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ドッグフードに含まれる副産物とは?その安全性について解説します

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※画像は本文とは関係ありません。

ドッグフードに使用されている動物性の原材料には、私たち人が「肉」と呼んでいる正肉(しょうにく)の部分以外に、鶏や肉の「副産物」と呼ばれる部分も使われている場合があります。鶏副産物や肉副産物とは、どのようなものでしょう。

「副産物」は食品としても身近な部位

「家禽(かきん)副産物」「肉副産物」とは、食用の家禽や家畜の体のうち、「肉」と定義された部分以外のことです。このうち家畜については、革製品などに使われる原皮を除いた部分を「副生物」と呼ぶこともあります。
この「副産物」「副生物」というのはあくまで総称です。副産物の多くの割合を内臓が占めます。

レバー(肝臓)、タン(舌)、ハツ(心臓)、ミノ(牛の第一胃)、センマイ(牛の第三胃)、マメ(腎臓)、テール(尾)、コブクロ(豚の子宮)などと言い換えれば、わたしたちがふだん食べ親しんでいる部位が多く該当することがおわかりになると思います。

実は栄養価も高い「副産物」

犬やその祖先であるオオカミは、獲物をとらえたあと、食べられるところはすべて食べます。とくにオオカミやコヨーテなど犬に近い動物は、内臓も好んで食べます。これは、内臓には、たんぱく質だけでなく、一部のビタミンやミネラルを多く含むなど、正肉(骨格筋)とは違ったバランスの栄養素が含まれているからです。

 わたしたちも、正肉を食べるだけでなく、鉄分やミネラル、ビタミンをヘルシーにとりたいときにはレバーなどを食材に選ぶ場合があります。さらに犬の自然な食性や栄養面を考えると、家禽副産物や肉副産物もふくめて摂取することが自然なのです。

ドッグフードに使われている副産物の安全性は?

ドッグフードの原材料として使われている「副産物」がどんなものか、商品からは想像しづらいので、犬の飼い主さんのなかには、衛生面などに不安を感じている人もいるようです。
「家禽副産物」「肉副産物」という分類は、「肉」と定義された部分以外すべてを指すので、多くの部位が該当します。とはいえ、それらの全てがドッグフードに使われているというわけではありません。ドッグフードへの使用に適した内容で、清浄に処理されたものが使用されています。国内製造では動物性の原材料は農林水産省やFAMIC(独立行政法人 農林水産消費安全技術センター)の確認を受けた製造ラインから調達しなければならず、納入時にもメーカーが内容や安全性をチェックしています。輸入製品についても、製品が日本国内の基準に合致するように製造が管理されています。

「ペットフード安全法」による安全確保の体制

 ドッグフードの「副産物」について意見を述べているインターネットサイトの中には、不衛生な死骸が入っているかもしれないとか、家畜以外の動物が入っているかもしれないといった不安を強く印象付けている内容も見受けられます。しかし、ドッグフードは、「ペットフード安全法」と呼ばれる法律によって安全な製品を製造・販売することを義務づけてられていて、全ての原材料を表示する決まりになっています。健康に害を及ぼすような内容の商品は販売できませんし、原材料の畜肉を扱う施設では、他の動物が混入しないように厳重な管理が行われています。
 「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律(ペットフード安全法)」は、ペットフードの安全性を確保し、犬や猫の健康を守ることで、動物愛護に寄与することを目的とした法律です。犬や猫の健康に影響を与えないよう、成分規格や製造方法、表示の基準を定めています。衛生面では次の点があげられます。

病原微生物に汚染された原材料を使用できない
「ペットフード安全法」に基づき、病原微生物に汚染された原材料をドッグフードに使用することがないよう、製造方法の基準が定められ、厳しく監視されています。また、ドッグフードの製造段階で何度も加熱されることで、製品内に影響が残ることはありません。

カビの発生防止
カビの発生によって健康に影響を与えるようなカビ毒が製品に残留しないように、「ペットフード安全法」に基づき、製造方法の基準と成分規格が定められています。このため、ドッグフードのメーカーや輸入業者には管理責任が生じています。

安全性の監視体制
ドッグフードの製造・輸入・販売会社が「ペットフード安全法」が守っているかを監視するために、国に安全管理業務を委託されたFAMICが、抜き打ちで製品の品質チェックも行って結果を公表しています。万が一、安全性に問題のある商品が見つかったときには、企業には回収や廃棄の命令が出されます。

正肉のみと副産物入りのフードはどちらがいい?

  結論から言えば、どちらでもいいでしょう。ドッグフードを選ぶうえでまず大切なのは、製品全体として、愛犬が健康を維持する栄養バランスが整っていることです。ひとつひとつの原材料が何であるかは、アレルギーなどで特定の物質を避けなければならない場合以外、あまり関係がありません。
 犬にとって、獲物のさまざまな部位を食べることが自然だったことはすでに述べました。もちろん、動物性たんぱく質に正肉やそのミール(粉状にしたもの)のみを使用しているフードも、ほかの原材料で必要な栄養バランスを整えてあります。ですが、家禽副産物や肉副産物も、正肉よりもさまざまな栄養素が豊富に含まれていることから、栄養バランスに優れたドッグフードをつくるうえで優秀な原材料となっています。ドッグフードは、健康を維持するために必要な栄養素やエネルギーに対して、さまざまなコンセプトで作られています。それぞれのメーカーが考えるレシピに合わせ、正肉と副産物をうまく使い分けることで適切な栄養バランスに調整しています。

<まとめ>「副産物」は「悪い物」ではない!

※写真はアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」に投稿されたものです。

「家禽(かきん)副産物」「肉副産物」は、様々な栄養素が含まれる優秀な原材料です。また、法律のもと、安全に管理されて使用されています。
 インターネットのサイトの中には、根拠がない、あるいはまちがった知識のまま、「何々は不安」「何々はよくない」と不安をかきたてることで読者の注目を集めているサイトもあります。信頼のおける情報をもとに、愛犬の健康維持のために適切なフード選びをしたいものです。

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監修/徳本一義(獣医師)
へリックス株式会社代表取締役社長。大学卒業後、小動物臨床を経て、ペットフード会社で学術部門を担当。現在は、複数の獣医科大学の非常勤講師を兼任。ペット栄養学会理事。ペットフード協会新資格認定制度実行委員会委員長。

徳本先生

取材協力/ペットフード公正取引協議会

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