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ドッグフードに入っている「チキンミール」「ミートミール」は、消化率が悪い原材料ではないですか?

ドッグフードの原材料に使用されているチキンミールやミートミールについて、その栄養の質が気になる声があります。人の食用でない部分の寄せ集めで、消化できない部分がたくさん入っていたり、私たちが食べる肉よりもたんぱく質が少なかったりするのではないかという心配です。

たんぱく質をはじめとするさまざまな栄養素が豊富に含まれている

 私たちがスーパーや精肉店で購入する食肉は、鶏や豚、牛の体の主に筋肉部分やその周りの脂身、あるいはレバーなどの副生物です。鶏ならモモやムネ肉には皮もついていますし、手羽には骨もついて売られていますが、基本的に、家庭内等で調理するための食材として適した(便利な、と言い換えてもいいかもしれません)部位です。
 一方、犬は、狩りをして仕留めた動物を、消化できる部分はすべて食べてしまいます。昆虫や爬虫類などの小動物なら、骨も含めて丸ごと食べてしまうでしょう。
 チキンミール・ミートミールには人の食用の部分をとったあとの組織を使っている場合があることから、たんぱく質などの栄養分が少ないのではないかと指摘する声がありますが、そもそも、家畜・家禽の体はすべて栄養分からつくられているのであり、皮膚や内臓などさまざまな組織を構成する主な栄養素はたんぱく質です。
 ミートミールについては豚や牛から食用の脂をとった残りが使っている場合があることから、絞り「カス」のようなイメージをもたれがちで、栄養について心配する声もあるようです。しかし考え方を変えれば、脂肪とたんぱく質が混ざった部位から脂肪分だけを取り除いた、たんぱく質の割合のとても高い優れた原材料といえます。さらに、鶏や豚の肉骨粉には、骨の塊のままでは消化しづらいカルシウムなどのミネラルが、粉になって消化吸収しやすい状態になって含まれています。チキンミール、ミートミール、肉骨粉は、たんぱく質とミネラルが豊富に含まれている良質な栄養源です。

 ドッグフードの栄養の質は、最終的な製品の栄養バランスがとれていることが重要です。それぞれのペットフードは、その目的に応じて、原材料ごとの栄養素の持ち味を組み合わせてつくられています。
※写真はアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」に投稿されたものです。
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監修/徳本一義(獣医師)
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