ルーティンとは、決まった手順や所作を繰り返すこと。人だと、心を落ち着かせたり、体調を整えるために行うことが多いですが、じつは愛犬の健康を保つためにも使える方法なんです。
今回は犬のお手入れのプロ・二村陽子先生が愛犬に行っている〝犬の健康のためのルーティン〞を教えてもらいました。「いいな」と思ったものは、あなたと愛犬のルーティンにしてみてくださいね。
1.散歩から帰ったら、すぐにブラシをササッとかける
「散歩後は土や葉っぱがついていたり、毛がからまっていることが多いので、ブラシで汚れやもつれを取ります。散歩後すぐと決めると、「あとでやろう」として忘れることがなくなり、被毛や皮膚を清潔に保てキレイが長もち。皮膚トラブルの予防にもなります。」(二村先生)
2.炭酸入りの足湯に入れる
「シニア犬だとシャンプーが負担になることもあるので、成犬よりも回数を減らしました。また、足やしっぽの先、耳などは血行不良になりがちなので、たらいに5㎝ほどお湯を張り、犬用の炭酸入りの入浴剤を入れたお湯で足湯。炭酸のお湯は血流がよくなるといわれているので、低温のお湯でも体が温まります。体全体にお湯をかければ、炭酸の力で皮脂汚れやニオイもスッキリ!」(二村先生)
3.オーラルケアはできることをあきらめず毎日行う
「ハラミ(取材時、二村先生が預かっていた犬)は歯みがきが苦手。年齢的に無理させたくないので、マウスクリーナーでニオイや菌を抑えるケアをしています。今まで預かった若い犬のときは、手軽に使える歯みがきシートや、チキンやチーズの味がついた歯みがきペーストを使って毎日少しずつケアしていたら、徐々に平気に! あきらめずに続けることが大切です。」(二村先生)
4.ドライヤーで乾かすときは温風と冷風を交互に当てる
「犬の皮膚は人の皮膚の3分の1ほど。人用のドライヤーの温風で乾かすと、乾かす時間は短縮できますが、乾燥により皮膚トラブルにつながることも。皮膚へのダメージを最小限に、かつ効率的に乾かすため、3~5秒ごとに温風と冷風を切り替えています。最近搭載されている低温のスカルプモードなどを利用してもいいですね。」(二村先生)
5.肉球を洗ったあとは必ずクリームで油分を与える
「アスファルトの上を歩く機会が多い犬は、肉球が傷ついていたり乾燥しがち。うるおいのある肉球を保ち、ひび割れを予防するため、散歩から戻って足を洗ったあとに肉球用のクリームで油分をプラスしています。足拭きついでなので、嫌がることもありません。」(二村先生)
6.イヤーローションは3種類使う
「ハラミは預かったときから耳が荒れぎみだったため、耳を清潔にするイヤーローションを3種類用意。ふだんはナチュラルな成分のもの、ニオイが気になるときは抗菌効果を期待して銀イオンが入ったもの、汚れてベタつくときは、イオン水のもの、と使い分けています。状況に合わせて使い分けることで、ハラミもより快適に過ごせています。」(二村先生)
7.毎晩スキンシップがてら、お手入れ状況をチェック
「人がリラックスできる寝る前の時間は、犬もリラックスしやすい時間。その時間を利用し、ハラミに触れたり毛をかき分けたりして、毛や皮膚の状態をチェック。「おなかが乾燥しやすいから、保湿をしっかりしよう」などとお手入れの計画を立てています。」(二村先生)
「お手入れは毎日少しずつ行って、慣れさせるのが〝できるようになる〞近道。愛犬も『いつもこの時間だけ我慢すれば終わる』と覚えて、嫌がることが少なくなります。愛犬と飼い主さんのお手入れのストレスを軽減するには、ルーティン化は最適です」(二村先生)
ぜひ、これはできそう!と思ったものを実践してみてくださいね。
お話を伺った先生/トリミングサロンHONDEHOK代表 二村陽子先生
参考/「いぬのきもち」2019年10月号『マネしたい! 健康のためのルーティン36 』
写真/殿村忠博、平林美紀
文/いぬのきもち編集室