なぜキャットフードじゃだめなの?
犬は猫同様、かつては狩りをして生活していた動物ですが、肉食性の猫とは異なり、人間と共存する長い歴史の中で、雑食性が強くなった傾向にあります。植物性の原材料を上手に利用することができるため、三大栄養素の割合は猫よりも人間に近いと言われています。
一方で、犬は人間よりもたんぱく質の割合が多く必要で、人間とは必須栄養素も異なります。
そのため、キャットフードはもちろんのこと、人間の食べ物でもなく犬専用のドッグフードを与える必要があるのです。
ドッグフードがあれば大丈夫?
必須栄養素とは?
「必須栄養素」とは、必要量を体内で作り出すことができず食事から摂取する必要がある栄養素のことで、その摂取目安は動物ごとに異なります。そのため犬の食事には、犬の必須栄養素が必要量含まれていなければなりません。
必須栄養素を必要量与えることは飼い主の責任
自ら食品を選べる人間とは異なり、飼い主が与える食事を食べ続ける犬にとっては、少しの栄養バランスの崩れが大きな健康問題につながることがあります。つまり飼い主には、愛犬の健康を長期的に維持できる、栄養バランスのとれた食事を用意する責務があります。
ドッグフードの目的はさまざま
こう考えると、栄養バランスの取れた食事を与えることに少し気負いしてしまうかもしれませんが、水分と最適なドッグフードを適量与えていれば、ほぼ問題はありません。しかしドッグフードも目的別に種類が分かれており、主食として与えられるものとそうでないものがあります。ドッグフードならなんでも良いというわけではないので、選ぶ際には注意しましょう。
ドッグフードの種類
ドッグフードには、「総合栄養食」「間食」「治療食」「その他の目的食」のいずれかの項目が記載されており、主食として与えられるのは「総合栄養食」です。では、それぞれの目的を詳しく見ていきましょう。
「総合栄養食」
上述したとおり、「総合栄養食」は日々の主食として与えることを目的としたフードです。総合栄養食の表示のあるドッグフードと水の摂取で、指定された成長段階の健康が維持できるよう、栄養の基準が設けられています。
「間食」
「間食」はその名のとおり、おやつやごほうび、またはコミュニケーションの手段として与えるものです。
「治療食」
「治療食」は、特定の病気などのペットの栄養サポートを目的にしたもので、獣医師の指示の下、食事管理に使用されます。
「その他の目的食」
「その他の目的食」は、他の3つに該当しない嗜好促進のおかずタイプのフードや、サプリメントなどが含まれます。「副職」「一般職」「栄養補完食」「カロリー補給食」などと表示されることが多くあります。
愛犬の健康のためには、「総合栄養食」のフードを主食に!
愛犬の健康を維持するためには、「総合栄養食」と記載されたドッグフードを、水とともに年齢や体格にあった量与えましょう。手作り食を与えたい場合、犬に必要な栄養素を完全に網羅するのは非常に難しく、専門的知識が必要となります。愛犬が喜ぶ顔を見るために、たまのごほうびなどにとどめておくことをおすすめします。
愛犬の健康のために、今後のドッグフード選びの参考にしてくださいね。
出典/「いぬのきもち」17年11月号別冊『ドッグフード大辞典』(監修:獣医師 徳本一義先生)
文/hasebe
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。