ方
- 愛犬がものを噛むのをやめて落ち着いている状態を見計らい、積極的に話しかけてほめます。おやつも与えながらほめてあげると、犬が「おとなしくしている=よいことが起こる」と認識し、甘噛みをしなくなります
- 体にあり余るパワーがもどかしくて噛む場合は、散歩や遊ぶ時間を増やして、パワーを発散させてあげましょう。普段とは違うコースを歩かせると、より外からの刺激を受けてパワーを発散しやすくなります
- スキンシップのときに、なでるのをやめてほしくて甘噛みする場合は、長持ちするおやつを与えながらゆっくり静かになでるようにします。激しくなでると愛犬も興奮して噛んでしまうので、ゆっくりなでるのを心がけてください
- 遊びのはずみで歯が当たったときに、手を急いでひっこめたりすると、犬が遊びと認識して噛み続ける場合があります。歯が当たってもあまり反応せず、手を噛まれないようなおもちゃを使って遊ぶようにしましょう。また、歯があたったらそのままあそびを中断し、無視するのも効果的です
愛犬も飼い主も、ストレスばかりの不幸な生活を送らないようにするためにも、子犬の正しいしつけ方を学んで、落ち着いた犬になるようしつけていきましょう。
監修/石田陽子先生
獣医師。川崎市の石田ようこ犬と猫の歯科クリニック院長。
子犬のしつけ教室や行動治療なども行う。
愛犬は和音くん(オス・11才/4.7kg/ミニチュア・ダックスフンド)
「いぬのきもち」2017年7月号『12回で基本をすべてマスターできる!はじめてしつけコンプリートドリルvol.5 社会化しつけ』(監修:しつけスクールCan!Do!Pet Dog School代表 西川文二先生)
「いぬのきもち」WEB MAGAZINE『子犬を迎える前の基礎知識|しつけやお留守番~予防接種まで』
※写真は一部スマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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