間違った褒め方してない?
テストでいい点を取ったり、困っている人を助けたり、仕事で良い活躍をしたりすると、それを見ていた人から褒められますよね。その行為の中には、感謝の気持ちが含まれることもあるでしょう。「がんばったね」「ありがとう」「よくやった!」と言葉をかけられると、そこに喜びが生まれて嬉しい気分になります。
それは犬も同じです。トイレが上手くできたときや、おとなしくお手入れをさせてくれたとき、オスワリ・マテ・フセなどコマンドを覚えたときには、しっかり褒めてあげたいですよね。しかし、飼い主さんの中には「間違った褒め方」をしている人がいるかもしれません。
犬をほめる上で知っておくべきこと
その1:褒めることは大事なコミュニケーション
「褒める」という行為は、人にとって好ましい行動を犬が取ったときに、人が犬に対してする好意的なリアクション。人と犬との大事なコミュニケーションのひとつだと覚えておきましょう。
その2:褒め方
愛犬を褒めるときは、以下の視点を大切にしましょう。
・いつ
よいことをした瞬間に
・どこで
その場で
・何を
犬の行動や行為に対して
・どのように
犬が喜ぶかたちで
その3:大切なポイント
褒めることは、犬にとってご褒美になります。もし犬がメリットを感じるなら、褒める方法はさまざまなので、おやつをあげなくてもOK。飼い主さんが心から褒めていれば、笑顔を向けるだけでも、なでるだけでも気持ちは伝わります。
その4:褒めるときの心構え
その犬にとって合う褒め方を見つけ、飼い主さんの嬉しい気持ちや褒めたい気持ちを伝えることが大切。褒めるときは、飼い主さんも楽しい気分になることがポイントです。
犬が困ってしまう褒め方とは
褒めるときは「イイ子ね」「Good boy」など声をかけながら、頭や体をなでることがあります。なでられることを喜ぶ犬にとってはご褒美になりますが、なでられることが苦手な犬もいます。耳そうじやリードを思いっきり引っ張られるような嫌な体験をした犬は、顔や首回りを触られることに敏感になっているでしょう。
その犬を飼い主さんが「褒めたい!」と思ったとき、いきなり手を出してなでようとします。すると、後ずさりをしたり、顔をそむけたり、口の周りをペロペロしたり、あくびをしたり。犬がそんなしぐさをしたら、なでられるのが苦手なのかもしれません。飼い主さんは「褒めたい(その行動を覚えて欲しい)」と思っていても、犬は「褒められているのに、嫌なことをされている」と混乱してしまいます。
愛犬は褒めて伸ばそう!
褒めるときは、言葉をかけるだけでも嬉しい気持ちは十分伝わります。可能ならば、おやつなど犬の大好きなものを与えながら褒めると、さらに理解しやすくなります。声のトーンを上げ、明るく笑顔で「イイ子ね」「よくできたね」などと短いほめ言葉をかけてあげましょう。犬は「褒められる」ことに対しては、「またやろう!」と思ってくれますよ。飼い主さんからしても、褒めることの優位性にきっと気づくはずです。
出典/「いぬのきもち」18年3月号『愛犬を幸せにする三人の神様とダメにする一人の悪魔のお話』(監修:東京大学付属動物医療センター行動診療科 獣医師 菊池亜都子先生、ラ・アンベリール オーナー 櫻井陽道先生)
文/HONTAKA
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。